農業ボランティア


台風19号は、その土地の産業にも大きな被害を与えていました。
長野市内の名産品のりんごもその一つ。

大半が泥水につかり、出荷不可能な状態になっただけでなく、千曲川の決壊により、多量の土砂が流れ込んだ畑が沢山ありました。今までの土壌ではない密度の高い泥が流入して木の根元に堆積、多いところでは30センチ以上にのぼる所も。このままではりんごの木が枯れてしまい、今年被害があったりんごだけでなく、今後のりんごの実ができない可能性がありました。

「なんとか、りんごの木を枯らさないように」という目的のもと、11月から【信州農業再生復興ボランティアプロジェクト】が立ち上がりました。
農ボラとして独自にボランティアを募集し、漂流物の撤去やりんごの根回りの土砂のけの対応を始めました。

災害NGO結としては、立ち上げ前の打ち合わせから参加させていただきました。過去の農業ボランティアセンターの事例を紹介しながら、アドバイザーとして仕組みづくりや、実際の現地での動きのサポートなどをしました。
現場では、大きな漂流物など人力で撤去が難しい物の対応を、技術チームへつなぐこともしました。

農ボラのボランティアの受け皿として、動いていた地元のりんご農家を中心としたチーム【津野復光隊】と【Team SHIRO】が、被害の大きかった2地区で活動しています。
農ボラ第一期の活動は終了しましたが、まだ地域にニーズはあります。今までの活動内容(漂流物撤去、根回りの土砂除去など)以外にも必要な作業があったり、第一期には活動が及ばなかった地域もあります。

また、りんごの木は春に発生する病気を防ぐために、消毒が必要です。伝染する病気で、どこか一軒でも遅れていると蔓延するため、地域全体を消毒ができるような状態に整備する必要があります。こういった背景もあり、先述した2団体が地域の柱となって行政の担当者や業者さんと本格的な土砂撤去を進めています。

こうして地元の方が被災したけれど、支援者として活動する姿をとても心強く思います。(そして彼らはとても前向きに明るいのです)
外部支援者として、春まで特殊技術を持ったボランティアの問い合わせをつないだり、相談役としてそばにいるつもりです。

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