6月レポート

毎年6月は梅収穫の季節。2011年紀伊半島大水害の時のつながりから、毎年この季節に和歌山へお邪魔していましたが、今年は緊急支援で滞在することになりました。

台風2号

台風2号と梅雨前線の動きにより、全国的に記録的な大雨になり、全国6県で線状降水帯が発生。

和歌山県、愛知県、静岡県、埼玉県、茨城県などで住宅の被害が発生しました。

和歌山県内では、海南市、有田市、紀美野町、かつらぎ町などで浸水被害が。海南市にのみ災害救助法が適応されましたが、その他の地域でもまとまった被害がでています。

床上約400件の県内で一番被害件数の多かった、海南市災害ボランティアセンターの運営サポートを実施。すでに災害VCに寄せられていたニーズから、床下の状態チェックなどNPOが対応したほうが良さそうなものをピックアップして対応しました。

寄せられたニーズを訪問していくと、ギリギリ床上〜床上30センチぐらいの被害が多い印象。

他の地域に比べて、築年数が古い家が多く、壁にも床にも断熱材が入っていない家の方が多かったです。畳下の床板も釘で留まっていない家がほとんどで、水害復旧の対応がしやすいケースが多いと感じました。

一方で、自然の力だけでの乾燥が難しかったり、サーキュレーターを入れてもなかなか乾燥が進まなかったりと、海沿い地域の湿気の多さもありました。そもそもシロアリ被害も多いようで、水害前から湿気ている状態の床下が多かったのではと推測します。

そうした和歌山の地域性も見つつ、乾燥のチェックを進めています。

また、知り合いネットワークのツテから、紀美野町の農地ニーズのお手伝いも調整しました。
水害のあった6月頭はちょうど田植えの季節。流木などが流れ込んだ田んぼを住民の方主体で復旧されている地区がありました。キーマンとなる方と話をしながら、田んぼを再開したり心理的負担を減らすためにのお手伝いを調整しました。

にんにこ被災者支援ネットワークわかやまのメンバーなどには、2011年に代表前原が一人で奮闘していた時期に出会っています。当時から結の被災地支援を応援してくれていたことがあって、定期的に和歌山に通っていました。

今回の台風被害を受けて、和歌山での活動のために半日で宿泊拠点を見つけてくれたり、おろそかになりがちな支援者の食事面もサポートしてくれています。有り難いサポートをいただいていると同時に、和歌山に支援に入ったのは、こうした関係性があるからこそだとも改めて感じます。そうした点では、和歌山の受援力やつながりという備えは、すごく大きかったとも感じます。

にんにこのメンバーや、そこから緩やかにつながっているメンバーが定期的に活動に参加してくれています。結が引き上げても、その地元メンバーが無理ない範囲で海南のサポートができるように、少しずつ引き継ぎをしながら対応を進めています。

ただ、どうしても限られたメンバーになってしまっているので、これをきっかけに少しずつ実働する和歌山の人が増えるといいなぁと思っています。

伝える活動

和歌山の緊急支援と並行して、もともと予定していた講演や研修のために、各地にお邪魔しています。

長野県佐久市社協さんからお声掛けいただいた、災害ボランティア研修には、長野の支援チームである信州ひとまるさんにも同席いただきました。

同じような研修スタイルで、今年の3月に沼津市さんにお呼びいただいた時に、しずおかまめっ隊さんにもご協力いただきました。この6月の台風2号の被害が、沼津でも発生、その対応にまめっ隊など静岡のチームが対応してくれています。こうして、研修などで顔を合わせていたからこそ、緊急期に頼れるネットワークになります。

一つずつ、こうしてつなぎながら、各地のネットワークを強くしていきたいなと思います。