4月レポート

能登半島も、桜の開花と同時に本格的に暖かくなってきました。
夜の冷え込みが落ち着き、日中も気温があがるので、生活しやすくなってきた感じがあります。
電気水道の復旧に加えて、この暖かさがポイントになって、地元へ戻ってきている方も増えているようです。

在宅避難(母屋)に加えて、在宅避難(母屋以外)のケースに出会うことが増えました。

少し前から、地元に戻ってきて(母屋は住めないから)納屋で生活を始めた方、
金沢の仮の暮らしから定期的に戻ってきて、敷地内でキャンプしている方など
それぞれ事情はさまざですが、避難生活や仮の生活が多様化しています。

仮設住宅へも少しずつ入居が始まっている一方で、まだ避難所暮らしをされている方も少なくありません。

しかし、仮設住宅完成のニュースで、世の中の関心は仮設住宅に移ってしまうとも感じます。

4月末になって、ようやく道が通れるようになった集落もあります。
避難所、在宅、仮設住宅の3種類の暮らしが同時に存在しています。それぞれに課題があるので、今後も生活が安定していくように必要なサポートをしていきます。

4月の新年度で、どこの支援団体でもボランティア参加が少なくなる傾向があるようでした。参加が少ないなかでも、できる範囲で一つずつ案件に対応しています。

しかし、時間の経過とともに家の傾きが進んでいる案件も。
一度目貴重品取り出しをした家でも、再度取り出しの依頼では安全管理など含めて慎重な対応が必要なケースもでてきています。
安全第一な活動が大前提なので、今後は技術的に対応が難しいケースも増えるかもしれません。

熊本地震では、解体業者さんができるだけ公費解体時に必要な家財の取り出しに協力してくれた事例があります。NPOなどが対応できないものは、こうした事例と同じように対応されるはずです。

1件ずつの案件の難易度が上がったり、支援者が少なくなるなどで対応が難しくなる一方で、ニーズ自体は少しずつ増えている印象です。

GWなどで地域に戻って来る方がいたり、少しずつ地域に戻ってきている方がいるのが関係しているかなと見ています。
ニーズが上がるピークが弱く、ポロポロポツポツ、長期間に渡りニーズが出てくるかたちかもしれません。

発災直後から、被災者も支援者も誰もが出入りしづらかったことが、ここに影響しています。
コロナ禍1年目のように、緊急の対応、仮の暮らしの対応、復興への取り組みなどフェーズがまぜこぜになって進む予感がしています。

 

再生マルシェ
として、町野町・門前町・能登町でイベントを実施しました。
1月以降、地震によって変化したものばかり
家が倒壊した方は、手放さねばいけないものばかり
水が使えないので紙皿やレトルト食品生活
命をつなぐために、使い捨てる生活が続いていました。

洋服の修理ができる車がある、との話から始まった企画
洋服の再生だけでなく、倒壊した家屋の柱などでお箸や表札づくりもできるように企画しました。

全部は難しくても、先祖代々がつないできた家や家財を手元に残して置けるように。
こうした小さな再生を通して、この先地域で生活していく良いイメージを再び持ってほしいなとの願いをこめました。

イベントというきっかけで、遠方に避難している方が戻って来る、再開も狙いの一つ。
いろいろな外の力を借りながら、地域が前向きに再生していけば。

冬が終わって、春夏秋のお祭りのシーズンです。
能登半島では、これから各地で盛んにお祭りが行われるそうです。地域の神社での神事なども、はじまったと聞いています。

地域に残っている人も地域を離れている人も、一つになって、地域が集まる機会になればいいなと思います。