8月レポート(久留米)

被災地支援NPOたちが団体の垣根を超えて、対応を続けました。

 

 

 

竹野地区以外の土砂災害現場の対応も始まりました。家屋が直接被害を受けることは免れたものの、家に迫った流木と土砂。一般のボランティアでの対応は難しいため、消防チームなどで流木の撤去などを対応してもらいました。

重機のニーズに福祉ニーズが絡まっているところもありました。

 

家の敷地内に土砂が入ってしまって、入浴介護車両が入れないためにお風呂に入れていないケースや、

家に土砂が迫っているが住民自身がいろいろな理由から土砂撤去に前向きでないケースなど。

社協さんを窓口に、包括支援センターや自立支援窓口など、もともとの支援機関と情報共有しながら、踏み込む深さをはかりながら、対応しています。

特に8月後半をすぎると、NPOチームに来るニーズの中で福祉ニーズに分類できるものが多くなってきた印象でした。

例えば

高齢のご夫婦で、床下と床上のギリギリ間くらいまで浸水した家。早くから大工さんにお願いして修繕を進めていましたが、自己資金では途中までしか修繕できず、置いていた畳がカビてきてしまったというケース。

資金を借りようにも、年齢などが原因で貸付を受けられず、このままでは畳がカビてしまった部屋は復旧できないからどうにかならないか、という相談が社協さんからありました。

ご支援でいただいたコンパネや中古の畳を活用して、生活できるように整えてもらいました。

外国籍で日本語が得意でなく、日本に身寄りもなく、生活保護を受けられていた方。被災した家は荷物が山程ある家で片付けにたくさんの人手がいるけれど、言葉の壁からボランティアさんの受け入れが上手く進められなかったケース。毎回リーダーや活動する人が入れ替わる災害ボランティアセンターからの派遣ではなく、メンバーを固定できて通訳ができるメンバーがいるNPO(コミサポひろしま)で対応。

市の担当職員さんとのコミュニケーションも難しく、片付け、引っ越し、生活環境の改善など基本的な復旧サポートの各段階で、あれこれ課題が噴出しました。

これら以外にも、生活面や経済面が心配な方や、復旧に必要な作業を判断できない方など、福祉ニーズや配慮が必要なニーズがいくつもありました。

こうした福祉ニーズや配慮が必要なニーズがボランティアセンターに集まってきたのも、ボランティアセンターから徹底的に訪問調査をした結果でもあります。

ボランティアセンターに訪問班を設置、過去の事例でも最大規模かもしれない被災エリア7,000件の訪問・ポスティングが実施されました。訪問で気になる案件などを個別支援班として、その後のフォロー体制を作ったことで、こうして福祉ニーズとなってNPOチームにも相談がきています。

今は災害対応として、コンパネや畳や家具などの支援物資や、技術的に対応できるNPOメンバーなど、リソースがあるためある程度の困りごとに対応が可能です。

しかし、これらのニーズは災害前から課題を抱えている場合が多く、普段からの対応ではリソース不足で課題解決が難しいと感じます。

だからこそ、災害という特殊な環境下で、どこまで切り込んでサポートをするかどうかが重要になると感じます。

 

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