発災から50日の現状報告

7月の大雨での被害発生から、50日以上が経過しています。被災地の情報の露出が減り、世間の関心が薄れていると感じています。

結としても福岡と大分で活動を進めていますが、コロナの影響もあり、関係各所との調整もあり、なかなか情報発信ができていませんでした。

災害発生から50日を超えて状況が変わっていく今、現地の活動と課題をまとめました。

現状の課題(地域によって大きく違うはずですが)

・人手不足…単なる作業の担い手だけでなく、現地で支援活動全般を運営する人が不足している
・技術ニーズ対応…支援団体の数が少なく、難しいニーズに対応できる人材がいない
・地域差…そもそも支援活動とコロナ対策の両立の仕方について、地域で差がある。方向性の違いによって、復旧活動の進み具合が違ったり、支援活動の質量が違っている。そのため受けられる支援の質・量共に違いが生じ、地域での差につながっている


今後の課題

・別の災害の危険性…台風被害など、他の地域で大きな災害が起きる可能性がある。そうなると、各地で活動を続けている支援団体が新たな被災地へ向かってしまい、さらに人手不足におちいる可能性がある
・活動の継続性…支援活動の継続には、いろいろな要素が必要です。人手や資金が続かず活動継続が難しくなる局面があるかもしれない


 

結としての活動の基本は、実際に我々が土砂撤去を担うような直接支援ではなく、現地で活動する地元団体の運営サポートや、技術支援という形の中間(関節)支援です。

普段から地元化を考えている活動が多いため、そもそもの活動スタイルと近いですが、外部からの支援者を制限する点では大きく変わります。

少数のメンバーを地域に固定して、現地の支援団体や組織をサポートする形を取っています。
具体的には、【物・人・ノウハウ】を提供しています。

 

・車両貸し出し


人吉市で活動する熊本学園大学へ、軽自動車を一台貸し出ししています。
じつは2012年の九州北部豪雨の支援の時からご縁があり、災害があれば連絡をとったり、活動を一緒にしたりしています。


今回はコロナ禍だからこそ、県内にいる大学生で現地の力になりたいという相談を受けました。大学のある熊本市内から人吉市までの移動や、現地での活動用に活用してもらっています。

 

・資機材貸し出し


ダクトファン、扇風機、水分計、ボードカッターなどを貸し出しています。
これは、久留米市社会福祉協議会や大牟田市社会福祉協議会、前述の熊本学園大学などからの要請に基づき、貸し出ししています。
我々も現地にはりつけないし、それぞれの団体も人手を集められないため、能率アップの機材を導入してもらっています。

・物資

他の支援団体や、企業からお預かりした支援物資を、現地に届けています。

 

・現地支援団体の運営サポート

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現地では大きくボランティアなどを募集できないため慢性的な人手不足に陥っている場面もあります。住民の方への配り物や声掛け、チラシづくりや留守番や、ちょっとしたことからお手伝いできるように、同じ人が一定期間サポートを続けるほうがいいと考えています。

大分県日田市で活動している、NPO法人リエラや天ヶ瀬温泉未来創造プロジェクトも、活動の担い手が足りない状況です。ボランティアセンターのサポートや日々の活動運営、イベント補助などを、伴走型でサポートしています。

 

 

・支援者食環境支援
猫の手も借りたいほどバタバタとする現場では、自分たちの食事は後回しになりがちです。すきま時間にコンビニおにぎりかインスタントラーメンというのがよくある光景。

しかし、栄養も偏るし、この連日の暑さではバテてしまうんじゃないかという心配もあります。
そこで、長野県などから送ってもらった野菜などを活用して、各地でふんばる支援者仲間に、栄養満点の食事を作って届ける活動をしています。

 

ノウハウ

・現場の復旧活動
現地で必要なのは、資機材だけではありません。その道具をどんな時にどう使うのか、または使わなくていいのかを判断すること、道具の取り扱い注意点など、情報が必要です。


これらはマニュアルにはなく、現地での経験を積んで得ていくしかありません。
だからこそ今回も、災害復旧への十分な知識がない状態から、独自で被災者支援ができるようにと、0→1の最初の一歩をサポートしています。
具体的には、災害ボランティアセンターの運営を担当する社会福祉協議会や、現地で活動する支援団体とOJTのようなことをしています。

どんな作業が必要か、一軒ずつ現地での調査に同行したり、現場での作業手順や道具の使い方を助言したりしています。一つひとつの細かな作業や手順を一緒に積み重ねて、実践力をつけてもらえればと考えています。

 

・講習会


支援者への技術支援も必要ですが、肝心の被災地域の住民への情報提供もおろそかにはできません。支援の手が少ないからこそ、災害復旧に必要な手順と気をつけるべきポイントを、住民一人ひとりに知ってもらい自助の力を広げてもらえればという狙いがあります。

久留米市社会福祉協議会や大牟田市社会福祉協議会の要請に基づき、コロナ感染対策のために少人数制で何度も開催しています。

 

・支援の方針についての助言提言


結の提供できるノウハウとして、現場での実践の他に、全体的な支援の組み立てや長期的な支援の見通しがあります。被災の状況に対してどんな支援が必要なのか、限られた人数でどこまで支援ができるのか、など現地の状況に合わせた仕組みや取り組みが必要ですが、こうした全体像を作るのは難しい作業でもあります。


過去に関わった被災地での事例を交えて、災害発生直後はもちろん、長期的な復旧復興に向けた話し合いにもアドバイスしています。

 

【連携団体】

熊本学園大学@人吉市
**クラウドファンディング実施中**
OPENJAPAN@球磨村
DRT-JAPAN@球磨村
久留米市災害ボランティアセンター
大牟田市災害ボランティアセンター
つないteおおむた
日田市災害ボランティアセンター
NPO法人リエラ
天ヶ瀬温泉未来創造プロジェクト
災害NPO旅商人

 

この活動は、日本財団の助成を受けて活動しています。

 

現地での活動を続けるための、ご支援を募集しています。
ご賛同いただける方はこちらから

【ゆうちょ銀行の口座をお持ちの方】
 ゆうちょ銀行 記号14760 番号06772101
 名称 サイガイエヌジーオー ユイ ユイ

【ゆうちょ銀行の口座以外からの方】
 ゆうちょ銀行   店名 四七八(読み ヨンナナハチ) 店番 478
 普通貯金 
 口座番号 0677210

どうぞよろしくお願いいたします。