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216月/19

新潟・山形地震調査レポート

2019/06/21災害NGO結

18日に発生した地震の情報を受けて、災害NGO結として、またJVOADの先遣隊として現地で情報収集を行ってきました。結果として今回は、収集した情報を行政や地元団体に伝え、問題点や今後の課題などを整理するという役目になりました。
今回の調査で見えたこと、結として課題だと思うことをまとめました。レポート内の被害数値などは目視による大まかな数です。また、いずれの情報も、発災から2日で分かった情報です。被災地では毎日状況が変わるため、このレポートの内容も状況に沿ったものではなくなる場合もありますことをご理解ください。

19日の朝に現地入りし、揺れの大きかった新潟県村上市、山形県鶴岡市の地域を回って調査しました。被害の件数と規模から考えて、大変かもしれませんが地域の資源(行政、制度、業者、社協など)でカバーできる範囲だと判断しました。その後、村上市・鶴岡市の社会福祉協議会などと、復旧対応の確認をしました。

また、避難所については、発災当初は数百人規模の避難者がいましたが、翌日からは多くて30人ほど、2日目が終わる頃にはほぼゼロの状態に落ち着きました。倒壊した家屋もほとんどなく、家に帰ることが可能で、物理的に避難が必要な人がほとんどいないことが要因と考えられます。今後の継続した心理的ケアは必要ですが、一旦避難所という形は解消されました。

以上の現地の被害状況・現地の対応状況を総合的に見て、災害NGO結としては外部からの支援は必要ないと判断しました。

屋根の被害は大小含めて200件ほどだと見積もりますが、これは極端に言えば、外部から経験のある支援団体を呼んで対応ができうる数でもあると考えます。
しかし大阪や熊本の地震被害で、1〜2年後でも何度も張替え案件が出てくるように、今回も対応が長期化する可能性があります。今全ての被害があった屋根にブルーシートを張るのは可能かもしれませんが、ほとんどの外部団体は張替えなど長期的な対応は難しいはずです。
(梅雨入りしたこの時期に、どこまで一つの被災地に関われるのかも見通しが立ちません)

以上の理由から、屋根の応急手当は現状対応を進めている地元業者にお任せし、中途半端に外部から手を出さないほうが良いのではないかと考えました。

外部支援でお手伝いすることは簡単ですが、それが地元の力を削ぐことにつながってしまうことを懸念します。数日だけ外部から応急手当が入るより、本復旧に向けて行政の制度を拡充したり、ブルーシート張りの仕組みが地元で作られるほうが、長期的な目で見て、地域のためになると判断しました。
ただ、張り方の細かい点は、NPOの方が経験を蓄積しているので、ノウハウ提供という形で協力できるということを提案しています。

発災からの動きや現地の状況、被害が小さかったからこその問題点など今後の課題などは以下にまとめます。


現地の状況

・新潟県村上市山北地域と隣接する山形県鶴岡市温海地域で被害が見られた
・主に沿岸部の集落で被害が見られ、山間部からは被害の報告なし
・被害の殆どは、屋根の瓦がズレたり落下したりという一部損壊判定に相当するもの。家屋の倒壊などの被害は見られなかった。
・両県合わせて屋根の被害件数は、緊急対応が必要ないような被害を含めて、150〜200軒ほど
・翌日から複数の地元業者がブルーシートを張る応急対応を行っていた。しかしブルーシートの種類(厚み)や張り方など、長く保たせるためのノウハウはない。雨の中の作業がされていたように、安全管理の面でも改善できる点がある。
・家の中の家財の転倒なども、殆どの場合は近隣の助け合いや親類感での助け合いなどで解決している様子

 

気づいた課題

・被害件数が少ないため、災害救助法が適応されない見込み。このため、避難所運営費用や復旧にかかる費用などの国庫からの支援がなく、市の独自予算で対応しなくてはいけない。
・被災者再建支援法など、個人への資金的手当制度がないため、屋根の修復や敷地内の被害など、完全に自力での復旧が求められる。
・ブルーシート張りが進んでいるが、応急手当でしかなく、今後張替えや本修理までの長期的な目線で考えている人が少ない。
・温泉街で、源泉からの配湯が地震の影響でストップしていた。一時営業ができない状況になるなど、観光地への打撃があった。すぐに完全復旧とはいかないため、集客に影響が出る可能性が高い。また、その他県内で被災がない地域でも地震の影響で客足が遠のくなど、今後の産業被害については注目しておく必要がある。
・今回の被害は、新潟県と山形県に跨った被害だが、地域が隣接していて、コニュニティの中に県境があるような状況。行政の支援の格差によってコミュニティが分断されないように、それぞれの温度を合わせるという配慮が必要になる。

今回の調査、災害NGO結の動き

18日22時22分の発災情報を受けて、関係団体と連絡を取り合う
19日0時 バイクなど準備品を揃えて滋賀を出発
19日7時 新潟県村上市入り
19日8時半 府屋地区など被害があった地域の調査開始
19日11時 新潟県内の被害を粗方確認、山形に調査で入ったOPENJAPAN、新潟市と村上市南部の被害を確認していたレスキューアシストと合流して簡単な打ち合わせ
19日13時 村上市内で、新潟県協、新潟災害支援ネットワークと合流、打ち合わせ
19日15時 山形県鶴岡市内で山形県社協、鶴岡市社協、鶴岡市所担当と打ち合わせ
19日17時 村上市内でJVOADスタッフと合流、JVOAD、OPENJAPAN、レスキューアシストと打ち合わせ
19日18時 村上市内で新潟県社協、村上社協、新潟災害支援ネットワークと打ち合わせ
19日20時 JVOAD東京事務所などとネット会議
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20日8時 鶴岡市内の液状化被害の確認
20日9時 鶴岡市由良地区、温海地区の調査、大岩川、小岩川の調査(再)
20日15時 村上市内で打ち合わせ
20日16時 鶴岡市内で社協、JVOAD、OJと打ち合わせ
20日18時 JVOAD東京事務所とネット会議