3月レポート

熊本

2016年の熊本地震で作られた仮設住宅が3月に閉鎖すると聞いて、少し足をのばしてきました。一時は益城町の中だけで1,556件建設された仮設住宅。この最後に残った木山仮設も、最大220世帯ほどが入居していました。

団地の敷地内にあるささえあいセンターにも少し顔を出してお話を伺いました。アポも取らずに突然お邪魔しましたが、「もう訪問者はほとんどいませんから」と話しながら色々教えてくださいました。
自宅を再建した人、復興公営住宅に転居した人など、自力で復旧できる人から退去していきます。(今回の場合は、地震後の都市計画などで自宅再建の条件が揃わないケースなどがあり、一概には言えませんが)そうして自立できる方から退去が始まり、見守り支援などが必要な方が多く仮設団地に残っていきます。
何か所もあった仮設住宅団地も、木山仮設に集約されてここまで使用されてきました。ほぼ空き家になった仮設団地を歩くと、ちょっと寂しい気分になります。
1人ひとりと退去を見送って残っていく住民の方はどんな思いだったんだろうかと少し考えてしまいました。

仮設住宅はこれで撤去の動きになるようですが、復興住宅に移った後も続いていく課題、新たに生まれる課題さまざまです。
ようやく仮設住宅がなくなりました。やはり、被災地の復興には時間がかかるなぁと改めて感じます。

 

3月11日から12年

今年の3.11は沼津市での研修会中に迎えました。
2021年7月に水害を経験した沼津市で、技術ボランティアの話をしてきました。
実技部分も入れたいとのことだったので、昨年9月の台風15号被害から生まれた静岡の団体「しぞ〜かまめっ隊」のみなさんにもご協力いただきました。
市町村をまたいだとしても、近くの実働団体が講習や研修に参加して協働できるのはありがたい機会でした。各地で技術ボランティアの必要性が理解されはじめ、研修や講習も増えています。だからこそ、研修や講習をつながり作りの機会としてちゃんと活用していきたいなと改めて感じました。

 

静岡 – 台風15号

地元の拠点ふらっとを活用して、サロンや家屋復旧のサポートなど被災地支援活動が続けられています。3月はほとんど、外部支援者として何もしないけど居るをした期間でした。手も口も出さず、相談にのる、アドバイスだけする、という役割が地元支援に必要だと思っています。
件数が落ち着いてきたこともあって、家屋復旧の活動調整も地元の方たちで進んでいます。ふらっとというプラットフォームを活用している点で、団体を超えての活動調整なのでやり辛そうな面も見えるので、その点は今後もちょっと気にして見守りたい部分です。
また、油山地区でお借りしていた宿泊拠点は、荷物を整理して完全に撤収しました。応急的に修繕した壁や床はそのままにして、オーナーさんが再度自宅を活用してくれたらいいなと思っています。

 

岡山倉敷

もう一つ、現地を使った研修にもお邪魔しました。こちらは2018年の西日本豪雨で大きな被害を受けた、倉敷市真備町のとある家を活用して実施。あの時に被災し、その後本格的な修繕をしないままの家です。その後住む人がいなくなり、空き家になっていたところでした。そこを地域の拠点・シェアオフィスとして有効活用したいという話が生まれました。再建費用を抑えることと、家屋再生の過程を研修会として体験するが目的のプロジェクトでした。
被災地に限らず、空き家は全国各地の課題です。被災地×社会課題を研修などで解決するような流れが今後大きくなっていくのではとも思っています。