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0512月/17

平成29年7月九州北部豪雨 緊急支援中間レポート3

9月と10月に緊急支援中間レポート12として、それぞれ朝倉市の現状を報告させていただきました。今回はそれに続き、発災5ヶ月経った朝倉での現状と課題等を報告させていただきます。

 

■活動報告

災害NGO結では発災直後から、緊急支援として、土砂・流木の撤去による家屋や家財の救出のため、重機やダンプの調整を行ってきました。7月5日から11月30日までに、2,433名が活動に参加し、重機501台、ダンプ401台が活動しました。詳細な活動地域は以下の通りです。
今後は災害NGO結に代わり、地元団体の【杷木復興支援ベース】が活動の調整を行います。*杷木復興支援ベースについては下記をご覧ください。

■朝倉のいま

◯形が変わり見えにくくなる避難
発災5ヶ月を前に、朝倉市内の避難所は全て閉所しました。住民は避難所から仮設住宅やみなし仮設などへ移り、それぞれ次のステップに進みましたが、形態は変われど避難生活に変わりはありません。【避難所】から出た人は【仮設住宅】に移る、というイメージが一般的なようですが、被災地ではそれに当てはまらない場合も多くあります。朝倉市でも、いわゆる建設型仮設に住む人は市内3箇所の合計で85世帯175人で、みなし仮設(民間借り上げ住宅)や公営住宅を含めた総数のわずか18%に過ぎません。また、みなし仮設の所在地も半数は市内ですが、半数が近隣の市町村になっているようです。建設型仮設住宅に比べ、所在地が分散しているため支援が行いにくいのがみなし仮設です。

*データは朝倉市から提供(2017年11月28日現在)

◯フェーズの移行
 発災から5カ月が経ち、外部から来た重機やテクニカルなボランティアの調整といった緊急期的な活動も落ち着き、地元団体が立ち上がり始める移行期へとフェーズの変化が見られます。緊急期後半で活動を共にするようになった地元(朝倉市近辺はもちろん筑後地方など福岡県内)の支援者たちを中心に、今後も継続して中長期的な支援活動が必要だという意識が生まれ始めた結果です。地元のメンバー中心の支援の仕組みとして、杷木復興支援ベースが誕生し、今後移行期として少しずつ知識と経験を持った外部団体から、長く被災地に寄り添える地元団体へと、支援活動の主軸が移行していく見込みです。

 

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■朝倉今後の課題

〇みなし仮設・在宅避難者への見守り、寄り添い
仮設住宅での見守り支援も重要ですが、見落とされがちな「みなし仮設」で生活を送る住民や、自宅の被災により生活する地域の環境が著しく変わった方への支援も必要です。どの被災地でも不安や孤独感を抱えながら生活をしている住民の方が少なからず存在します。年末年始が迫り、ただでさえ寒さが厳しくなり人恋しくなる時期、環境が大きく変わった地域の中で生活を続けなければならない方の不安感や孤独感は大きくなる一方です。特に高齢者や子どもたちのような自力で問題解決が困難な場合に、どうやって対処をしていくのかが更なる課題です。

〇存立が危ぶまれる集落に対するコミュニティ支援
朝倉市内では集落へ続く道路の寸断や水道・電気の生活ライフラインが経たれるなどの大きな被害を受けた地区がいくつかあります。何もかも全て土砂にのみこまれた地区もあれば、中には田畑(=仕事場)だけは無事だった地区もあります。
集落として再び機能するのか、
集落に戻れないのであればどこでコミュニティを再生させるのか、
元の場所は住居コミュニティとしての利用は出来なくても仕事場・趣味の場・生きがい作りの場として再生させることは出来ないのか…
景色が一変するような被害を受けた集落の方向性を示すことが、今後の地域を支える上で重要と考えています。支援者として地元の方々と多面的に関わり、コミュニティ再生支援の方法を探る必要があります。

〇農業の再生
激甚災害に指定されたことで、農地の現状復旧に国庫を使うことが可能になりました。しかし膨大な数の被害を行政が査定し、業者へ委託、復旧作業が実施されるまでにどれくらいの月日がかかるでしょうか。野菜やコメなど一年で作付けから収穫までを行う農家の再建は、土砂が流れ込んだ田畑・水路の復旧が終わった翌年から作付けが可能ですが、果樹園など収穫まで数十年もかかる農家の場合、農業再建までに長い時間がかかってしまいます。

〇生活困窮層の拡大
災害以前から厳しい生活を送っていた世帯などにとって、被災からの生活再建はさらに困難なものになりえます。被害家屋だけでなく仕事場(商店や農地)の再建も同時に進めねばならないケースもあります。仮設住宅やみなし仮設へ生活の場を移したものの、その後の生活再建が厳しく次のステップに進めない、という事態に陥る可能性もあります。そのような生活再建が難しい世帯にどう対応するのか、今後の大きな課題となると考えています。

 

■災害NGO結として

災害NGO結では、前述の通り、移行期として緊急支援から中長期支援へ移るフェーズの変わり目を、地元団体のアドバイザーとしてサポートしていきます。外部から地元へと支援活動の主軸が移行すると同時に、知識と経験の共有だけでなく、リソース(人・物・金)を地元へ結びつけるサポート、団体としての運営サポート等を一緒に活動する中で行っています。

 

■杷木復興支援ベース

地元福岡県から集まる支援者が中心となって運営行っている復興支援ベース。細く長くを念頭に息の長い支援を行っていきます。災害ボランティアセンターの縮小など、ボランティアの「受け皿」が少なくなる中で、それに代わり人が集まる場となるような場所としての機能も狙いの一つです。そして、今後出てくる問題や課題に、地元の力と今までの外部からの力を使い、細く長く柔軟に朝倉の復興に合わせて活動していく予定です。
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