11月レポート

佐賀

拠点整備支援

大町町にて、地域の交流拠点にこあがりを作りました。


大町町交流拠点フリースペース Peri.は、今年8月、防災拠点やこども支援拠点を含む地域の交流スペースとしてオープンする直前に、豪雨災害により浸水被害を受け、通常オープンという形では無く、緊急支援拠点として一時利用され、支援物資の配布など現在に至るまで災害対応の拠点として活躍しています。

これから徐々に、緊急支援から本来の機能に移行するにあたり、浸水により廃棄した畳があったスペースに、こどもたちが遊ぶ場所であったり、地域の人がほっと一息つける場所になるよう、床下収納と掘りごたつを備えたこあがりを作りました。

 災害だけでなく様々な社会課題は、起こってしまった事への応急処置ではなく普段の地域間の繋がりを含めた暮らしにあると感じており、外部支援者としてはその小さなきっかけとしてこあがりを作らせて頂きましたが、その後の活用が今後の地域の繋がりになることを願っています。

また、一部を除き材料の大半は、活動をする中で出会う、補助金制度の都合であったり、建材として使った余りなどで、本来まだまだ使えるが捨てられてしまう木材などを使用しました。新材を買うよりも手間がかかることも多いですが、資源を大切にするというメッセージとしても伝えていきます。

伝える活動(佐賀)

大町町と武雄市において、大分大学の大学生からの要請のもと、今回の災害の現状をお伝えすべく、受け入れを行いました。現状の周知と九州圏内からできることの模索のため今回の訪問し、大分県内でできることをしたいとのことで、現段階で写真や今回の訪問にて知ったことやなどの展示などを行う予定です。

大町ではOPENJAPAN、武雄市では一般社団法人おもやいのメンバーの協力のもと、支援拠点や被災地域を周り、発災当時の状況や今日の現状、そして二年前の災害との違いから、これからの防災や支援の在り方まで、様々お伝えすることができたかと思います。

伝える活動においては、正解がなく、様々な角度により見え方や意見が違ったりと、偏らないように注意したいと考えています。また、伝えた後のフィードバックによって新たな見え方に気づかされたりと毎回こちらも勉強させていただき、これからの支援に役立てていきたいと考えています。

住宅支援・農地支援

住宅支援に関しては、大町町において引き続き浸水被害を受けた住宅の壁はがしや防寒対策などを行いました。
農地支援に関しては、嬉野市において農地、農道を中心に倒木の処理や石垣の補修などを行いました。

 11月を振り返る中で両者に共通した点は発災から3か月ほどが経ち、緊急を要するニーズは徐々に減ってきましたが、様々な事情により手を付けられていなかったケースや、追加でお願いしたいというニーズがちらほらと。外部支援者全員が常駐ではなくとも、近隣、できる事なら地元の方々と共に対応できる支援体制を、そして徐々に地元支援者に移譲していければと考えています。

毎度考える事にはなりますが、支援の偏りができるだけ出ないことや、支援の行き過ぎにより本来住民さん自身や地域でできることを、地域の力や、一人ひとりの暮らす力を奪ってしまわないよいうな、距離感を大切に活動していきます。

長野

りんごの収穫シーズンを迎えた長野市。どこの畑でも農家さんが忙しくされていました。
今月も、長沼・豊野地区への訪問をしながら、困りごとサポートや見守りを続けています。

長沼ワークライフ組合

11月の活動をもって、長沼ワークライフ組合の草刈り活動シーズンオフとなりました。6月から始まった活動ですが、たくさんのボランティアさんの力を借りて、無事に終了です。事故なく終われたのはなによりです。しかし、課題もたくさんあります。

水害によって増えた空き地や、地域を離れた人の土地の草刈りを、と始まった活動ですが、来年以降の見通しや計画づくりが必要です。例えば長期的に活動できるように、関わる人にボランティアでなく謝金が払えるような体制や仕組みづくりなど、整える部分はたくさんあります。

地域をどうやって維持していくのか、という大きな課題に紐付いた問題なので、ワークライフ組合だけでの解決は難しいのですが、今後の継続的な問題です。今後どうやっていくのか、また冬の間に打ち合わせを重ねる必要がありそうです。

ふらっと農園

今月は大豆の収穫でした。収穫は大人たちでやって、脱穀体験という形で豆を植えてくれた保育園生に関わってもらいました。
ほとんど無農薬のほったらかし大豆、今年は100キロ超えの収穫ができました。たくさんとれたので、この大豆で味噌作りワークショップとか、いろいろ活用したいなぁと思っています。

豊野町

ぬくぬく亭さんと豊野住民自治協議会さんにお声掛けいただき、地域で育てている野菜の収穫祭に参加しました。浸水した土地を活用し、地域の方で世話した復興野菜。去年も収穫した野菜を地域の方に配るなどしています。
今年の収穫した野菜の一部を預かり、佐賀の被災地に届ける予定です。

水害後に住民自治協議会(自治会のような行政組織)が中心になって、地域の方で育てている畑。近所のおじちゃんおばちゃんが精力的に動いていて、生き生きとしたパワーを感じました。

人吉

復旧活動

佐賀のニーズが少し落ち着いてきたので、同じ九州内の人吉にも数日間行ってきました。
7月以降なかなか関われていませんでしたが、毎週開催の連携会議にオンラインで参加したりしていました。

人吉では地元社協が主となって、支援に関わるNPO(め組JAPANや友救の会など)が継続して活動しています。それを、会議のオンライン開催やグループチャットなど見える形で共有してくれているので、遠くからでも状況が把握できるのでありがたい。ニーズの進捗状況が分かるので、こうして離れていても、パッと活動に参加できます。

今回はめ組JAPANにニーズの調整をしてもらいました。ブラッシング案件、床貼り、災害廃棄物回収などの案件に対応しました。
全体のニーズ数はだいぶ少なくなりましたが、まだ、復旧にまつわるニーズがある状態の人吉です。

大柿地区のコミュニティ支援

人吉市で最も被害が大きかった集落の一つでもある大柿地区。
その被害の大きさや地形的なリスクなどから、今後は地区の一部を遊水地にするという国の計画も出ている地区です。
こうした背景もあって、まだ自宅を再建するかどうかの決断ができていない住民も存在します。

結では、そんな大柿地区の公民館の応急復旧を手伝ったり、修復のための資材を提供したりをしていました。夏頃に公民館の修繕が完了し、お披露目会やサロンなどが再開しはじめました。

こうした動きと並行して、おれんじぴーす(九州看護福祉大学の有志チーム)が、公民館掃除や畑活動などで地区の方との交流を続けていました。今回はそのメンバーが感謝祭を企画したので、少し参加してきました。

今回は、大柿の動きやおれんじぴーすの活動を見守る他に、もう一つ狙いがありました。
同じく九州の西九州大学のチーム、OKABASEをつなぐことでした。2019年の佐賀豪雨から継続的に佐賀の支援に関わっているOKABASEから、おれんじぴーすが足湯を教わる、という形で交流を企画することができました。
大学は違えど、同じ九州内で被災地の課題解決に向けて動いている大学生たちがつながることで、今後の被災地への大きな力になると考えています。

 

伝える活動

講演や研修などは、6月~10月の水害が多い時期はできるだけ避けて、お受けしています。
逆に11月〜5月ごろは、伝える活動シーズンです。


コロナ禍でオンライン開催なども取り入れながら、11月も各地の講演や研修会などに参加しました。昨年からお声かけいただいていた奈良県防災士会さんや、TOYOTAさんから依頼を受けて、被災地の様子や防災のことなどお伝えしました。