暖かい日も増え、九州の2月では活動の合間に半そで姿も見られるように。
熊本県独自の緊急事態宣言も解除され、支援活動も少しずつ動き始めました。
現地ではより一層の感染症対策をしながら、支援団体などと連携してできる範囲で活動しています。
災害VCの運営支援
2月の頭から災害ボランティアセンター(災害VC)再開に向けて、平日はニーズの調整や資機材の整理、テント設置など、必要な準備を続けていました。
熊本県独自の緊急事態宣言が解除になり、2月20日より土日の一般ボランティア受け入れが再開。4月以降も地元の力で継続的な運営ができるように、コーディネートなど直接するのではなく、少し距離を取りつつサポートしているつもりです。
ボランティアセンター依頼総数:1104件 完了:712件 キャンセル:369件 継続:15件 未実施:8件 残ニーズの内訳 家財出し・搬出:9件 床下清掃(泥出し・ブラッシング):3件 荷物の移動:1件 その他:10件 (2月25日時点)
連携団体:PBV(ピースボート災害支援センター)*クラファン挑戦中!
コミュニティ支援
2021年から本格的に、被災した集会場の仮復旧をスタートしています。
実は、単に被災した地域の集会所や公民館を仮復旧すれば良いという簡単な話ではありません。被災によって地区の住民が少なくなり、自治会として役員になる人がいなかったり、財源確保が難しかったり。
その中で建物の本復旧をどうするのかを考えていかねばなりません。行政からの補助制度を使っても自己負担金が発生します。
その中で再建をどうすのか、迷っている自治会長さんもおられます。地区の事情はそれぞれなので、6ヵ所の集会所や公民館で相談をしながら進めています。
壁床剥がしやブラッシング、仮床貼りなどをしていますが、今後も地域ごとの事情に添い、活動内容を検討しつつ、対応しています。
連携団体
石狩思いやりの心届け隊・DRT-JAPA nagasaki・PBV(ピースボート災害支援センター)・め組JAPAN・熊本YMCA・アーキュレスキュー人吉球磨
連携会議
1月から、人吉市内で作業を担う支援団体と災害VCで毎週木曜日に連携会議を開催しています。
支援団体同士の関係性ができたことで、実際の活動の割り振りも相談する体制ができました。災害VCでは対応できない案件(天井&床&壁剥がし・農地被害・コミュニティ支援・重機案件等)を整理し、NPOニーズ(Nニーズ)と分けて、連携団体と共有し対応を進めています。定期的に直接あって話ができる基盤によって、資機材の貸し借り、活動で出た廃棄物の回収など細かな協力ができるようになりました。
それぞれのかゆい所に手が届くため、活動の幅が広がって効率の良い動きが可能に。
さらに、作業の進め方や機材の情報交換など、技術的な探求やスキル向上の情報共有もできています。
Nニーズ依頼総数:92件 完了:69件 継続:12件 未実施:11件 残ニーズの内訳 壁・床剥がし:6件 ブラッシング:1件 公民館:3件 農地:2件 重機:4件 家財回収:4件 その他:3件
連携団体
PBV(ピースボート災害支援センター)・くまもと友救の会・め組JAPAN・熊本支援チーム・OPEN JAPAN
サロンの情報共有会議
コロナ禍で復旧が進む被災地。建設型仮設住宅やみなし仮設(借り上げ型)、従来の自宅など、避難先はそれぞれです。
生活環境が大きく変わり、不安な気持ちを抱えながらも、誰にも相談できないという声が多く聞こえています。普段であれば、お茶会や炊き出し・復興イベントなどが、バラバラになった住民が再開機会になりますが、緊急事態宣言下では実施できない状況でした。
ただ、そうした声に答えてサロン開催などをしたいと考えている支援団体も複数あります。
緊急事態宣言が解除されて間もなく、人吉市支え合いセンターの呼びかけでいくつかの団体が集まり、意見交換をする機会が設けられたのでお手伝いをしました。
これまでの活動報告を始めとし、現在気になっていること、できること、今後の方向性をお互いに話し合いました。18日には緊急事態宣言も解除となり、仮設住宅でのオープンサロンも再開。
日中の気温も上がるので、人の動きが活発になったり、野外サロンができたり、こうした動きが増えていきそうです。
今後は支え合いセンターを中心に、こうしたソフト面の支援も連携が進めばと考えます。ちなみに、人吉の人々の心の動きについての課題は他にもあります。
どうやら、人吉の春は雨が多いそうです。
雨が引き起こした災害です。激しい雨が降ると、それだけで被災した方々の精神的な不安につながります。
それだけでなく「本当にこの地に住み続けるのか」という再建に向けての悩みなど、目に見えない問題もさらに増えていくことが想像されます。
引き続き関係する団体と情報共有し、被災した方の心に寄り添い、対応していく必要性があると考えています。
農地支援
人吉市の農業振興課と相談しながら、農地に流れ込んだ漂流物の撤去や、土砂で埋まってしまったビニールマルチはがし、被災したビニールハウスの撤去等をサポートしています。
状況に合わせて重機チームにお願いしたり、協力してくれる団体を調整したりし、少しでも農家の方が再建できるように活動しています。農道に流れ着いた漂流物を撤去しという、直接の依頼者がいない地域ニーズもありました。学生が漂流物を拾う姿やスッキリした農道を見て、お散歩する近くの住民の方々にも喜んでくれていました。少しでも被災した光景から、本来の姿へと戻すためのお手伝いができました。
連携団体
OPEN JAPAN・熊本YMCA・ダイナム・DRT-JAPAN nagasaki・ダッシュ隊徳島・石狩思いやりの心届け隊・borderless fire
福島沖地震の情報収集
2月13日23時07分に福島県沖を震源に、福島県・宮城県で最大震度6強を観測する地震が発生しました。JVOADや震災がつなぐネットワークに加え、普段から連携している支援仲間と連絡を取り、情報収集をしました。今後の支援の方向性など、zoomなどオンラインで現状の確認や情報共有をしました。
現時点でのそうした情報共有などを踏まえて、現地入りは見送っています。
これは、現地からの報告による被害状況や、コロナ禍で九州から遠く東北へ走る必要があるのかなどを色々と考えた結果です。
また人吉市での継続している現場活動や、人吉で中長期的に支援が続いていく基盤作りなど、まだ人吉でやるべきことがあると考えたからでもあります。
今は災害NGO結として現地入りするより、関わっている人吉市でできることをする方が優先だと考えました。
今後の対応については、現地にいる支援団体と情報共有しながら、考えていきます。