平成30年7月豪雨から3ヶ月レポート

7月の発災から、早くも3ヶ月が経ちました。
3ヶ月の時間で復旧が進んだ面も沢山ありますが、新たな課題も生まれています。9月には台風被害や北海道地震など大規模な災害が相次いだこともあり報道されることも少なくなっていますが、被災各地では今日も復旧作業が進められています。1ヶ月レポート以降、8月〜9月の現地の動きをまとめました。

〇岡山県倉敷市
 倉敷市災害ボランティアセンターは、発災直後から大量のボランティアを受け入れられる体制が作れたため、なんとか沢山のボランティア送り出しができていました。加えて、継続的に活動するNPO等との連携も取れていたため、床・壁・天井剥がし等の一般のボランティアセンターでは対応が難しい特殊ニーズにも対応できています。
しかし発災から時間が経つと共に、現場のニーズは多様化していく一方で、支援の量は減っています。今後は町をきれいにするという分かりやすい作業から、避難で歯抜けになった地域コニュニティを維持するような見えづらい作業へと、求められるものが変わっていきます。既に空き家や空き地が増え、雑草が伸び放題になるという懸念があります。景観の問題以上に治安への不安やご近所トラブルに発展する可能性があるなど、災害から二次発生した問題への対処が必要になる時期だと見てます。そして他の被災地と同様に、発災直後は目につくニーズ、助けてと声があがったニーズから対応するため、発災から時間が経つと、見えにくいニーズや自分から声を上げられなかったニーズなど、活動で配慮が必要なことが多くなります。
災害NGO結は、発災直後から災害ボランティアセンターの運営支援やサテライトの仕組みづくり、外部支援者の紹介などをしてきました。多くのボランティアが活動したとはいえ、まだまだ家屋清掃のニーズもあります。今後も必要な支援を現地につなぎつつ、現地で活動する支援団体を、資機材提供や相談役としてサポートを続けます。また、今年いっぱいはNPOと社協とが密な連携を取りつつ活動するようなので、アドバイザーとして会議などに顔を出す予定です。

*応援団体*
真備再生ベース竹燈−たけあかり−

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〇広島県坂町
 坂町は、広島県内の広い地域で被害があったため支援者が分散してしまった事と、発災当初の交通の便の悪さから、支援が集まりにくく発災からの時間の経過と町の復旧の様子が伴わない時期がありました。交通インフラの復旧でボランティアの数が増えたことや業者の作業により、一時は河と一体化してしまった道や土砂に埋もれた家屋などは大方の復旧が進みつつあります。元々しっかりしていた自治組織がボランティアの受け入れ・アテンドを担当してくれ、それぞれの地区に入ったNPOなど支援団体とも現場を調整して活動を行っていました。自治会の方自ら床剥ぎや土砂撤去などの活動に参加してくれる地区もあり、地区の個性が復旧状況にも現れています。災害NGO結でも、重機オペレーター等プロボノと自治会の方をつなぎ、活動を調整してきました。
多くの支援者の活動の結果、人手の作業ニーズに関しては目処が着いてきたため、災害ボランティアセンターは10月から週末登録型に移行しました。しかし、大雨で度々避難勧告が発令されたり、雨上がりは上流の土砂が流れてきて業者が何度も浚渫していたりと、復旧の区切りはまだ見えません。町中からボランティアの姿が少なくなる一方で、配慮が必要な方からのニーズや、床剥がしなど技術が必要なニーズもまだ残っています。ポロポロと寄せられる相談に長期的に対応できる支援者が必要とされています。
そんな中、これまでの各地で共に支援活動を行ってきた広島出身の仲間たちが、継続的な支援のため団体を立ち上げました。災害NGO結として、これまでの経験や事務面のサポート、近隣社協や外部支援者の引き合わせ等、今後の活動が円滑に進むようように支援を続けていく予定です。

*応援団体*
DRTJAPAN広島

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〇愛媛県宇和島市
 宇和島市だけに限らない問題ですが、発災直後からニーズの聞き取り調査を行っていないため、災害ボランティアセンターを開設していても地域からニーズが寄せられない状況にありました。ニーズがなければセンターとして支援の方向性を定めることも難しくなってしまいます。そこで被害が大きかったいくつかの地区の内一つを、災害NGO結で個別訪問し、ニーズの調査を行いました。
ニーズ調査でもよく聞こえてきた声が、宇和島の特産みかんへの被害に関することでした。柑橘系全国一位の出荷を誇る宇和島市では、みかん園地の面積も多くその多くも被災を受けています。市内の中心産業を守るべく、8月からみかんバスとして農家支援を行っていたJAが中心となり、10月から農業ボランティアセンターを立ち上げました。復旧が遅れている農作業のサポートとして、収穫、摘果を中心に支援を行っています。発災が様々な面で影響を及ぼしているため、普段以上に収穫など農作業に人手が必要なケースもあります。
災害NGO結では、ニーズ調査の他にも、独自で募集したボランティアさんと一緒にボランティアセンターでは対応できない床下案件の活動などで、災害ボランティアセンターの運営をサポートしてきました。しかしニーズ件数が少しずつ落ち着いてきており、更に社会福祉協議会が災害ボランティアセンター機能を含んだ支えあいセンター事業を始めたこと等をふまえて、活動内容を今までの家屋清掃系から農家支援へとシフトしていく予定です。

*応援団体*
U.grandma (グランマ)

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*この活動にあたり、日本財団の助成を活用しています*

後方支援のお願い
被災地への支援の方法は様々な形があります。支援金という形もその一つです。
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皆様からお預かりした「お気持ち」は、その場所・その時期にふさわしい形で、必ず現地に届けさせていただきます!

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