活動報告−九州スタディツアー準備編

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 災害NGO結の主な活動の一つに「伝える活動」があります。
各地の支援活動での経験を伝えることが、他の地域での防災につながるためです。

2018年から、伝える活動のプログラムに「スタディツアー」を盛り込みました。このツアーは、先輩被災地から後輩被災地へ、支援にまつわる経験を伝えてもらうことが一番の目的です。

企画のきっかけは、九州北部豪雨の支援について悩んでいた朝倉市(福岡県)の支援者の姿を見たことでした。当時は発災から時間が経って、目に見える課題から見えない課題の方が多くなってきた時期でした。そこで、1年半先に被災して支援を続けていた熊本の支援者に、中長期的な支援の方針や失敗談など、生きた経験を聞きに行く目的で実施しました。
また朝倉市、日田市、熊本の支援者が交流することで、九州地方の支援者ネットワークの構築をサブ目的としました。
実際に、ツアーの3ヶ月後に発災した平成307月豪雨では、熊本・日田・朝倉の支援者が連携し、愛媛県宇和島市で活動してくれました。

この一連の流れがあり、2019年の今年は、ツアーの参加者だった日田市支援者がホスト役となりました。日田市と朝倉市へ宇和島市の支援者を招待する企画です。今回結としては、ホスト側・参加側の両方と深く関わりがあるため、企画のサポートという形で準備段階から参加しています。
研修を深みのあるものにするため、何度か日田と朝倉で事前打ち合わせをしました。今の宇和島の課題などを共有し、スケジュールの微調整や事前学習会の実施などを提案しました。

それぞれの被災地では、被害規模や支援の背景などさまざまな違いがありますが、なぜその支援がされているのかという背景と目的や、長期的に発生する課題などには共通点も多いと考えています。また、発災からずっと一つの被災地に向き合ってきたこのタイミングで、ちょっと一呼吸置いて他の地域を知ることで、俯瞰的に各自の活動を見つめ直す機会にもなるはずです。
更にホスト側としても、自分たちの活動や課題を紹介することで自身を振り返り、それが新しい学びになると考えています。
今後もこうした場の企画やサポートなど、間接的に被災地を支援するという方法も取りつつ、細く長く被災地を応援します。

 

◇九州北部豪雨の被害のようす→こちら