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012月/22

1月レポート

佐賀

 8月の水害から5か月が経った現地では、外部の支援者が緊急的に動くフェーズから、地元団体を中心に対応するフェーズに変わっています。
しかし、地元支援者だけでは難しいケースもあります。この時期は、連携して対応することが重要です。

また、大町町に佐賀拠点建設中の「日本レスキュー協会」からの依頼で犬舎のスノコを作って欲しいと連絡をいただき、連携している仲間や佐賀県内のボランティアメンバーと共に作成。復旧作業から再生作業にフェーズが変わってきている面もあります。

8月の水害対応は少し落ち着いており、外部支援者の私たちの活動は復旧活動から「再生」「備え」を整える活動に切り替わってきています。
3年に2度の水害を経験した大町、武雄。近隣の久留米市では4年で5回も被害を受けていて、復旧作業や助け合いがこれまで以上に求められています。
地元の行政、社協、NPOなど主体的にかかわる方、外部から様々な支援で関わってもらえる方々に声かけながら、少しずつイメージから形にする為の準備をしています。

連携団体
もやいボランティアセンター
日本レスキュー協会
DRT-JAPAN Nagasaki
DEF-TOKYO
コミサポひろしま 

長野

これまで2回の冬とはうってかわって、大雪シーズンな長野です。
コロナ対策をしながら新年の行事が各地で実施されて、地域の方が顔をあわせる機会が作られていました。

とくにどんど焼きは、地域の方がこぞって出てきていて、この地区こんなに人がいたの?と思うほど。
コロナで奪われるばかりの集まる場ですが、こうした機会が地域の再生に必要だなと改めて感じました。
陽性者の数が増えている時期ですが、どうやってこうした地域の機能を維持するのか、は今後も考えなくてはいけないですね。

オンラインの交流会もいろいろなところで開催されています。
2019年の長野が事例を紹介する側だったり、他の被災地の事例を学んだり。
オンラインだからこそ、気軽にどんな地域ともつなぐことができます。
暗中模索の復旧・復興活動の中で、似たような経験をした人たちと体験を共有できるって、とても心強いのではと感じました。

伝える活動

今月も沢山の方にお声かけていただき、被災地で学んだことや感じていることを伝える機会がありました。
災害を経験していない方が備えたり連携したり、なにかの行動につながるには、どうやって伝えるのか?どう伝えたらきっかけになれるのか?を考えています。
毎回聞いている対象者の立場や経験なども違うし、オンライン講演やテレビ出演などは、聞き手の顔が見えない中で話をするので、とても伝えるのが難しい環境でした。

ちなみに、1月23日に放送された明日をまもるナビはこちらから 

事務局からはまだまだ日本語がおかしいと注意されることも多いですが、一つひとつ進歩して、聞いている方に届けられるようにがんばっていきます。

講演先
奈良県社会福祉協議会
ようこそ小城
NHK
長野復興ちゃんねる
伊那市弥生高校
宇和島NPOセンター

101月/22

12月レポート

長野県

12月から復興住宅への入居が始まりましたが、それに合わせての倉庫掃除のニーズなどもありました。仮設住宅から復興住宅へと、目に見える形でのある種の復興は進んでいます。

しかし、生活の基盤となるすまいが定期的に変化し、こうした変化に伴う負担が大きい場合もあります。
また、復興住宅に入居するのは件数でみるとマイナーです。自宅を修繕したり、建て直したりなどしている方が多い。そして、まだ工事中のお家もあるのです。

復興住宅に入居した場合でも過去には、その後の家賃支払が難しく(入居当初は補助が出ますが一定期間まで)、復興住宅から次の住まいを考えるケースもあります。
復興住宅が建てば復興した、という一つの考え方もありますが、まだまだ地域の課題は続きます。

被災から3年目を迎えた被災地の大きな課題は、コミュニティのことです。

災害によって大きく人口が変わりました。もともとの高齢化に、土地にこだわらない世代が出ていってしまった面も大きく、今後のコミュニティの担い手不足が加速しました。
これから先安心して住めるようにと、堤防かさ上げや防災ステーションなどハード面の検討がなされていますが、それに比べると、安心して住み続けられるコミュニティなど、ソフト面の検討はまだまだ進んでいません。

一人ひとり個人の意見が違う以上、丁寧な取り組みが求められます。もともとの人間関係や被災によって変わった/変わらなかった価値観、それぞれの立場など、まとまるようにまとめるのは至難の業ではと思うこともあります。
地域に根ざした丁寧な活動と、時間、地元の方の主体的な関わりが必要です。

やりすぎない、を強く念頭に置きながら、冬の間に少しでも地域が前進していくようにサポートを続けていきたいと考えています。

佐賀県

家屋講習用の模型制作

家屋被害に関しての講習会に向けた模型を作成しました。現地の緊急支援活動に並んで大切な伝える活動の一環です。
伝える活動として、災害後に被災した方や支援者、平常時からもさまざまな人に、被災地のノウハウを伝えています。


今回作成した模型を使うことで、より被災家屋の状況が伝わるかなと考えています。講習の内容についても、実際の課題が伝わりやすいようにいろいろな人と相談しながら構想中です。

連携団体と意見を出し合い、今回の模型からの改良点についても話しました。団体ごとに細かい注目ポイントやこだわりがあり、そうした差異を理解しあったり、ある程度の統一見解を作るなど、団体を超えて協議する必要性についても考えるきっかけとなりました。

今後の伝える活動への起爆剤になればと思います。

連携:open japan

簡易家具制作ワークショップ

 床上浸水世帯へ向けた、簡易棚づくりワークショップをサポートしました。

いろいろな支援物資をもらうことも多いけれど、盲点なのが、そうした新たな家財を置く場所がない収納力問題。被害を受け家財の大部分を廃棄した方も多く、災害から4か月が経った今、生活の再建に向けたこの活動の必要性を感じました。

ワークショップでは、支援者が全てを提供するのではなく、住民さんが自分で作ることを大切にしています。技術的なサポートをしつつ、災害時だけでなく平常時から自助の力が持てるようつながればとの思いがあります。

また、こうした活動を佐賀県内で継続できるように、県内在住のボランティアの方を巻き込み、少しでもノウハウの伝達ができるよう努めました。

連携:おもやいボランティアセンター、大町町地域おこし協力隊、PublicGate、open japan

地域の公民館倉庫設置補助

 ピースボート災害支援センターが被災した地域の公民館を支援する事業がありました。ある公民館では、その事業をつかって新たに倉庫を設置することになりましたが、今後を考えてかさ上げを希望していました。そこで、現地の技術チームを調整。

人手がいる作業もあったので、地域住民やIVUSA長崎の学生と一緒に活動し、無事設置完了しました。地域の人との交流や経験したことのない活動が、学生たちのこれからの糧になればうれしく思います。そして、このような機会で県域での活動などつながりのきっかけなればと思います。そうすることで、地域にとっても、学生にとっても前向きな意味をもつこととなれば嬉しいです。

連携:IVUSA、PBV

12月の伝える活動

三重県社会福祉協議会:多種多様な方との連携をテーマに
滋賀県防災カフェ:被災地からの最新レポート
長野県北アルプス振興局:台風19号を事例報告「ONE Nagano」
群馬県防災啓発動画出演:近日公開予定
災害プラットフォームおきなわ:なは防災キャンプ’21 秋 防災シンポジウム 〜地域防災『公助×共助』ベストの方程式を考える

これまでの被災地で学んだ事、感じた事を、事前に主催の方と打ち合わせを行いながら、意向に合わせて話す内容を考えています。これから現地の様子を少しでもかみ砕き、災害直後も大切ですがその後訪れる再建、復興の厳しさなども伝えていけたらと思っています。

061月/22

新年のご挨拶

謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

東日本大震災から10年がたった2021年も、残念ながら各地で自然災害が発生しました。

昨年も全国数か所で緊急支援の活動をしましたが、 2011年と違う部分がたくさんあると感じました。

個人ではなく団体としての活動であること
持っている経験やノウハウ
関係団体や支援仲間とのネットワーク etc.
どれも、この10年でたくさんの方に支えられながら培ってきたものです。
一つひとつの積み重ねで、被災地に届ける力は格段に大きくなっています。
みなさまの関わりに、心から感謝いたします。

しかし、我々が少しずつ力をつけるのでは追いつかないほど、気候変動の影響が現れています。

被災地に届ける支援が十分だったと感じることはほとんどありませんが、このままではこれから先も圧倒的に力が足りない。
みなさまのおかげで力をつけてきたからこそ、この先ももっと被災地の課題が解決していくような活動を進める必要があると思っています。

そこで結として、これまで各地で培った経験やノウハウ、協力な仲間たちと共に”育成”に力を入れていきたいと考えています。
結としての基盤を強くすること、特に災害が多い九州での拠点作り、もっと大きな規模での被災地支援の基盤づくりなどやらなくては、と思っていることがたくさんあります。

2022年は、もっと社会を良い方向に変えていけるように、邁進したい考えです。
コロナ禍ではありますが、今年も各地を走り回るつもりでいます。 今年も一緒に社会課題について考え、行動していただけると嬉しいです。

2022年もどうぞよろしくお願いいたします。

                                 災害NGO結  前原

1312月/21

社会貢献支援財団より、表彰していただきました

11月29日に、社会貢献支援財団さんより、社会貢献者として表彰いただきました。
東京での表彰式に出席し、賞状をいただきました。
他にも全部で40団体/個人の方が表彰されていて、どこも興味深い活動をされていました。

詳細はこちらから

結の活動自体を評価していただいたのはもちろん、「災害支援」という分野が表彰されたのは、嬉しいことです。

今や「ボランティア」は被災地の復旧に欠かせない存在です。
しかし、そんな必要不可欠な存在を無償で使い続ける時代は、そろそろ終わりにしたい。でも、現場ではまだまだ本当にいろんな意味で身を削りながら活動を続けている人たちがたくさんいます。
彼ら一人ひとりが、ちゃんと胸を張って、無理をしないで、被災地で活動できるような道を作りたいと思っています。
つまり、職業化すること。
「ボランティア」が必要なくなるように、社会全体の仕組み作りを進める必要があります。

今回、(一部文言の修正をお願いしたものの)災害支援のプロフェショナルとして表彰いただきました。大変身に余るものですが、こうして一つひとつ道を作っていくことも、結の役目かなとも思っています。

そしてなにより、こうした場所に導いてくださったのは、今までにいろいろな形で結をご支援くださったみなさまです。
この場をかりて、深く御礼申し上げます。
ありがとうございます。
受賞のことを、自分のことのように喜んでくださる方ばかりですが、本当にたくさんのサポーターのみなさんにくださった賞だとも思っています。

これからも、結や結が関わる先のことを、一緒に見守ってくださると嬉しいです。

0912月/21

11月レポート

佐賀

拠点整備支援

大町町にて、地域の交流拠点にこあがりを作りました。


大町町交流拠点フリースペース Peri.は、今年8月、防災拠点やこども支援拠点を含む地域の交流スペースとしてオープンする直前に、豪雨災害により浸水被害を受け、通常オープンという形では無く、緊急支援拠点として一時利用され、支援物資の配布など現在に至るまで災害対応の拠点として活躍しています。

これから徐々に、緊急支援から本来の機能に移行するにあたり、浸水により廃棄した畳があったスペースに、こどもたちが遊ぶ場所であったり、地域の人がほっと一息つける場所になるよう、床下収納と掘りごたつを備えたこあがりを作りました。

 災害だけでなく様々な社会課題は、起こってしまった事への応急処置ではなく普段の地域間の繋がりを含めた暮らしにあると感じており、外部支援者としてはその小さなきっかけとしてこあがりを作らせて頂きましたが、その後の活用が今後の地域の繋がりになることを願っています。

また、一部を除き材料の大半は、活動をする中で出会う、補助金制度の都合であったり、建材として使った余りなどで、本来まだまだ使えるが捨てられてしまう木材などを使用しました。新材を買うよりも手間がかかることも多いですが、資源を大切にするというメッセージとしても伝えていきます。

伝える活動(佐賀)

大町町と武雄市において、大分大学の大学生からの要請のもと、今回の災害の現状をお伝えすべく、受け入れを行いました。現状の周知と九州圏内からできることの模索のため今回の訪問し、大分県内でできることをしたいとのことで、現段階で写真や今回の訪問にて知ったことやなどの展示などを行う予定です。

大町ではOPENJAPAN、武雄市では一般社団法人おもやいのメンバーの協力のもと、支援拠点や被災地域を周り、発災当時の状況や今日の現状、そして二年前の災害との違いから、これからの防災や支援の在り方まで、様々お伝えすることができたかと思います。

伝える活動においては、正解がなく、様々な角度により見え方や意見が違ったりと、偏らないように注意したいと考えています。また、伝えた後のフィードバックによって新たな見え方に気づかされたりと毎回こちらも勉強させていただき、これからの支援に役立てていきたいと考えています。

住宅支援・農地支援

住宅支援に関しては、大町町において引き続き浸水被害を受けた住宅の壁はがしや防寒対策などを行いました。
農地支援に関しては、嬉野市において農地、農道を中心に倒木の処理や石垣の補修などを行いました。

 11月を振り返る中で両者に共通した点は発災から3か月ほどが経ち、緊急を要するニーズは徐々に減ってきましたが、様々な事情により手を付けられていなかったケースや、追加でお願いしたいというニーズがちらほらと。外部支援者全員が常駐ではなくとも、近隣、できる事なら地元の方々と共に対応できる支援体制を、そして徐々に地元支援者に移譲していければと考えています。

毎度考える事にはなりますが、支援の偏りができるだけ出ないことや、支援の行き過ぎにより本来住民さん自身や地域でできることを、地域の力や、一人ひとりの暮らす力を奪ってしまわないよいうな、距離感を大切に活動していきます。

長野

りんごの収穫シーズンを迎えた長野市。どこの畑でも農家さんが忙しくされていました。
今月も、長沼・豊野地区への訪問をしながら、困りごとサポートや見守りを続けています。

長沼ワークライフ組合

11月の活動をもって、長沼ワークライフ組合の草刈り活動シーズンオフとなりました。6月から始まった活動ですが、たくさんのボランティアさんの力を借りて、無事に終了です。事故なく終われたのはなによりです。しかし、課題もたくさんあります。

水害によって増えた空き地や、地域を離れた人の土地の草刈りを、と始まった活動ですが、来年以降の見通しや計画づくりが必要です。例えば長期的に活動できるように、関わる人にボランティアでなく謝金が払えるような体制や仕組みづくりなど、整える部分はたくさんあります。

地域をどうやって維持していくのか、という大きな課題に紐付いた問題なので、ワークライフ組合だけでの解決は難しいのですが、今後の継続的な問題です。今後どうやっていくのか、また冬の間に打ち合わせを重ねる必要がありそうです。

ふらっと農園

今月は大豆の収穫でした。収穫は大人たちでやって、脱穀体験という形で豆を植えてくれた保育園生に関わってもらいました。
ほとんど無農薬のほったらかし大豆、今年は100キロ超えの収穫ができました。たくさんとれたので、この大豆で味噌作りワークショップとか、いろいろ活用したいなぁと思っています。

豊野町

ぬくぬく亭さんと豊野住民自治協議会さんにお声掛けいただき、地域で育てている野菜の収穫祭に参加しました。浸水した土地を活用し、地域の方で世話した復興野菜。去年も収穫した野菜を地域の方に配るなどしています。
今年の収穫した野菜の一部を預かり、佐賀の被災地に届ける予定です。

水害後に住民自治協議会(自治会のような行政組織)が中心になって、地域の方で育てている畑。近所のおじちゃんおばちゃんが精力的に動いていて、生き生きとしたパワーを感じました。

人吉

復旧活動

佐賀のニーズが少し落ち着いてきたので、同じ九州内の人吉にも数日間行ってきました。
7月以降なかなか関われていませんでしたが、毎週開催の連携会議にオンラインで参加したりしていました。

人吉では地元社協が主となって、支援に関わるNPO(め組JAPANや友救の会など)が継続して活動しています。それを、会議のオンライン開催やグループチャットなど見える形で共有してくれているので、遠くからでも状況が把握できるのでありがたい。ニーズの進捗状況が分かるので、こうして離れていても、パッと活動に参加できます。

今回はめ組JAPANにニーズの調整をしてもらいました。ブラッシング案件、床貼り、災害廃棄物回収などの案件に対応しました。
全体のニーズ数はだいぶ少なくなりましたが、まだ、復旧にまつわるニーズがある状態の人吉です。

大柿地区のコミュニティ支援

人吉市で最も被害が大きかった集落の一つでもある大柿地区。
その被害の大きさや地形的なリスクなどから、今後は地区の一部を遊水地にするという国の計画も出ている地区です。
こうした背景もあって、まだ自宅を再建するかどうかの決断ができていない住民も存在します。

結では、そんな大柿地区の公民館の応急復旧を手伝ったり、修復のための資材を提供したりをしていました。夏頃に公民館の修繕が完了し、お披露目会やサロンなどが再開しはじめました。

こうした動きと並行して、おれんじぴーす(九州看護福祉大学の有志チーム)が、公民館掃除や畑活動などで地区の方との交流を続けていました。今回はそのメンバーが感謝祭を企画したので、少し参加してきました。

今回は、大柿の動きやおれんじぴーすの活動を見守る他に、もう一つ狙いがありました。
同じく九州の西九州大学のチーム、OKABASEをつなぐことでした。2019年の佐賀豪雨から継続的に佐賀の支援に関わっているOKABASEから、おれんじぴーすが足湯を教わる、という形で交流を企画することができました。
大学は違えど、同じ九州内で被災地の課題解決に向けて動いている大学生たちがつながることで、今後の被災地への大きな力になると考えています。

 

伝える活動

講演や研修などは、6月~10月の水害が多い時期はできるだけ避けて、お受けしています。
逆に11月〜5月ごろは、伝える活動シーズンです。


コロナ禍でオンライン開催なども取り入れながら、11月も各地の講演や研修会などに参加しました。昨年からお声かけいただいていた奈良県防災士会さんや、TOYOTAさんから依頼を受けて、被災地の様子や防災のことなどお伝えしました。

0811月/21

10月レポート

長野

被災から丸2年

あれから2年の月日が流れました。
東日本台風災害 2周年 追悼・復興・感謝のつどいが本年度も長沼地区で開催されました。

とても気持ちの良い天候のもと、地域住民の方、ボランティアの方などなどが集まりました。

2年ぶりの再開に喜んでいる住民の方も多くいらっしゃいました。住民同士の再会だけでなく、ボランティアとして長沼地区で活動をされていた方との再会や、ボランティアさん同士の再会もたくさんありました。

これから堤防のかさ上げや防災ステーションの建設などで、どんどん景色が変わっていきます。今の長沼を目に焼き付けて欲しいという思いもあり、企画されたウォークラリーはとても好評で子どもも大人もみんなが楽しめる復興のつどいとなりました。また、来年が楽しみです。

平行イベントとして開催された被災した写真の展示もとても好評で、たくさんの写真の持ち主が判明し、洗浄の段取りがされました。
見つからないと思っていた写真を発見し、とてもうれしそうにされている表情が印象的でした。

今月もりんごで支援

好きなだけ獲っていいよてと声がかかりました。

このりんごは花粉を取るために植えられているので、農家さんは全く手をかけていません。そのため、粒が小さかったり、色が綺麗についていなかったりするので、収穫したとしてもジャム用としての販売になり値段があまりつかないため、収穫しない事が多いとのことでした。

とは言え、私たちには十分美味しいりんごで、配るにはちょうど良いサイズなので、全部で400kgぐらいを収穫して、生活困窮者を支援する団体や被災地などに配ることにしました。中々、炊き出しでは出ない新鮮な果物、皆さん喜んでくれたのではないかと思います。

配布先:自立生活サポートセンターもやい世界の医療団難民支援協会、チームたま 人吉市社会福祉協議会 

ふらっと農園

さつまいもが収穫の時期を迎えました。当日は、不安定な天候でしたが保育園の園児たちが収穫のお手伝いに来てくれてみんなで楽しく収穫が出来ました。はじめは、育ちがあまり良くなく心配しましたが、園児たちの顔以上の大きさの芋もたくさんありました。

また、待ちにまった落花生も収穫できました。その他にも鍋季節にふさわしい大根に白菜に春菊にほうれん草に長ネギ〜〜。また夏とは違う美味しい季節がやってきました。

長野県社会福祉協議会との連携

災害2周年にあたって、長野県社協でも2年間を振り返った会議や活動の報告が各地で行われており、度々参加させていただきました。

仮設住宅、みなし仮説の退去期日は、もうそこまで来ていますが、まだ行き先が決まっていない方もいらっしゃいます。この他にも課題は多くあり、継続的にそれぞれの地区、世帯に寄り添った支援をしていく必要があります。もともと地区にある課題が災害で浮き彫りになりました。これをどう解決していけるか、難問です。

佐賀

コロナ禍で限られた人数での支援活動では、多くの支援団体との連携が不可欠だと強く感じています。それがなにより被災地域の復旧・復興へつながる考えるとともに、共に活動する仲間への感謝を忘れずに居たいと感じたひと月でもありました。

住宅支援  

被災家屋の壁、床等の撤去

先月から引き続き、浸水家屋の壁床撤去をサポートしています。

被災件数が多いため、周辺の大工さんや工務店がパンク状態で、着工まで時間がかかってしまうケースもあります。本格的案修理の前に壁や床を撤去しておくことで、カビ繁殖による被害拡大防止や、撤去費の用削減など経済的支援としての役割もあります。

特に、コロナ禍で在宅避難のケースが多く、撤去の必要性と現在の生活の様子を家の方々や修繕に入られる大工さんなどとどこまでやるか、その工程について慎重に話し合いながら進めました。

寒さ対策/仮床張り

九州といえど朝晩は非常に肌寒くなってきました。修繕工事の間の壁や床がないままでは、非常に寒い在宅避難生活です。仮のシートなどで隙間風を防ぎ、少しでも暖かく過ごしていただきたいです。

寒さ対策に加えて生活動線の転落防止対策もしています。コンパネを貸し出し、仮床を設置。自宅の床下への転落によるケガも少なくありません。少しでもそういったケガが減る事を願い対策しています。

感じたこと

8月のレポートにもありますが、3年で2度の被害を受けたために、地域の方から「また来るんじゃないか」という危惧の声を耳にします。公助としての治水対策などを進めていく必要も感じますが、古い家の屋根裏や軒に木船がある地域が存在します。水害と向き合い、人的被害・家屋被害の予防や、撤去や再生が可能な建築様式についてさらに考えていく必要性と可能性を感じました。

農地支援

茶の生産が盛んな佐賀県嬉野市を中心に、茶畑などの農地被害のうち国の復旧制度から漏れてしまう部分に対しての支援を調整しています。市、社協、JA、商工会青年部など地元組織を支援する県域ネットワーク(SPF)を支援する形です。茶畑に流入した土砂の撤去や、崩れた石垣の対応など、重機や専門知識が必要なニーズに対して、外部技術系団体(DRTJAPAN長崎、コミサポひろしま、OPENJAPAN)を紹介し、対応にあたってもらっています。

地域に根付いた産業であり文化である茶業のへの支援は、地域の活力になると考えています。地元への想いがある方が動いておられるので、彼らに経験やノウハウを伝えることで、地域のこれからの力に繋がればと思います。

連携団体のバックアップ

複数の支援団体が現地入りし、その団体同士の多様な連携があって毎日の活動が成り立っています。個性豊かな支援団体と支援者たちが効率よく活動でき、力を発揮できるような環境づくりも私たちの役割の一部と考えています。

地元団体や支援者との調整、現場に入る時や 、拠点のや食事環境の整備、人手が必要なところに臨機応変に動き、活動を進めてきました。居ればいただけ、どこだってやることはありますが、その中でどう動くべきかを考え、普段以上にいろいろな人とコミュニケーションをとって動いていく必要も感じながらの活動でした。

11月以降も地域の方々のために繋がるよう、私たちの求められている役割を考えながら活動していきます。

1110月/21

9月レポート

人吉

災害ボランティアセンター

公費解体を行うなどの理由で、家屋内の災害廃棄物を搬出のニーズが数件、住民から上がって来ていますが、コロナの影響により災害ボランティアセンターでは、ボランティアの募集が出来ません。

以前行ったようにボランティアセンターの職員や地区で活動を続けるNPOの有志の方々などのお力をお借りして一件一件少しずつではありますが、対応開始しています。

発災から1年以上月日が流れた事や九州内で新たな災害が発生した事などにより、人吉内での支援活動も厳しくなっているように思います。熊本県内でどうやって継続的な活動を行っていくか、難しい課題があります。

コミュニティ支援

長野

稲穂はすっかり黄色くなり、りんごの収穫も徐々にスタートしていますが、春先に霜が降りたことなどがあり、今年はたくさんの農家さんが実りが悪いと嘆かれています。
つがるにシナノドルチェに秋映に紅玉。甘さ控えめで少し酸味のあり、味は最高なのですが。

そんな、実りの悪い中ですが、収穫したりんごを私たちが支援する佐賀や人吉へと寄付をいただき、現地で活動する仲間のもとへ届けていただきました。
特に佐賀では、新鮮な野菜や果物が不足しており、りんごはとても喜んでもらえたようでした。
こうやって助け合いの輪がどんどん広がっていったらなと思います。

2周年に向けて

あれから2年が経とうとしています。2周年に向けて開催されるイベント「東日本台風災害2周年追悼・復興・感謝のつどい」の準備が大詰めに入っております。

災害で変わってしまった風景。そしてこれからまた堤防が嵩上げされたり、防災ステーションが出来たりで変わってしまう風景。今この景色を目に焼き付けておいて欲しいとの思い出開催されるウォークラリー。

住民の代表が集まり、そして色々な方が関わり作られる復興のイベントは、とても温かみのあるものです。

かりぐらし

月初めからかりぐらしに動きがありました。
6月に入居された方が退去されたのとほぼ同時のタイミングで新しい女性が入られました。

高齢のご両親の介護をしながら暮らされており、コロナ前までは一年の数ヶ月を息抜きの為に海外で過ごされていました。しかし、コロナ禍で海外への渡航が難しくなり、先の見えない続く介護に疲れを感じられ、一時的にこちらを利用されることになりました。
長野の景色に癒されながら、これからのことをゆっくり考えられています。

長野県社会福祉協議会との連携

かりぐらしプロジェクトの次の展開に関連して、長沼、豊野地区を抜け出し、色々な方とお会いしたり、お話をさせて頂く機会が多くありました。
地域コミュニティの重要性、福祉事業の重要性を改めて感じ、勉強をさせていただいております。

地域の住民が助け合う「結ま~る」が全国に広がっていくと良いなと思ったり、食事の大事さを改めて感じさせてもらいました。色々な人と繋がり勉強をさせていただくのはとても大事です。

また、9月のワークライフ一斉活動にも数名のボランティアさんが集まってくださり、草が伸びすぎて大変な現場もありましたが役員の方たちと一緒にワイワイと作業ができました。

2年経っても継続的に活動に参加してくださるボランティアさんの存在は住民の方にとってとても大きな物です。

佐賀

8月から継続して、令和3年8月豪雨の緊急支援をしています。
現地の課題など、詳細はこちらから

289月/21

【緊急支援】令和3年8月豪雨レポート

8月11日から降り続いた大雨は、九州だけでなく日本各地に大きな被害をもたらしました。
8月の梅雨のように長期間降り、嬉野市では降り始めからの降雨量は1000ミリを超えて、1カ月の雨量の3倍にもなりました。

この大雨の被害対応のために、災害支援プラットフォーム佐賀からの支援要請を受け活動を開始しました。佐賀県内各地のでの活動で分かった課題をレポートします。

2年で2度の被害

今回、大きく浸水した地域が武雄市と大町町です。2年前の2019年に被害があった地域とほとんど重なり、今回のほうが範囲が広く、浸水も深かったようです。

一部、今回初めて浸水した地区もありますが、多くは2年前に水害を受けて復旧が終わったような地区。新築5カ月の家や、まだ建築途中の家も被害を受けていました。
再建したばかりや、その途中での被災で、住民さんの落胆も大きく見られます。
ローンを組んだり、大きな出費をしたばかりの被害に、今後の再建に対して慎重になっている様子も見られます。

経済的な負担と後ろ倒しの復旧

前述のように、家が修復したばかりの被災で、真新しいフローリングが浸水してしまった家庭も少なくありません。
床も壁も張り替えたばかりのため、また新しくすることに、金銭的にも精神的にも戸惑いがある状況です。
こうした点を考えて、実際に支援者側も慎重になっています。

例えば、床を全部はがすのではなく、一部だけ開口してそこから乾燥をうながしたり、
壁も全部はがすのではなく、片面だけとか一部だけはがしたり、
カビの発生具合を見ながらひどくなりそうならはがしましょうとしたり、
今までの被災地支援よりも、より一層、金銭的な負担をかけないような家屋復旧がキーポイントです。

今あるものを、できるだけそのまま使うのが一番金銭的負担がありません。
こうなると、どうしても「ちょっと様子見ながらダメだったらはがしましょう」と慎重になる場面も多くなります。
そうすると、どうしても作業がゆっくりになったり、乾燥に時間が必要になったり
今までもそうですが、「なにが正解か分からない」中で、手探りで復旧が進められています。

関心の低下

今回の豪雨への関心は、前回よりも少ない気がしています。全国放送で取り上げられていないだけでなく、佐賀県内でも報道が少ない。
実際に、支援金・義援金の集まりや、物資の集まり方を見ていても、世間からの関心が薄いと感じます。

前回の水害は、2019年度に起きた最初の災害でした。加えて、油の流出という特殊ケースでもあったので、メディアでも取り上げられやすく、その分世間の関心を集めることができました。実際に「油の流出」というキーワードで覚えている人も多いのではと思います。
しかし、今回は前回のような注目を集める状況に該当しません。
加えて、7月の頭の熱海の土砂災害などが大きく報じられたことで、「自然災害復旧への寄付」の多くが動いた後だったのではないかとも思っています。
被災地では支援金や義援金、支援物資など、いろいろな形での民間の支援が欠かせません。

まだ先の長い復旧の道のりを、どう関心を集めるか、必要な支援を引き寄せるか、このあたりは支援者側にとっても大きな課題です。

土砂崩れ被害もある

2年前も被害のあった佐賀市金立地区や、記録的な大雨の嬉野市など、浸水被害以外の被害も発生しています。
どうしても、被害件数が多いところや、見た目にわかりやすい被害に注目が集まりがちです。中小規模の土砂崩れなどは、どこに被害があるのかすらも分かりにくいので、見過ごされがちですが、一つひとつの被害への対応は必要です。
県内各地で被害が発生してしまったため、全部を同時には難しいですが、優先順位をつけながら、こうした見た目に大きくない被害が見過ごされないようにしていかなければいけません。

嬉野市

振りはじめからの降雨量が1,000ミリをゆうに超えた嬉野市。土石流の発生などはまぬがれましたが、大規模な地すべりが起きていました。
20数世帯が住む山間の地区が、地面ごとずれているのです。幸い、そのズレが小さいため、甚大な被害にはいたっていませんが、家屋の基礎にヒビが入るなど、被害が発生しています。

あともうちょっと降っていたら、家屋ごと滑り落ちてしまうような甚大な被害に発展していたのかもしれません。実際に、地区によっては1カ月ほど避難指示が出ていて、自宅に戻れない住民もいました。
地区にはセンサーがつけられ、地盤の動きが感知できるようになっています。今後もまとまった雨が降ると避難指示が出るなど、状況が落ち着くには時間がかかりそうです。

それこそ、実際に地すべりが起きている地域をどうするのか、については住民と行政との協議が必要になります。
場合によっては、大きな土砂災害が起こった地域のように、対応に何年もかかるかもしれません。
地面が割れたり、基礎にヒビが入ったりと、雨の被害ですが、地震のような被害状況です。こうした地すべりの被害の前例が少ないために、取れる対策や過去のノウハウも少ない。手探りで何が必要なのか、何ができるのかを考えながら復旧を進める必要があります。

また、嬉野市は山間部での茶栽培が盛んで、嬉野茶が名産品ですが、その茶畑が土砂崩れの被害にあっています。こちらも、一つひとつの規模が大きいわけではありませんが、複数カ所が被害にあっています。

行政・社協・JA・NPOなどで協議を重ね、今後農業ボランティアセンターのような動きができないか検討をしているところです。

大町町、2年前との違い

大町町では、前回の水害では油の流出によってり災判定の基準が引き下げられていました。報道でもフォーカスされたり、特別な見舞金が出たりと、金銭的なサポートがありましたが、今回はそうしたものがないため、前回と比較すると公的な支援が少なくなる場合もあります。

三者連携の違い

被災地の復旧には、行政・社協・NPOの三者連携が重要です。しかし毎回ガッチリとした連携が取れるわけではありません。
武雄市では2年前の水害を機に立ち上がった「おもやいボランティアセンター」が民間のつながりを横に広げながら、活動を続けています。

一方大町町では、町の職員(地域おこし協力隊)が立ち上げた地域の交流拠点「Peri.(ペリドット)」などを拠点としながら、外部からの支援団体を受け入れながら復旧活動を進めています。
NPOとの連携強化のためのスペースを町役場内に設けるなど、大町町の方が情報を密に共有しています。武雄市でもNPOと行政の情報共有のための機会が設けられるなど、連携が進められています。

今後も、市町村それぞれの進め方や、関係者たちの活動のバランスを見ながら、必要な支援がなにか?を考える必要があります。

佐賀災害支援プラットフォーム(SPF)

佐賀県には、数年前に佐賀県内の災害対策のためのネットワークが発足していました。佐賀の中間支援組織として、各地の被災地域の情報を収集し、課題解決をはかっています。
今回現場で顔を合わせてみて、2年前の水害経験から間もなく再びの被害を受けて、外部団体からノウハウを吸収するという姿勢がとても感じられます。

会議を主催するだけでなく、被災各地で今までのネットワークを活かした調整や、足を使って現地の課題を拾い上げています。
コロナ禍での支援活動という面も意識し、いかに必要な支援を必要なだけ集めるのかを考えた対策を講じています。被災地のためのネットワーク、としてちゃんといきているよい事例になるのではと思っています。

上記のような課題がある佐賀を中心に緊急支援を続けています。
今回の支援メニューとしては、支援団体の支援。
主にSPF,おもやい、大町町CSO室の動きをサポートしています。

おもやい

おもやい(武雄)では、8月後半まで事務局と実働支援。
電話番、ニーズの整理、データ打ち込みなど、現場がガンガン動けるような体制づくりに手が回っていなかったので、そこをフォローしました。

また、大工メンバー2名が入れ替わりで現場活動をフォロー。現場調査や技術指導などを担いました。
結だけでなく、いろいろな災害支援団体がサポートしていますが、技術面をサポートできる人が少ない状況です。家屋面のニーズ対応のために、今後もスタッフの派遣を考えています。

大町町CSO連携室/ペリドット

大町町では、複数の外部支援団体が活動をしていて、彼らが情報共有をする場としてCSO室があります。
被災者支援のためには、団体の垣根をこえた支援調整の必要がありました。
現地の技術支援の窓口となったOPENJAPAN、支援受け入れの窓口のPEACEBOAT、町内の拠点Peri.など、各地各団体に声をかけながら、団体間の隙間を埋めたりしています。

SPF

佐賀県域で活動する災害対応のための中間支援ネットワーク。
現地の中間支援団体としての彼らへのノウハウ提供をしています。現地で何が課題なのかどんな対策が必要なのかなどを提示したり、一緒に現地の調整をしています。
佐賀市、嬉野市などで必要な支援体制を構築するための助言などもしています。

069月/21

人吉・長野レポート【8月】

人吉市

各所で雨が降り続き、記録的な大雨となった8月。
人吉市でも連日大雨警報が鳴り響き、市全体で避難指示が発令されることもありました。

復興ボランティア受け入れの停止

熊本県独自の緊急事態宣言により、復興ボランティアセンターでのボランティア受け入れが中止になりました。
一方で継続中のニーズがまだあり、数件程度ですが新たなニーズもあがってきます。
少人数でもできる現場や現調は、少しずつ社協職員や有志団体で対応しています。

コミュニティ支援

長く支援に入っている大柿地区。
住民さんと一緒に耕している畑では多くの夏野菜がなり、学生が作成した立派な看板がトレードマークになっています。
大柿公民館には大工さんが入り、建物としての復旧は完了しました。
今後の公民館でのイベントや運営についてコロナ禍ということもあり、どのように実施していくか、の話し合いが行われています。

コミュニティとしての復旧も、もうすぐそこに見えているような。
ここからどう公民館を活用してくのか、ちょっと継続的に見守りたいと思っています。

災害復興ボランティアセンターの体制移行について

人吉市復興ボランティアセンターの体制も少しずつ変わる時期にきています。
いろいろな片付けを進める必要もでてきました。
今まで対応したニーズの整理など、今までの活動の整理をしています。物資としてすでに使っていないものを預かり、次の被災地へとお届けするお手伝いもしました。
まだ災害復興ボランティアセンターは続きますが、被災地から被災地へ、バトンを渡す側へと立場が変わる場面もでてきました。

長野

日中の日差しはまだまだ強いですが、お盆までの暑さが嘘のように朝晩が涼しくなり、過ごしやすくなってきました。

8月前半は、コロナ禍ではありますが地区のお祭りなどが各地で催されておりました。
8月の大雨では、長野でも各地で被害が出てしまいました。

大雨での堤外地の被害

全国各地に大きな被害をもたらした大雨は、長野各地でも土砂崩れや浸水の被害をまねきました。
私たちのいる長野市近辺でも堤外地の農作物に大きな被害が出ました。
高いところで2メートル以上の水が上がり、2年前の台風の時よりも被害が大きいところもありました。

収穫直前だった桃は、半分以上がだめになり、これから色をつけていくりんごにも大きな被害が出ました。
特に被害の多かった箇所へは、地元ボランティアさんに集まって頂き、農家さんと一緒に漂流物の撤去作業を行いました。

毎年のように水がついてしまう地区の農家の方は、またかと落胆されておりましが、集まってくださった、たくさんのボランティアさんに元気つけられたようでした。

ふらっと農園

8月は収穫の時期です。今年は、お盆までは雨がほとんど降らず、水やりが心配されましたが雨水タンクの水が枯れることなく夏を終えることができました。

草刈り活動は、引き続き大変でしたがたくさんの野菜が実りました。採れすぎた野菜は、被災地や福島の子供たちの保養キャンプへとお届けすることも出来ました。

去年より野菜作り、上達したかな?!

かりぐらし

このプラジェクトもそろそろ終盤に入ってきましたが、飲食店でのアルバイトを始められた利用者の方は、再びコロナの影響により、仕事に入れる日数が減ってしまい、一般住居への移住が難しい状態となってしまいました。
中々、厳しい状況は続きますが、自立に向けたサポートを続けて行っています。

長野県社会福祉協議会さんとの連携

かりぐらしプロジェクトの後の展開についての構想がはじまりました。
どのような展開になるかまだ構想途中ですが、児童養護施設を出た人たちに向けた何か??!!
シェルターのような、見守りがついたゲストハウスやシェアハウスのような??!!
社会課題として大きな課題でもあると感じているので、結の立場でできることを協力していきたいと思っています。

緊急支援

8月11日から降り始めた大雨で佐賀県、福岡県、広島県、長野県と各地で水害が発生しました。
一昨年から連携して活動しているJVOADの先遣隊・緊急時の情報収集として災害支援ふくおか広域ネットワーク(Fネット)と佐賀災害支援プラットフォーム(SPF)、に連絡を入れ、九州地方の被災地現地に入り情報収集しました。

その後、災害NGO結独自の活動として、現地支援団体のサポートをしています。
詳細は、別途豪雨活動レポートとして追ってアップします。

029月/21

静岡豪雨での活動について

7月8日〜8月3日を一つの区切りとして、静岡県社会福祉協議会からの要請にもとづいて活動をしてきました。

被災された方の再建サポートとして設置された「地域ささえあいセンター」も、ニーズ収束に伴い、緊急体制から継続的な関わりの体制へと移行しています。

沼津市での活動の報告と、現地で分かった課題についてまとめました。

被災した方へどうやって支援を届けていくのか枠組みを相談、地域ささえあいセンター全体の運営支援として、沼津市社協や静岡県社協に対してアドバイスなどサポートをしました。

現地調査で気をつけて見るポイント、ニーズの拾い方、家屋再建の具体的な手順、など実働の部分をサポート。ノウハウの提供によって、地元社協だけでの運営ができるようにと考えました。

今後発生する課題を提示したり、福祉ニーズと呼ばれるような個別支援が必要な案件の今度の方針を確認するなど、被災エリア全体の課題解決について細かく詰めたり、目の前の問題解決だけでなく、長期的な被災地の歩みを視野に入れながら、助言・ノウハウ提供ができました。

また、同じく要請に基づいて現地入りした愛知人と沼津市社協が連携を取れるように間をつないで調整。現調でささえあいセンターでの対応が難しいと判断したニーズに対応してもらう流れを作りました。迅速な対応のおかげで、現在技術ニーズ(床下の土砂・断熱材撤去や床下乾燥が必要なニーズ)はほとんど対応完了したようです。

被害規模とその対応沼津市の被害件数は、甚大と判定される規模ではありませんでした。被害規模の影響もあったのか、沼津市では災害対策本部が設置されませんでした。

このため災害対策本部と関連する「災害ボランティアセンター」の設置が難しく、最初の課題となってしまいました。

被災されて困っている住民がいるのには変わりないとして、関係者で協議の結果「地域ささえあいセンター」という名称で沼津市社協が被災者対応の基盤を作ることが決定。

後半に言及する「災害救助法」についてもそうですが、被害規模が甚大でないからこその課題を改めて感じました。

借家問題

今回、アパートなど多くの借家も被害を受けました。窓口対応をしていると、家のアパートが浸水して、住人は2階に避難しているの、などという大家さんからの相談も目立ちました。

借家の持ち主はもちろん大家さんなので、家屋の復旧は大家さんの権限の範囲ですが、家の中の物は住人の物です。

濡れた家財などの廃棄、家財搬出は住人と協議、壁剥がしや床下の対応については大家さんとの協議が必要です。

家の中といっても、壁や床など家屋の構造は大家さんの持ち物なので、濡れた畳の処分などは大家さんの了解がないと進められません。

「このアパートは取り壊すつもりだから、壁や畳はそのままにしておく」「濡れた畳も乾けば使えるのではないか」などという大家さんの方針により、濡れた畳の上で生活されているケースなどもありました。

こうした住人と大家との課題は、他の被災地でもよく発生します。

両者のコミュニケーションが上手くいっていれば問題ありませんが、そうした普段からの関係なども影響します。特に、古いアパートなどだと、退去してほしい人と住み続けたい人との対立などにもなってしまいます。

多機関で関わり、いろいろな制度や法律を活用しながらの対応が求められました。

静岡県の備え

静岡県では、南海トラフ沖地震の発生に備えて、行政や社協民間団体などによる訓練が毎年実施されています。

一年に一回開催され、県内の関係機関が一堂に集まる機会が持たれています。昨年で15回目、つまり15年にわたって続けられています。それだけが原因ではないはずですが、県社協と市社協、市社協同士の交流が盛んな印象を受けました。

報道の光と影と被害件数

熱海の街が土石流に飲み込まれるショッキングな映像が、繰り返し放送されていたのは記憶に新しいでしょう。
あれらの映像によって、熱海が一番注目を集めましたが、沼津市を含めて被害は各地に発生していました。

沼津市の被災も、床上浸水件数は150件にのぼります。
その割には、ニーズの件数は少ない印象もありました。近くの熱海であんなに大変なことになっているのに、床下に水が来たくらいでは相談できないよね、という声もありました。

逆に、熱海市では注目が集まったことによる問い合わせ対応など、負荷がかかっていたとも聞きます。

被害規模・件数と被害の特徴、そして現地の状況を踏まえた報道や情報発信が求められます。

災害救助法の適応

災害救助法とは、災害発生後の応急期の応急救助に対応する主要な法律。
避難所の設置や仮設住宅の手配など、災害から国民を守るための行動の予算根拠です。

人口と被害件数の割合などによって、適応か否かが決まります。

適応されれば、災害応急復旧などの経費を国庫などから支出され、市町村の負担がなくなります。最近は、この災害救助法の弾力的な運用が進み、例えばボランティアセンターで必要な備品なども、国庫から捻出できるようになってきました。

しかし今回の沼津市の被害は、この災害救助法の適応外でした。

適応外になってしまうと、避難所の経費が市町村の自己負担になってしまうだけでなく、例えば応急修理制度や、被災者生活再建支援法など、被災者個人が家屋再建のための足がかりとするような支援制度も適応できなくなってしまいます。

今回、被災された方が自宅を修繕するには、個人がかけている保険や、個人の蓄えのなかで賄う必要があります。義援金や別の枠組みのお見舞金などが支給されるという話もありましたが、合計額は数万円だということでした。


応急修理制度も、被災者生活再建支援法も、それぞれが生活再建をしていくには足りず、現状に合わない部分があるという点は前から指摘がされています。

罹災判定の細分化など、改定なども重ねられていますが、今後もこうした制度活用面での課題などは議論していかなくてはなりません。

ITを使ったセンター運営

今回、ささえあいセンターの運営管理として、キントーンが使われました。実は静岡県社協で準備していたものがあり、それを活用した形です。

ニーズ情報や活動情報、ボランティア募集など、情報をオンライン集約していました。ただ、どうしても現場に合わないところもあり、改良が必要です。

今回は、比較的被害規模が大きくなかったので、お試し運用ができました。もう少し改良が重ねられれば、被災地での大きな力になるのではと思いました。

ただ、IT活用のためには、ソフトウェアだけでなくハードウェアの整備も必要です。社協というある意味アナログな組織との相性はあまり良いとは言えません。ハード面の整備支援など、今後IT化が進むと同時に必要な支援の領域が増えるなとも感じました。