Category Archives: お知らせ

1610月/25

9月レポート

能登

夏休みの学生たちや、春頃から企画が動いていた企業ボランティアなど、団体の方たちの受け入れが多くありました。
たくさんの人手が必要な現場が多かったので助かりました。
おかげで、畑のビニールハウス解体や土砂撤去などたくさんの現場が進みました。 家の中のお手伝いもわずかにあります。

お手伝いの必要なニーズの中で、福祉ニーズの割合も増えたような気がします。
・地震後の雨漏りがあり、家の老朽化にも関係するので本格的な修理が必要だが予算的に3桁万円以上するために難しい
・土砂撤去など災害由来のお手伝いは進むが、家の再建をどうするのかを判断する人がいないため、なかなか暮らしの立て直しにつながっていかない
・自分の生業のために仮設住宅と自宅敷地内の倉庫で二拠点生活を続けるつもりだが、生活に必要なものを全部自力で整えるには高齢なため時間がかかる

など被災状況、世帯状況によりさまざま。
災害をきっかけに関わる機関が増えている今、できるだけ課題の整理をしたいところですが、一朝一夕では進みません。

隔週で開催している、夜の持ち寄り飲み会のたまりBAR。飲みながら、町の未来を妄想したり、ちょっと話し込んでみたり、子どもたちが遊んでいたりにぎやかです。

ようやく町野町の仮設商店街の着工もありました。
目に見える部分も見えない部分も、いろんな場面でまちづくりが進めばいいなぁと思います。

地震直後に酒米の救出などで関わった、松波酒造さんも仮設店舗で営業を始められました。
いろいろな方が少しずつ前に進んでいるニュースは嬉しいもの。
これも、今までたくさんの人たちがお手伝いに来てくれたからに他なりません。
復活して前進していく姿も、また見に来てもらいたいなぁと思います。

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熊本

土砂崩れが多数発生していた美里町、甲佐町の復旧を、九州テクニカルネットワークのメンバーと一緒に進めています。
9月からは、二つの町の対応が少し落ち着いたため、八代市で活動するコミサポひろしまの助っ人に入っています。
龍峰地区では土砂崩れ被害が発生。
浸水件数に比べると土砂崩れの被害件数は少ないものの、土砂が家に流れ込んでいるので一軒ごとの対応にかなり時間がかかります。

美里などと同じく、腰の高さまで土砂に埋もれている家もありました。
見た目の衝撃も大きいので、災害後すぐは家の片付けに前向きでない方もいらっしゃいました。
しかし、たくさんの支援者が来て景色を変えていくことで、元気になってきたり笑顔を見せてくれたりしています。
大学生などが団体で来てくれるとそのパワーは顕著で、とても助かりました。
ビフォーアフターでまとめて見るとみんなの頑張りが伝わりやすいかもしれません。
ぜひ活動報告の動画をご覧ください。

138月/25

九州豪雨の対応中

8月の豪雨によって、九州各地に被害が発生しています。
八代市や天草方面での浸水被害件数が多いですが、山間部でも土砂崩れの被害が発生しています。
結では、九州テクニカルネットワークなどと一緒に、御船町から、甲佐町と美里町の土砂撤去に対応中です。

いくつもの市町で、山間部の家屋の裏手などがくずれたり、川そばの家に大量の土砂が流入していたりします。
川の流れに沿った被害は分かりやすいですが、家裏の土砂崩れなどは、被害がどこにあるのか分かりにくい状態でもあります。

各地のボランティアセンターと連携して、技術対応が必要なニーズからお手伝いを始めています。
現場は、九州テクニカルネットワークを中心にしていろいろなNPOや消防有志のチームといっしょに対応を進めています。

土砂の量が多い(100cmくらい)ところや、家裏の狭い場所など、対応に何日もかかる現場もあります。
毎日、九州エリアなどの消防や支援者が活動してくれています。
現場対応と並行して、甲佐町・美里町の現場対応を進めながら、山都町、宇城市などに点在するニーズの把握を進めています。

一方で、熊本県内各地だけでなく、九州広範囲に被害市町村が存在することで、ボランティア参加が分散して、各市町村では人手が足りていません。
外部からの問い合わせを受け入れて人手を確保しつつ、一つひとつの現場対応を続けます。
ボランティアセンターの募集状況はこちらから

 

▼8月13日更新

8月頭からの豪雨によって、九州各地で被害が発生しています。
この雨によって、犠牲になられた方へ冥福をお祈り申し上げますとともに、被害に合われた方に心よりお見舞い申し上げます。

能登半島の支援を継続しているので、できるだけ能登を離れたくないのですが、鹿児島県だけでなく熊本県や九州各地に被害が広がりはじめた段階で、九州への現地入りを決めました。

12日に能登で支援物資を積み込み、13日から熊本入り、14日から本格的な活動をはじめます。
九州はもともと災害が多く、その分少しずつ九州の支援団体が育ってきています。
九州の支援団体と連携し、重機を使うなど技術支援の調整などを軸に現地の復旧をお手伝いしたいと思っています。

活動の様子は随時SNSにて更新する予定です。

048月/25

7月レポート

能登の特色は、お祭り。7月から本格的なお祭りシーズンです。
能登町のあばれ祭りなど、各地で平日週末問わずにあちこちでお祭りや神事が始まっています。
去年はできなかったけど今年は、という地区もあれば、地震で人がいないから今年も難しいという地域も。

石川県の募集するお祭りボランティアの力を積極的に借りる地域もある一方、お祭りができなくなるならそれも集落の寿命だし運命、と受け入れる地域もあります。
私たちも拠点を置く地域の神事とお祭りに出席させていただきました。
日ごろから地域に住む人は4分の1ほど。
お祭りに合わせて帰ってくる人や、実家があった子や孫たちが半分以上で執り行われていました。
おかげで、この地域こんなに人がいらっしゃったか?と思うほどにぎやか。こうした地域も少なくないのです。

場のニーズは少しずつ減ってきていますが、まだポロポロとご依頼もあり、一つずつお手伝いを進めています。
最近は、土砂崩れに巻き込まれたお宮から御神体を探し出したり、漁港横の共同作業所の土砂を撤去したり、地域に関わる場所のお手伝いが増加中です。
生活の空間を最優先にしてお手伝いを進めていたので、そうした場所が少なくなってきて、地域の場所や暮らしの中でも優先度の低い場所に手を伸ばせるようになってきたのかなと感じます。
お盆を前に、お墓周りのニーズなどにも対応中です。

外浦の未来をつくる会やのと復耕ラボなど、地元支援団体と活動調整をしながらお手伝いを進めたニーズもありました。
人数が少なかったらお手伝いに行ったり、技術ニーズを引き受けたり、彼らに代わりボランティア受け入れをしたり。
細く長く現地の活動を続ける可能性の高い地元支援団体と、今後はもっと密に連携を取らねばと思っています。

1年半以上経過して、さすがに平日は活動参加者が減りました。
受け入れがない日は、事務整理したり現場調査したり。
週末の現場が安全にできるように、重機練習ができるように、平日が現場の準備時間です。
そんな中で週末変わらずに来てくださる方たちは大変ありがたく、大人数が必要なニーズは週末を中心に対応しています。

 

7月末は、能登町のタビイクの新拠点にお邪魔。
仮拠点から移動して、大人数で集まれる場所になっていました。今後年単位で能登に関わる予定のようで、門前で拠点をかまえるSEEDS OF HOPEも、広域支援ベースで一緒に活動していたチームが奥能登で継続的に活動を続けているのが嬉しく心強いなぁと思っています。

 

たまりば

ゆるりと大体毎日開けていると、困りごとの相談にきたり、野菜の差し入れに来てくれたり、立ち寄ってくれています。
週末はボランティアが多いことから、私たちのお昼ごはんを作るお母さんチームが毎週末来てくれるようになりました。
美味しいお昼ごはんを食べられて嬉しい私たちと、みんなのために作るのが楽しいよと言ってくれるお母さんたち。
もらいすぎな御恩は、日々の活動でお返ししていけたらと思っています。

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317月/25

たまりば

 

 

住民も支援者もみんなの集まる場に

もしかしたら、もう世の中からの関心は薄くなっているかもしれませんが、まだまだ復旧には時間がかかります。
復興はさらにその先。
少しずつ落ち着いて今後の住まいや生活について考えはじめたけれど、復興への道のりは長く続きます。

まだまだ復旧の途中のまちで、仮設住宅に住む人も家に住み続けられている人も、県外からの支援者も、誰でも自由に使える場所として運営をはじめました。

 

たまりば地図

イベントがあるときに来たり、家の相談に来たり、一緒にボランティアしたり、会議場所や仕事場に、いろんな使い方があります。

いろんな持ち込み企画お待ちしています。

 

たまりばの背景

輪島市東部の町野町や南志見地区。地震の被害が大きく、倒壊した家屋も多かった地域です。
輪島市中心街まで車で40分。
9月の豪雨も大きな被害を受けました。
被害の大きさゆえに、金沢や県外など遠方に避難した人も多く、体感的には人口の半分近くが不在になっていると感じます。
商店も減り、行事も減り、人口も少なくなっているので、顔を合わせる場が少なくなっています。
解体後の敷地にまた家を建てるのか?復興住宅に入るか?など、今後の生活への相談をするにも、人が行き交う機会も減っています。
物理的な場を作ったり、機会を作ったりすることで、今後の生活のぐちを言える時間が生まれたら。
人の集まる機会や場所があって、誰かと関わりながら、まちの今後を考える機会になればいいなと思っています。

災害時のインフラ自立化

地震で大きな被害を受けた輪島市東部は、道路の寸断や停電断水が発生しました。
冷蔵庫の食材を持ち寄ったり、湧き水を活用したり発電機を使うなど、生活の知恵を出し合って地域で協力して、困難な避難生活を乗り越えたと聞いています。
インフラが整わないからこそ、県外などへの二次避難が多く、今も遠方から時々地域に通うなど、地元での生活を送れない方がいらっしゃいます。
そして、9月の豪雨で再び孤立・停電・断水。
がけ崩れした斜面や河川などの整備に時間がかかっていて、今後も災害発生のリスクは普段よりも高いと言えるかもしれません。

そんな地域でも、停電解消前の2月に地域に戻ってきた方も。「(二次避難先の)旅館で出してもらったご飯を食べて、お風呂に入って寝るだけの生活。何もすることがない。1か月で限界が来て戻ってきた。戻ってきたら家の中も外もやることがいっぱいで楽しい」と話す80才もいました。
山と海に囲まれ自然の中で生活する能登の人たちには、何もすることがない生活はストレスだったようです。
自分の望む場所で望む形で暮らす、という生活の基本は、災害によって奪われます。しかし、ライフラインを自力で賄えるなら、こうした望みは叶えることができるかもしれません。
人口減少で体力がない地域に大きな災害が来ると、このライフラインの自立が避難生活に大きな影響を及ぼす気がしています。
まだ災害発生リスクを抱える能登の拠点だからこそ、試験的にライフラインの自立化を図り、今後の災害拠点のモデルケースを作っていきたいと思っています。

107月/25

6月レポート

今月もたくさんの方にご協力いただきながら、輪島や珠洲でいろんな活動を行うことができました。
6月の様子をちょっとだけご紹介します!

【今月の実績】
* 活動件数:92件
* のべ参加人数:322人
毎日コツコツ、いろんな場所でサポートさせてもらいました!

【たまりば、いよいよ本格始動!】
5月に町野町の仮設商店街からお引っ越しした「たまりば」のコンテナ拠点。
6月からいよいよ本格的に動きはじめました!
床や屋根を直しつつ、地域の人や他の団体と一緒にいろんなイベントが開催されました。
* おしゃべりサロン
* 赤ちょうちん(ちょっと一杯)
* ストレッチ教室
* ぼっちゃ(輪投げみたいなスポーツ)
* サッカー日本代表戦の観戦会
* リサイクル市 などなど!
敷地には畑もできて、壁やエアコンの取り付け工事も少しずつ進行中。
毎日の野菜の差し入れや、手作りのお昼ごはんをふるまってくれる地元の皆さんのやさしさに支えられながら、みんなで場所づくりを楽しんでいます。

【現場での支援あれこれ】
今月も、輪島市の町野町や南志見地区などで、いろんなお手伝いをさせてもらいました!
* 家の片づけ
* 土砂の運び出し
* ビニールハウスの解体
* 床下の泥かき
* 神社・お寺の応急処置 などなど
さらに珠洲市大谷地区では、「外浦の未来を創る会」さんと一緒に活動。
水害でたまった土砂を、他団体とも力を合わせて、重機と手作業で丁寧に取り除きました。
これからも、必要とされる場所があれば、いろんな団体と連携しながら動いていきたいと思っています!

【「伝えること」も大事な活動です】
活動の中で感じたこと、見えてきた地域の課題などを、いろんな形で発信もしています。
* 経済同友会での報告
* 信州大学と日本財団による「共助の手引き」作成協力
* Love For Notoとの連携
* オンライン取材対応 などなど
こうした発信を通じて、新しいつながりが生まれたり、地域の防災について考えるきっかけになったりしています。

【その他の活動】
* 広島のコミサポ拠点のお片付けサポート
* 災害技術系アライアンスの振り返り会議への参加
* 広域支援ベースに関する報告会への協力

7月も暑さに気をつけながら、無理なく、でもしっかり、動いていきます!
これからもどうぞよろしくお願いします

116月/25

2024年度報告書ができました

いつも災害NGO結の活動を通じて、被災地を応援してくださりありがとうございます。
遅れ馳せながら、能登半島地震の活動報告書ができました。

2024年後半の活動件数など実績を「広域支援ベースVol.2:1年版」に、
能登半島地震の活動を通じて見えてきた課題や結の活動報告を2024年度報告書に、まとめました。


印刷中の報告書は、準備整い次第ご支援くださった方に送付する予定です。
資源や経費削減のため、PDFデータでの報告書送付も進めています。
こちらからダウンロードなどで御覧ください!

ご支援くださった方で<支援の報告フォーム>に記載いただいた方には、紙版の報告書送付を予定しています。
紙版送付をご希望の方は、フォームから連絡先をお知らせください。

本当にたくさんの方に支えられて、2024年度も活動を続けられました。心より感謝申し上げます。ありがとうございます。
まだまだ復旧の最中の能登を支え、巨大災害への備えを進めたいと思っています。
この夏こそ穏やかなシーズンであってほしいですが、今年もどうぞよろしくお願いいたします。

265月/25

4月レポート


桜が散り、新たな季節を迎えた4月。色々な変化と息吹を感じることのできた月でした。

今年度のスタートと共に、これまでお世話になった関係者の移動や、新たな取り組みが始まりました。特に、水害で被災した幼稚園の復旧工事が完了し、不要になったコンテナの移動なども行われました。春の訪れと共に、地域の様々な活動が動き出しています。

家庭菜園と自然の恵み

水害後、多くのボランティア方の協力を得て、家庭菜園の再生が進んでいます。暖かな日差しの中、地域の住民の方がそれぞれの家庭菜園をはじめています。また、奥能登地方では、山菜や海藻など、自然の恵みを収穫することができ、改めてこの地域の力強さとたくましさを感じました。

【受け入れサポート】
4月も多くの支援活動が行われました。

 

* ANAとのボランティア企画
大阪発のボランティアツアーが実施され、1日目はボランティア活動、2日目は観光と、奥能登での滞在型ツアーとなりました。
* 味の素グループの支援
昨年に引き続き、約10日間にわたって70名近くのボランティアが東京や三重から参加し、家庭菜園の再生や道の駅の清掃、家財の搬出などに取り組んでくれました。
* 静岡県旅館組合とのスタディツアー
和倉温泉(七尾)やねぷた温泉(輪島)を訪れ、発災からの歩み、再建に向けた課題、そして災害前の備えについて、旅館経営者や関係者と意見交換をしました。被災地の現状を伝えることができ、参加者にとって有意義な学びの場となったと思います。
今後も防災や街作りに関する学びを深め、ボランティア活動を通じて地域の支援を続けていきます。

【準備作業】

4月中旬からは、GWを前に様々な準備が進められました。
* 田植えの準備
地元の方々と共に、水路の土砂撤去や代掻き、畦塗りなど、田植え前の準備を行いました。地域の協力があってこそ、豊かな収穫が期待できることを実感しています。
* 道の駅のオープン準備
地震以来初めて営業を再開することとなった道の駅千枚田では、ボランティアの協力を得て、ガラス拭きや床掃除などの準備を行いました。
* コンテナ移動
今後、地域のコミュニティ支援を強化するため、仲間たちと共にコンテナ移動を行い、地域の人々が集まれる場の整備に取り組んでいます。

【沖縄研修】

昨年は能登半島地震の対応で開催を見送った沖縄研修を今年は実施しました。参加者には、砂糖や塩作り、ヤギや鶏の世話、平和学習やビーチクリーン活動を通じて、沖縄の自然や文化に触れてもらいました。
沖縄研修は、沖縄戦の悲しい過去を知り、現在の課題に対する理解を深めることを目的としています。沖縄の海や食、文化を学びながら、参加者が何かを感じ取ってくれることを願っています。
今後も平和学習や災害支援活動を続け、地域に貢献していく予定です。

 

 

 

145月/25

3月レポート

2025年3月、能登半島地震からの復興支援活動は新たな局面を迎えました。七尾市の旧西岸小学校を拠点として行っていた広域支援から、輪島市へと拠点を移し始めました。

拠点移行と広域支援の終了に向けて

広域支援の拠点として多くの支援者に利用されていたお風呂、体育館、教室、給食室などの施設を清掃しました。3月中旬には、全国各地から70人以上の仲間たちが集まり、交流イベントを兼ねて大掃除を行いました。能登半島地震の活動を通じて新たに出会った仲間たちに、改めて感謝の気持ちを抱く一日となりました。

なお、来年度(2025年度)は輪島市を中心に活動を展開し、拠点も門前町や町野町へと移行していく予定です。

多様な支援活動の展開

日々の復旧作業に加え、3月には奥能登(珠洲市、輪島市、能登町)の子どもたちを富山のスキー場に招待するイベント(子ども支援)のサポートを行いました。また、新潟の学生や東京からの企業、アスリートメンバーと共に、千枚田の復旧作業(産業支援)も支援しました。

これらの活動を通じて、地域の皆さまの表情に明るさが戻り、ボランティアや住民の笑顔が増えていく様子に、私たち自身も大きな喜びを感じています。

支援の輪を広げる活動

能登半島での活動に加え、関東(東京、神奈川、千葉)にも足を運び、これまでお世話になった方々との再会や、能登半島地震での経験を基にした研修・講演を行いました。これらの活動を通じて支援の輪が広がり、より多くの方々と共に復興に向けた取り組みを進め、防災にも役立てていただければと願っています。

能登で活動している仲間たちの支えがあってこそ、能登を離れての活動が可能となっています。長期にわたって関わってくださっている皆さまに、改めて感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。

最後に

災害NGO結は、今後も地域の皆さまと共に、能登半島の復興に向けて尽力してまいります。引き続きのご支援とご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

093月/25

2月レポート

「例年通り」くらいではありますが、2月に入ってからまとまった雪が数回。
拠点前も20センチぐらいの積雪でした。

雪で地震や水害の復旧対応もできないため、気になっているお家などを訪問しつつ、雪かきのお手伝い。

本来雪が降る能登では「自分で雪かきできなければ自宅での生活はできない」
しかし、地震で旦那さんが亡くなってしまって例年通りの雪かきができないお家も。地震や水害の影響で、お手伝いが必要な場所が少し増えたのかもしれません。やり過ぎず、お困りの範囲だけをと心がけてお手伝いさせていただきました。

また、寒波が週末に影響して、ボランティアセンターが休止になったため、日時指定や急ぎ対応が必要なニーズの対応を受け取ったりしました。

各地の公民館や集会所などをお借りして、サロンをしています。
最近は、ただお茶を飲むだけでなく、みんなで一緒に作ることが多くなってきました。

沖縄から送った材料でムーチー(鬼餅)を作って食べたり、廃棄予定の大豆を豆腐屋さんからいただいてみんなで味噌を作りました。

みんなで作ったことがないものを作ったり、住民さんの中から先生になってもらってワイワイ作ったり、楽しい雰囲気で集まる場になっています。

こうした場では材料費という形で、参加者の方にも少し負担を作るときもあります。
支援を受け入れ慣れし過ぎている部分もあるので、「支援を受ける」だけの形からは少しずつ変えていきたいのです。

 

講演や研修の予定を合わせて、少し能登を不在にさせてもらいました。

研修のついでに足をのばして、2022年におじゃました静岡市葵区にも久しぶりに行くことができました。

土砂災害後に再オープンした旅館さんに行けたり、長野で一年かけて寄付活動をしてくれた小学生たちから直接支援金を受け取ったりする時間が持てて、大変ありがたかったです。

今後も少しずつ、県外に能登のことを伝える時間を取ったりできればと思っています。

062月/25

1月レポート

年末年始は震災から一年の節目。
普段以上に全国各地のメディアから取材が入っていた印象です。多くの住民の方が取材に応じていたり、今まで現地でお世話になった方が番組で取り上げられたりしていました。
そうして取材でにぎわう一方、能登でお正月を迎えない人も一定数いたようです。例年は家族が集まっていた家に比べて、仮設住宅はかなり狭い。
(1Kの仮設の部屋に孫たちが泊まりに来て、押入れや廊下も使って寝泊まりしたという話も聞きました)
泊まる場所がないので集まるのを見送る方、お正月のタイミングは気持ちが落ち着かないから金沢に行くという方も。これまでとは異なる環境の中で年末年始を迎えられた方が多くいらっしゃいました。

 


特に輪島市門前町では、今まで活動しているNPOで分担して仮設住宅の集会所などで年越しの集まりが企画されました。
一人で年越しをされる方は、ひとりテレビで能登半島地震の特集を見るかもしれない。必要以上にさみしくならないように、できるだけ年越しの期間は近くにいたいねとの意見からでした。
私たちも、仮設住宅の集会所にて年越しそばやおせちを食べて、地域の方といっしょに年越しさせてもらいました。

今年は、仮設住宅や在宅コミュニティにおいてワークショップやサロンがたくさんできればいいなと思っています。
もともと、能登の寒い冬は家にこもってしまう方が多いそう。
しかし地震と水害で生活がガラリと変わった方も多いので、閉じこもったままは少し心配になります。
地域の方同士が集まれる場をつくったり、訪問したりして、安否確認や様子うかがいができるような取り組みを進めています。

現場のニーズについては、年内にある程度対応の進んだところです。
寒さや天候もあって年があけてからは少しスローペースになりつつあります。
が、公費解体が進むからこそ出てくるニーズもあり、対応が必要な案件はゼロにはなりません。
他の団体と相談しつつ、重機での土砂撤去や家財移動など対応を続けています。
今までは道路の応急復旧などで入りづらかった場所もあります。
悪路で通行に注意が必要なため、NPOが先行して土砂撤去や状況の整理に入りはじめました。
春に向けて一般のボランティアさんが入れるように、関係各所と相談しながら今から進んでいく地域があります。
今後も降雪などの状況をみながら、安全第一で活動する予定です。

こうして現場で必要な資機材を、行政で準備・活用できないかと、県や市と協議しています。
「災害救助法」や「堆積土砂排除事業」などの制度で、NPOが敷地内で土砂撤去活動をする費用をカバーできるのが理想です。
しかし、会議を重ねるほど、制度の運用の難しさを痛感します。
災害時における制度の簡素化が必要であると同時に、ひとつひとつ丁寧に事例を作っていくべきだと改めて感じました。

 

また、現地で活動を続ける中で、自立を促す支援が増えてほしいと感じることが多くなりました。
仮設住宅では、現在も炊き出し支援や物資配布があります。
もちろんたくさんの方に喜ばれているのですが、状況によってはかえって自立を妨げる要因となる場合も。一部の地域では不安の声も聞かれます。
まだ支援を必要とする方々は多くいらっしゃいますが、状況に応じた適切な支援を考える人が増えたらいいなと思います。
支援の「引き算」を考慮すべき段階に入っているのかもしれません。

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