Category Archives: お知らせ

126月/23

5月レポート

ゴールデンウィーク中の石川県で地震が発生。
各地で顔を合わせる支援仲間や団体が現地入りするため、九州から出向くことはせず、備えのための関係性強化をすすめた一か月でした。

各地訪問

KVOAD(熊本県)、沖縄県社協、まちなか研究所わくわく(沖縄県中間支援組織)、滋賀県社協、大分県社協やその他各地活動したことのある市町村社協などを訪問。
被災地域の現状や課題を共有したり、各地元地域の課題を聞かせてもらったりしています。
社協さんなどはどうしても年度ごとに人事異動があるため、こうして年度の初めの方にできるだけご挨拶できればと思っての訪問です。梅雨時期を前に、何かあったときのための顔つなぎと思っていますが、発災から時間の経過とともに変化する課題を知る機会になったり、各地の特色ある取り組みを学ぶ良い機会でもあります。また、緊急支援現場以外でゆっくり顔を合わせられる貴重な機会でもあります。

技術講習会見学

うまく活用しきれていませんが、拠点を置いている滋賀県でDRTの技術講習会が開催されたので、見学してきました。近畿地方中心に他府県各地から消防士の参加があり、活気があってよい技術講習会でした。関西で被災地での活動をふまえた実技講習会が開催されるのは珍しいことのようです。需要の高さや開催の必要性を感じるとともに、こうした機会を活用させてもらいながら、滋賀での人脈づくりも続けたいと思っています。

九州テクニカルネットワーク

九州の技術支援ができる団体などのネットワーク化を進めています。大きな災害があっても、九州の中で支え会えるように、支援者同士がつながっていてほしいと思っています。九州内での講習会などを通してスキルアップやネットワーク強化を図ったり、災害があれば九州テクニカルネットワークという単位での活動も考えています。

ボーダレスファイヤ熊本
DEF-TOKYO
DRTJAPAN NAGASAKI
*災害NGO結
災害NGOぬち

245月/23

4月レポート

静岡

年度の変わり目と、現地の進捗具合から一旦静岡の常駐体制は解消しました。今後は時々通いながら、みんなの居場所ふらっとなど、地元チームの進みを見守ろうと思います。

イコロ-基山町

4月から本格的に佐賀県基山町の拠点整備を始めました。

築100年近い古民家を借りられたOさんとシェアさせてもらっています。

Oさんは別の地域の出身で、地域おこし協力隊として基山町に移り住んだ方。協力隊の活動の中で出会った地域の方とつながっています。

お家自体もそうですが、このつながりもお借りしながら、拠点整備を進めています。

4月は、使わせてもらっている母屋の二階の修繕と、古くて一部傾いている小屋の解体ができました。

小屋解体と高所作業車講習

母屋よりも昔に作られたらしい小屋は二階建てで瓦屋根の立派な作りでした。

何もせずに解体するのももったいないので、高所作業の研修会会場にすることにしました。

講習会の講師として、各地の被災地で屋根に登ってきたレスキューアシストと姉妹団体レスキューアシスト熊本に来てもらいました。

講習会には福岡·佐賀など近隣の方が参加してくれました。

改めて、基山町のアスセスの良さを感じました。参加者の中には、九州の消防士や過去の被災地で屋根の対応をしたことがある人も。即戦力になりそうなメンバー以外にも、初めての方やSPFメンバーなど、幅広い方に参加してもらうことができました。

 

講習会をきっかけに、基山の拠点整備を手伝いに来てくれる方もいて、大変ありがたい限りです。

講習会というツールを通してネットワークを広げていくイメージが再び深まりました。

*SpecialThanks*

レスキューアシスト
レスキューアシスト熊本

災害NGOぬち

長野土木
重松造園

沖縄研修

3回目の開催でした。平和学習として、首里城付近を散策。

沖縄戦があった当時、首里城の地下に大きな洞窟が作られ、そこが陸軍司令部として使われていました。軍撤退時に爆破されたり経年劣化などで現在は入ることができません。

戦跡としての価値に加えて、2019年の火事で首里城が焼失後から、首里の観光地としても注目が集まっているようで、保存と公開に向けて工事が進められています。

二日目の日程では、サトウキビから黒糖作りを体験。地元の方に教えてもらいながら煮詰めて10キロの黒糖をつくりました。

三日目では県北部の国頭村キャンプ場と海で遊び、アウトドア生活。

普段は自分たちの車になんでも搭載しているメンバーですが、旅先で道具も限られている中でのアウトドアはまたいろいろな発見がありました。

来年以降は、もう少し参加者を増やしたり、公募したり、多くの人に深くまで沖縄を知ってもらうことに立ち返った研修ができればいいなと思っています。

*この研修はSocialShop半人前のサポートで実施しました*

074月/23

3月レポート

熊本

2016年の熊本地震で作られた仮設住宅が3月に閉鎖すると聞いて、少し足をのばしてきました。一時は益城町の中だけで1,556件建設された仮設住宅。この最後に残った木山仮設も、最大220世帯ほどが入居していました。

団地の敷地内にあるささえあいセンターにも少し顔を出してお話を伺いました。アポも取らずに突然お邪魔しましたが、「もう訪問者はほとんどいませんから」と話しながら色々教えてくださいました。
自宅を再建した人、復興公営住宅に転居した人など、自力で復旧できる人から退去していきます。(今回の場合は、地震後の都市計画などで自宅再建の条件が揃わないケースなどがあり、一概には言えませんが)そうして自立できる方から退去が始まり、見守り支援などが必要な方が多く仮設団地に残っていきます。
何か所もあった仮設住宅団地も、木山仮設に集約されてここまで使用されてきました。ほぼ空き家になった仮設団地を歩くと、ちょっと寂しい気分になります。
1人ひとりと退去を見送って残っていく住民の方はどんな思いだったんだろうかと少し考えてしまいました。

仮設住宅はこれで撤去の動きになるようですが、復興住宅に移った後も続いていく課題、新たに生まれる課題さまざまです。
ようやく仮設住宅がなくなりました。やはり、被災地の復興には時間がかかるなぁと改めて感じます。

 

3月11日から12年

今年の3.11は沼津市での研修会中に迎えました。
2021年7月に水害を経験した沼津市で、技術ボランティアの話をしてきました。
実技部分も入れたいとのことだったので、昨年9月の台風15号被害から生まれた静岡の団体「しぞ〜かまめっ隊」のみなさんにもご協力いただきました。
市町村をまたいだとしても、近くの実働団体が講習や研修に参加して協働できるのはありがたい機会でした。各地で技術ボランティアの必要性が理解されはじめ、研修や講習も増えています。だからこそ、研修や講習をつながり作りの機会としてちゃんと活用していきたいなと改めて感じました。

 

静岡 – 台風15号

地元の拠点ふらっとを活用して、サロンや家屋復旧のサポートなど被災地支援活動が続けられています。3月はほとんど、外部支援者として何もしないけど居るをした期間でした。手も口も出さず、相談にのる、アドバイスだけする、という役割が地元支援に必要だと思っています。
件数が落ち着いてきたこともあって、家屋復旧の活動調整も地元の方たちで進んでいます。ふらっとというプラットフォームを活用している点で、団体を超えての活動調整なのでやり辛そうな面も見えるので、その点は今後もちょっと気にして見守りたい部分です。
また、油山地区でお借りしていた宿泊拠点は、荷物を整理して完全に撤収しました。応急的に修繕した壁や床はそのままにして、オーナーさんが再度自宅を活用してくれたらいいなと思っています。

 

岡山倉敷

もう一つ、現地を使った研修にもお邪魔しました。こちらは2018年の西日本豪雨で大きな被害を受けた、倉敷市真備町のとある家を活用して実施。あの時に被災し、その後本格的な修繕をしないままの家です。その後住む人がいなくなり、空き家になっていたところでした。そこを地域の拠点・シェアオフィスとして有効活用したいという話が生まれました。再建費用を抑えることと、家屋再生の過程を研修会として体験するが目的のプロジェクトでした。
被災地に限らず、空き家は全国各地の課題です。被災地×社会課題を研修などで解決するような流れが今後大きくなっていくのではとも思っています。

183月/23

4月9日に高所作業講習会を実施します

【募集!】@基山町
佐賀県基山町にて、高所作業の講習会を実施します。
4/9開催
3/31申し込み締め切り
講師は、国内で一番高所作業支援をしてきたチームの一つ、レスキューアシストのメンバーです。
地震、台風、竜巻など屋根の被害は毎年のようにどこかで発生しています。しかし屋根上などの高所作業は、一歩間違えば死亡事故の危険もあります。
災害後の事故を防ぐためにも、何が危険で何が安全かを知っておくことはとても大切です。
熊本地震から大幅に進化した屋根上の防水対応を学ぶ場にも。
申し込みはhttps://onl.sc/CMM9ZGH から。
たくさんのご参加お待ちしています。
123月/23

琉球新報【りゅうPON】に取り上げられました

代表の出身地沖縄の地元新聞の子ども新聞(毎週水曜日付属)の1〜3面に取り上げていただきました。
琉球新報、子ども新聞【りゅうPON】、3月5日発行号

結の活動や、沖縄の子どもたちへのエールなども載せていただきました。

もともと、沖縄の子どもたちにいろいろなことを伝えられるようになりたい、という思いもあったので、こうして一つ形になったことが嬉しいです。

103月/23

2月レポート

静岡

災害を受けて建物を解体するので、まだ使えるもので必要なものがあればぜひ引き取ってもらいたい、という話を聞いた2月頭。土砂崩れの被害が大きかった油山地区の一番上流の旅館さんからでした。

旅館なので、布団やテレビ・小型冷蔵庫などがいくつもありました。社協さんなどを通じて困窮者支援などをされている部署におつなぎしました。

こうした活動がある時は、ふらっとで相談すると、まめっ隊や登録のボランティアさんなどが参加してくれる流れができてきました。どんな技術ニーズにも対応できます、とはまだいきませんが、ポロポロ出てくるニーズに対応できる体制ができつつあります。

活動依頼・ニーズ自体は落ち着いてきています。災害直後に必要となった資機材の多くも、役目を終えた部分が大きくなってきました。各地の組織から預かった資機材を返却するお手伝いもしています。
災害直後はたくさんの人があれもこれも持ってきてくれますが、災害から時間が経つとどんどん人手は少なくなります。緊急期の後片付け、は見えないけれど大事なことだと思っています。

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長野

2019年10月の台風19号の被害から丸3年以上が経過しています。
この春で被災した方の見守りを続ける「地域ささえあいセンター」の活動が一旦区切りを迎えます。

毎週、コンテナハウスで開かれていたサロンは、住民自治協議会(地域の自治会)に引き継がれるようです。今後は、災害由来の取り組みではなく、地域の取り組みとして続いていくのでしょうか。

災害直後に支援者が集まったことから始まった「長沼支援会議」も、一区切りのようです。
復旧活動のさなか、外部支援者などを集めて地域の課題などを共有した後、開催主体が地元の方たちに移っていきました。

丸3年をこえて年度の変わり目で、いろいろな枠組みが変わっていく時期です。
外部支援→地元支援から、さらに災害復旧→地元の取り組みに移行しています。

 

新潟県村上市


今月も村上市・関川村を訪問。

被災された方のサポートを目的としたみまもり支援センターでは、住民の方に郵送での状況調査を進めていました。その中でまだ支援が必要な世帯が浮かび上がってきます。
壁はがしなど実働も必要なニーズがありそうです。

静岡などと違い、人口密集地から距離があるため、こうした活動の担い手確保が難しい面があります。
災害後から関わってくれいている方たちと連絡を取りながら、どうにか県内などの範囲で対応できないか模索中の様子です。時々顔を出しながら、必要に応じてサポートしようと考えています。

集団避難が継続中の地域、小岩内地区。土砂崩れに沿って大きな被害があった家屋はすべて解体が完了し、山の中の応急的な工事にもめどがたったようです。「春には避難指示が解除できる見通し」との説明が行政からあったそうで、時期は明言されていませんが、仮設住宅に避難している世帯の半分以上は自宅に戻れる可能性がでてきました。
しかし、今まで被害の大小に関わらずみんな同じ場所に暮らしていたのに、今後は本格的に生活空間が区切られていくことになりそうです。

これからの方が課題も増えそうだなと感じています。

 

熊本県


佐賀の拠点から足を伸ばして、熊本県北部へ。

2016年の熊本地震からもうすぐ丸7年。益城町の仮設住宅も、2月で最終の退去だそうです。それに合わせてささえあいセンターも一区切りのようです。2020年の豪雨の県の見守り事業は継続中です。

九州のネットワークづくりや、7年のノウハウを借りに、また時々お邪魔したいなと思っています。

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033月/23

AERAの巻頭特集の一部に取り上げられました

週刊雑誌のAERA(3月6日号/2月27日発売)の巻頭特集、3・11と防災の一部に「災害支援のプロたち 一人の手より千の差配」というテーマで代表トムさんが取り上げていただきました。

プロたちが支援のバトンをつなぐ/東日本大震災がきっかけ/ボランティアを適材適所に配置、屋根にはブルーシート
として、いつも現場で一緒に活動する、レスキューアシストOPENJAPANのメンバーなども取り上げられています。

お近くの書店やコンビニなどでご覧ください。

122月/23

1月レポート

新年一番最初のイベントは、葵区で借りている拠点でのお餅つきでした。

土砂崩れなどの被害が大きかった葵区油山地区。災害発生後すぐからお手伝いで関わったご縁で、油山地区の2カ所で宿泊拠点として場所を借りていました。

その後、はままつna net経由のご縁から、油山地区の被災した家を借りることになりました。
年末からそのお宅の壁や床をはがして応急的に作りながら、宿泊拠点としています。被災した家を借りて拠点とするのは、長野・人吉に続いて3回目です。

今回の拠点整備には3つの目的がありました。

①宿泊拠点
はままつna netや、結や連携して活動するSOHなどのメンバーが宿泊できる場所の確保。宿泊拠点を整備することで、ボランティアの確保につながると思っています。

②実践の場
再生の行程を経験すると、家屋の構造がよく分かると思っています。
壁床をはりながら、電動工具になれてもらう機会にも。
ちなみに今回は、別の被災した建物の部材をはがして壁材などに再利用しました。はがす・直すで、研修の会場としても2回使用しました。

③もとの住民Kさんの居場所づくり
拠点の家は、災害まで使われいました。介護の問題などがあり、災害後すぐに細かな片付けもそのままに、別の場所に避難されている状態でした。
Kさんがとても地域とのつながりがある方だともお伺いしたので、地域に戻ってくる機会と居場所を作れたら、コミュニティの分断を防げるのではという狙いがありました。
実は、餅つきもこのKさんと地域の接点を持つためでもありました。

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もともと地域のイベントなどを企画したり盛り上げる立場だったようで、Kさんが時々でも地域にいるといろいろな地域の取り組みが始まるのではとも思ったからでした。
外部から支援者が関わるようになったことで、残っていた家の片付けにも前向きになられました。
時々いらっしゃって荷物の仕分けをしています。
まめっ隊やふらっとに登録してくれたボランティアさんたちにもお手伝いしてもらいながら、災害後の片付けがだいたい終わりました。

この家については、今回たまたま使わせてもらうことになり、片付けを一緒に進めることができました。
他にも、災害後すぐに別の場所に避難してしまった方のお家などで、1から片付けや復旧を進める必要があるケースはちょこちょこあるのはと思っています。
(実際、いろいろな理由で今から片付けを始めるニーズがまだあがってきます)

こうしたニーズの対応には、長い時間がかかります。その分、地元で長く対応できるところがあると助かる人が多くなります。
そして、被災者支援者両方の集まる場として、清水区にできた、みんなの居場所ふらっとがその機能の一部を持ち始めています。

 

「みんなの居場所ふらっと」

清水区の技術ニーズ対応の集合場所として、ふらっとに支援者が出入りするようになってきました。
近くの方が様子をうかがいに来たり、うわさを聞いて家屋の相談にいらしゃる方もいました。

支援者も地域の方も集まっていくから、あそこに行けば相談できると思ってもらえるような場所に近づいているようにも思います。

「災害」というくくりだけでなく、もともとの課題を考えたり、地域でつながる場にしていきたい、という動きもあります。
今後はもっといろいろな人たちを巻き込んで、居場所としての機能を広げるような見込みです。
災害をきっかけに生まれた場所として、今後もその役割を見守りながら、もう少しサポートを続ける予定です。

新潟

2022年8月の豪雨で被害があった、新潟県村上市。
台風15号の対応のために静岡へ向かって以来、寒波襲来などにも阻まれてなかなか訪問できていませんでした。ようやくタイミングが合って北上。
土砂崩れで大きな被害を受けた小岩内地区は、少しずつ復旧工事が進んでいました。といっても、ここからまた砂防ダムや河川の工事で復興には数年かかる見通しです。


被災された方の見守り事業や小岩内地区のことについてもまだまだ気になるので、今後も雪のないタイミングを狙って訪問できたらと思っています。

沖縄

ひそかに、2023年の目標は毎月帰省としています。沖縄の所在を置く団体として、ちゃんと沖縄の軸足を作っていきたいなと思っています。
今回は、たまたまお声掛けいただいた、沖縄県産業資源循環協会さんや地域社協さんと顔合わせしたり、琉球新報さんの取材を受けたりしました。
恒例にしたいと思っている4月の沖縄研修も含めて、今後も沖縄の活動を少しずつ増やしていけたらと計画中です。

241月/23

12月レポート

12月18日、静岡市清水区天王に「みんなの居場所ふらっと」がオープンしました。災害ボランティアの活動拠点にくわえて、地域の住民さんが集まる場所を目指します。被災地域の住民も支援者もふらっと立ち寄れる場を目標に、スタートしました。

ふらっとオープン日は、清水区ボランティアセンターの移転タイミングをこちらが意識したことも影響しています。被災地域の公園を借りて運営されていた、災害ボランティアセンターが、被災件数が多いエリアからすこし離れた駅前に移転したのが11月末。

ふらっとが位置する清水区天王は、浸水被害を受けたエリアのちょうど真ん中ぐらいにあります。地域の方に愛され、40年営業を続けたお菓子屋さんの店舗でした。しかし、被災をきっかけに閉店。 (秋月堂本店は被災を免れ、美味しいお菓子は静岡県内で購入できるのでぜひ)

実はこの店舗が、立地的にあつまる場にとても良いと、10月くらいから目をつけていました。お菓子屋さんの社長さんも、店舗のシャッターが閉まったままなのは心苦しかったので、と話されたそうで、お店側のご厚意に甘えて活用させてもらうことになりました。

県ボランティア協会などと話をして、まずはボランティアの活動拠点として確保する運びになりました。

集まる場が必要だと考えていたのは、静岡市の被災件数などをふまえてです。床上浸水4,462件(葵区600件、駿河区131件、清水区3,731件:静岡市、R412月28日時点)。水害の件数として大きな規模です。その中でも、清水区の件数が圧倒的に多い。

災害後の片付けをして、その先は自宅再建。水害にあった自宅をどう再建するのか(しないのか)、そこにはたくさんの救済制度や保険のこと、お財布事情や家の構造についてなど、判断にはたくさんの知識やノウハウが必要です。
数百万〜一千万規模のお金が動くことでもあり、判断はとても難しい。家庭の経済状態や考え方などで、復旧の進み具合にも大きな差が出てきます。

実際静岡市でも、年末までに修繕が終わり、お正月を自宅に戻って迎えられる人、まだ修繕中の人、3月以降にならないと工事が始まらない人、いったん掃除をしてキレイに見えるので修繕自体を迷っている人など、さまざまです。

 

だからこそ、いろいろな情報を共有したり、悩みをポロッとこぼせる場所が必要です。仲間がいて、支えてくれる場所があると知っているだけで、気持ちも楽になると思っています。

そうした背景から、あつまる場所がこうした時期にスタートしたのは、心強いことです。まだ、ふらっとという場所をどんな形の場所にするかは話し合いの最中でもあります。

同じく、被災地からはじまったあつまる場所のぬくぬく亭(長野市)などとも交流をつなぎながら、いろいろな可能性も示しつつ、地元の方を中心に進む先を見守りたいと思っています。

 

助言などと並行して、現場のニーズ対応へのサポートも続けています。
壁はがしや床はがしに加えて、寒さ対策なども実施しています。

工務店などの復旧工事が終わらない家も少なくありません。
前述のように、年明けにならないと・・という声はよく耳にします。その間の仮の床を設置したり、むき出しの壁をシートで覆ったり、マットやタイルカーペットを敷いたりしています。
見た目にはあまり上等ではありませんが、すこしでも寒さを感じにくくできればとしています。こうして少し踏み込んだサポートが関連死を防げると信じて。

 

もちろん、福祉ニーズなどの情報は、社協さんなどと共有しながら活動を進めています。

年明けには、被災された方の見守りを目的とした、地域支え合いセンターの設立の動きもあります。ここから長い復旧復興の道筋をサポートできるような体制づくりも今後必要になっていきます。

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1012月/22

11月レポート

静岡市清水区と葵区にて、技術ニーズの活動調整や災害ボランティアセンターの運営サポートなどをしています。

災害発生から2ヵ月がたち、街中からは分かりやすい災害の跡(災害廃棄物の山や土砂の山など)は、少しずつなくなってきています。

そして浸水した家の中も、片付けと掃除が進み、水害があったとは分からないくらいにきれいになっている家も少なくありません。

これだけキレイになったから、壁とか床とか見えないところをやるのは気が向かない、という声もいくつか聞きました。冬の間に暖房で部屋の中が温まり、そこからカビが増えたりしていくと、再びニーズになるのかもしれません。

り災証明の証明書待ち、水害の保険金待ち、修理の見積もり待ち、工事開始待ち、などさまざまな理由で壁や床の対応ができていない(待っている)お家もたくさんある印象です。

また、応急修理制度(国から家屋復旧の経費最大60万円ほどが補助される制度)の手続きが難しく、「制度申請のためにもう3回も市役所に行った」という工務店や大工さんなどもいらっしゃいます。こうした点でも時間がかかり、工事のタイミングがずれ込んでいく一因になっているようです。

被災した家の復旧が終わるには、まだまだ時間がかかりそうですし、ボランティアニーズもまだポロポロ出てきそうです。

活動でいろいろなお家の状況を知ることになるのですが、福祉的な配慮の必要なニーズも少なくありません。災害がきっかけで顕在化した困りごとも見えてきます。

依頼されたところを早く対応するだけではなく、住民の方に気を配りながらの活動が求められます。お話をしながら、住民さんや世帯にあった支援をこちらから提案することも必要です。

 

例えば、こんなケースがあります

ケース1

80台後半の方が、ハウスメーカーのお家にお一人暮らし。お家に入ると湿気やカビの独特の匂いがしていました。ハウスメーカーの見積もりが高くて、修理費を出せそうにないから、壁も床も大きく触りたくないなぁと思っている様子。
浸水して1階が使えないので、介護ベッドを2階に上げて生活中。
↓
床下の水分量を計測。乾き始めていたので、送風機を設置して乾燥を促しました。普段から関わりのあるケアマネジャーさんを交えて住民さんと打ち合わせ、濡れている壁を最低限取ることを了承してもらい、壁をはがしました。年末までに1階にベッドを移せたらいいなと思っています。

 

ケース2

大人3人とペット多頭飼育のお家。
1階が被災したため、2階の10畳ちょっとのスペースだけで生活されていました。1階はキッチンを外してしまったので、洗い物はお風呂場。修繕の予定はあるものの、まだ見積もりも進まない状態。
↓
他の家でキッチンを解体したので、その流し台を移設。仮で設置して使えるようにしました。土足で上がっていたところを清掃や寒さ対策をして、1階を使えるようにしました。
壁の断熱材を撤去、カビがひどい場所は消毒対応をしました。地域の方にも情報を共有しながら、経過を見守っています。

 

ケース3

平屋のお家が被災。復旧作業中の怪我で入院し復旧の手続きが進まない状態でした。残された未成年の家族が、畳のない部屋で生活を続けていました。
↓
土砂撤去など終了後、畳の代わりに敷くマットを設置。寒さ対策をして様子を見ています。

 

ケース4

家族数人で住んでいらっしゃるが、親世代の年金が一番の収入源のお家。家計も厳しい様子ですが、それ以前に頼んでいる大工さんもなかなか来ない。床板がブカブカで、今にも抜けそうな床に板を渡し、その上を歩く生活を送られていました。
↓
床下の乾燥具合は問題なさそうだったので、床をはがすと同時に仮床を設置。暖房器具も水没してしまって寒いとの話があったので、寒さ対策でマットを貸出しました。社協のスタッフさんにも同行してもらい、根本的な問題解決のための支援を案内してもらっています。

この他にも、家族関係が上手くいっていないようなケース、高齢者で認知症のため家屋復旧の判断がお一人ではできないケースなど、福祉のプロに関わってもらうべき案件がたくさんあがっています。

社会福祉協議会がボランティアセンターをする意義は、こうしたニーズにつながっていくからだと思っています。
技術ニーズの調整役として、細部に気を配ってこうした福祉ニーズを見つけ出しながら、必要な人に必要な支援が届くように調整を続ける予定です。