Category Archives: 2020年

3112月/20

人吉の現状と課題【12月レポート】

11月が、課題整理とボランティアセンターの運営サポートだったのに対して
12月は実働の1カ月でした。
11月のレポートはこちら
11月下旬から長野でも活動してくれていたメンバーなどが参加してくれたので、いくつのも現場に対応することができました。

ボランティアセンターでは対応できない技術ニーズを、他のNPOにつなぐと同時に結チームでも引き受けた形です。
主には、天井・壁・床剥がしや水回り設備の撤去、そして寒さ対策など。

人吉市は、過去の被災地と比べても「在宅避難者」が多いように思います。
被災した自宅の修繕をする傍ら、自宅の2階などで住み続ける場合のことです。
お風呂やキッチンが使えなかったり、壁や床を剥がしているので隙間風がすごかったり、とにかく不便な状態で生活されていることが多くあります。

先日、現地調査でお話したとあるおじさん
被害が大きな地区に自宅があり、2階も浸水。
この方は、避難所も行かず、仮設にも住みたくないと言う。
自分の家に住みたいと。
夜は2階で寝て、昼間は温かい車の中やスーパーにいたりします。
1階の床は剥がしてしまったので、トイレにいくには、格子状になった木材の上を歩いていくしかない。

「昨日の深夜は寒くて、足が痛かった」
「石油ストーブはどんどん石油を使ってしまうので怖くて使えない」

訪問した当初は、応急修理制度を申請していないのでは、という疑惑もあり心配していました。後で確認するとどうやら、申請自体はクリアして修理を待っているようです。

今の蓄えを考えると、いくら60万弱がチャラになるとしても、その先の支払いができないため、見積もりも取らず、申請もせず、じっと毎日を過ごしているのでは・・・とも勘ぐっていました。
杞憂に終わりよかったのですが。
ただ、その修理はいつになるのか?はまだ不明です。
制度を使ってどこまで修理ができるのかも。

この方は生活保護ではないけれど、もともと余白の小さな生活をされていたのかもしれません。
災害によってその余白が本当に小さくなってしまったと見てとれました。

 

とりあえずの応急処置として、2階の階段周りに布などで仕切りを付けて冷気が上がらないようにしました。
夜トイレまで行くときに床下へ落っこちないように、動線確保のためにベニヤ板の仮をはりました。

避難所からの引っ越しのお手伝いも、何件かさせていただきました。

そのうちの1件では、引っ越し先の市営住宅近くにはスーパーがないケースでした。買い物は娘さんが学校帰りに、ほそぼそとされているそうです。
支え合いセンターの方が、買い物サービスを案内していましたが、注文してから届くのに一週間の時差があります。
お若い世帯ですが、家主さんの体調に波があり、お子さんに頼っているような気がしました。この先の生活がどうなっていくのか、心配なケースの一つです。

他にも
衛生面があまり気にならないのか、お風呂が使えないままでドライシャンプーで済ませている兄弟。
住人が全員施設に入っているので、誰も片付けを進められないおうち。
被災したため、低所得者向けのアパートが取り壊しになってしまうので、引越し先を見つけなければいけない人たち。
空き家。

 

いろいろな方の事情を聞いていると、生活に余白が少なかったり、抱えている問題が大きすぎると感じることが多々あります。
本当にギリギリの人ほど、救済制度を活用できないような状況にあったりするのかもしれません。

健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を、守れているのだろうか・・・

こうしたケースに出会うたびに、人吉ってもう大丈夫なんでしょ、とはどう考えても言えなくなる。

実は、人吉に支援に入った当初から、足腰の強い社会福祉協議会だなと感じていました。
被災地で災害ボランティアセンターを運営していくには、とても心強いことですが
逆に、地域の中で足腰が強くならざるをえない環境にあったのかもしれません。

もともと、福祉ニーズへの支援が必要とされていたのでは。
そして、今回の災害によってその福祉ニーズが大きくなると同時に、潜在的なニーズも現れたのではないでしょうか。

こうした課題を抱える方たちは、今後生活再建していくことができるのでしょうか。
仮設住宅はできたばっかりですが、二年はあっという間です。
今からそれぞれの自宅再建について多面的に支援できる体制を作っていく必要がありそうです。

この課題は、一朝一夕では解決できません。
当事者との関係性を作りながら、いろいろな支援制度やサービスにつなぐ。
公的なサポートが難しい部分を、いろいろな機関と連携して民間でサポートする。
まだまだ、いろいろな角度からのサポートが必要だと感じます。

 

地域支え合いセンター、災害ボランティアセンター、社協、行政、民間支援団体、自治会などの地域
1月からも、それぞれとの情報共有を促進しながら、必要なところに必要な支援をむすんでいく予定です。

11月のレポートはこちら

 

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どうぞよろしくお願いいたします。

2012月/20

長野県にて、コロナ対策事業【かりぐらしスタートプロジェクト】を始めました

春から、長野市でヒルトップ事業のお手伝いを始めています。

 

これは、昨年の台風19号被害とは直接関係ありませんが、過去にも書いたとおり住宅環境を整備して、災害時のシェルターやコロナ禍ですみかを失った人の支援と考えていました。
自分たちの勉強も兼ねて、内装整備のお手伝いなどで準備を進めていました。
その中で長野県社会福祉協議会さんから、新型コロナ対策事業のパートナーにというお話があり、現地でのコーディネートを担うことになりました。

 

【かりぐらしスタートプロジェクトについて】

住宅支援付き就労支援事業という名称ですが、硬いのでかりぐらしスタートプロジェクトと名前をつけています。
コロナ禍によって、今までの生活と価値観が変わりつつあります。オンラインミーティングの普及などで、都心部にいる重要性が下がってきたように思います。
同時に、非正規や不安定な雇用形態の人から、仕事や住まいを失ってしまう。

こうした動きは、新型コロナウイルスによってもたらされた、ある種の災害のようにも思います。そうした影響を受ける人を、どうにかサポートできないかと始めた事業です。

また長野市は、東京まで新幹線で2時間。
都心部とは言えないけれど、意外に各地へのアクセスが良い。中心部の繁華街と郊外の農業地帯が隣接していて、都会ぐらしから一歩外に出るには、ちょうどよいバランスでもあると思います。

ウインタースポーツのために冬に通う人もいたり、「長野」という土地への愛着がある人も少なくないはずです。
そんな良い条件の多い、ポテンシャルの高い土地だから、かりぐらしのスタートにもいいのでは、と考えています。

事業の中心は、長野市徳間に位置する団地の一角です。いくつかの部屋を活用しながら、新型コロナウイルスの影響によって住まいや仕事を奪われた人に、住まいを提供する予定です。そして長野市を中心とした北信エリアで、農家さんのお手伝いやバイトなどお仕事を紹介するコーディネートを担います。

長野市近郊では、りんごを筆頭に第一次産業が盛んです。有償で人手を求めているところがいくつもあります。そして、台風19号の被害を受けた長沼地区のりんご農家とは、緊急支援を通した関係性があります。その関係性を活用して復興支援も視野に入れながらの、職のコーディネートができないかという側面もあります。

もちろん、新型コロナウイルスの感染防止の必要があるため、該当者へのPCR検査など、予防面にも気を配りながら進めます。

 

【なぜ長野?】

なぜこの事業を長野でやるのか?と言われれば、間違いなく台風19号での関係があるからです。

農家さんと復旧作業を協働することにより、関係性が生まれたことや、復旧の延長線上でまだ人手を必要としているところがあります。
また、手が必要な先があるだけでなく、私たちを支えてくれる人たちもたくさんいるからでもあります。

お家を貸してくれる人、
畑を貸してくれる人、
りんごや漬物や差し入れをくれる人、
何か作業する時には手伝ってくれる人
りんごや畑について教えてくれる人

たくさんの人の支えがあるから、長野で継続的な活動ができるなと考えました。
そしてこの関係性ができたのは、あの目まぐるしい緊急支援の最中に、たくさんの人が、(結と関係ないところでも)長野に支援で関わったからだと思っています。

そうした意味でも、たくさんの人がつないだ関係性を、次に支援が必要な先へと結ぶ必要があるのでは、とも思います。

かりぐらしスタートプロジェクトは、2021年10月までを予定しています。
詳細や、お問い合わせはこちらから。
いろいろな形でご協力くださる方、かりぐらししてみたい方、募集中です。

お気軽にお問い合わせください。

0712月/20

人吉の現状と課題【11月レポート】

令和2年7月豪雨で大きな被害を受けた熊本県人吉市について、人吉市社会福祉協議会からの支援要請を受け、11月からスタッフ2名で支援活動を開始しました。

人吉市では、15,447世帯(2020年4月時点)のうち、19%にあたる2,936世帯が被災しました。球磨川流域の近隣市町村も被災し、例年の激甚災害と比べても被害が広範囲に及んでいます。

発災から5ヶ月が経過しました。災害による課題、コロナ禍による課題、さらには地域特有の課題が重なるなかで、復旧支援活動が進められています。

人吉市の現状と課題について、まとめました。

 

【公費解体】
被災した家屋について、市町村が所有者に代わって解体・撤去を行う制度です。各地で解体作業が始まっていますが、今後の生活再建に悩み、方向性を決めかねている方も多くいます。また解体予定の場合は、自宅をどこまで片付ければよいかが分からず、混乱する様子も見られます。行政や社会福祉協議会(災害ボランティアセンター)と連携して課題を整理し、解体前の家財の運び出しなど、住民のニーズを把握することが必要です。

【災害廃棄物】
災害直後に課題となっていた勝手仮置場は、多くの方の尽力により解消しました。11月からは、廃棄方法が回収型から持ち込み型に変更となったため、情報が伝わっていない場合もあります。円滑な廃棄のために、行政や処理業者、市内で活動するNPOなども含めての情報共有が必要です。

【農地復旧】
球磨川下流域の農地でも大きな被害が生じました。激甚災害に指定されたため、農地の復旧費用については、40万円以上の工事は国や自治体から補助があり、自己負担が数%となる見込みです。しかし、補助の対象外となる工事は自己負担です。そのような農地の復旧をどうするのか、地域の営みを守るための農地復旧支援を考えなければなりません。

【コミュニティの維持】
市内約40の自治会が被災をしています。多くの集会所が被害を受け、自治会単位で集まれる場所がありません。自分たちの地域をどうしていくのか?を考えて設計していくために、物理的に集まれる場が今すぐに必要です。

【在宅避難者への支援】
在宅避難者が多いというのが人吉市の特徴です。被災した2,936世帯のうち、熊本県により把握されている在宅避難は、935世帯と言われています。一方で、市内の仮設住宅や公営住宅は950世帯です。時間がたつごとに、世帯ごとの状況も変わります。支援が必要な世帯を見落としてはいないか、現状把握を続けていかなければいけません。

在宅避難者への支援として、避難所でのお弁当配布や入浴施設の開放などが継続して行われていますが、そうしたサービスを受けづらい方もいます。また、被災以前から生活が厳しい世帯もあり、自力での生活再建が難しい場合があります。地域の特性を踏まえて、支援メニューを整えなければなりません。

【寒さ対策】
人吉市は盆地で、冬の寒さが厳しい地域です。水害からの復旧途中にある家は、壁・床・断熱材などが取り除かれていることが多く、在宅避難者は、断熱機能の十分ではない家で生活をしています。本格的な冬を迎える前に、住環境を改善し、体調の悪化やヒートショック(急激な温度差によって体に及ぼされる悪影響)を防ぐためのサポートが急務です。

【関連機関との連携】
さまざまな機関(災害ボランティアセンターを運営する社会福祉協議会、災害支援経験のある支援団体、地元のボランティア団体、行政や自治会など)が復旧支援活動に関わっています。現場の混乱やトラブルを防ぎ、公式情報や一次情報に基づいた行動がとれるよう、定期的な情報共有の場を設けることが必要です。それぞれの機関の役割や特性を生かし、円滑な復旧支援活動を行うため、関連機関との連携が重要です。

 

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019月/20

発災から50日の現状報告

7月の大雨での被害発生から、50日以上が経過しています。被災地の情報の露出が減り、世間の関心が薄れていると感じています。

結としても福岡と大分で活動を進めていますが、コロナの影響もあり、関係各所との調整もあり、なかなか情報発信ができていませんでした。

災害発生から50日を超えて状況が変わっていく今、現地の活動と課題をまとめました。

現状の課題(地域によって大きく違うはずですが)

・人手不足…単なる作業の担い手だけでなく、現地で支援活動全般を運営する人が不足している
・技術ニーズ対応…支援団体の数が少なく、難しいニーズに対応できる人材がいない
・地域差…そもそも支援活動とコロナ対策の両立の仕方について、地域で差がある。方向性の違いによって、復旧活動の進み具合が違ったり、支援活動の質量が違っている。そのため受けられる支援の質・量共に違いが生じ、地域での差につながっている


今後の課題

・別の災害の危険性…台風被害など、他の地域で大きな災害が起きる可能性がある。そうなると、各地で活動を続けている支援団体が新たな被災地へ向かってしまい、さらに人手不足におちいる可能性がある
・活動の継続性…支援活動の継続には、いろいろな要素が必要です。人手や資金が続かず活動継続が難しくなる局面があるかもしれない


 

結としての活動の基本は、実際に我々が土砂撤去を担うような直接支援ではなく、現地で活動する地元団体の運営サポートや、技術支援という形の中間(関節)支援です。

普段から地元化を考えている活動が多いため、そもそもの活動スタイルと近いですが、外部からの支援者を制限する点では大きく変わります。

少数のメンバーを地域に固定して、現地の支援団体や組織をサポートする形を取っています。
具体的には、【物・人・ノウハウ】を提供しています。

 

・車両貸し出し


人吉市で活動する熊本学園大学へ、軽自動車を一台貸し出ししています。
じつは2012年の九州北部豪雨の支援の時からご縁があり、災害があれば連絡をとったり、活動を一緒にしたりしています。


今回はコロナ禍だからこそ、県内にいる大学生で現地の力になりたいという相談を受けました。大学のある熊本市内から人吉市までの移動や、現地での活動用に活用してもらっています。

 

・資機材貸し出し


ダクトファン、扇風機、水分計、ボードカッターなどを貸し出しています。
これは、久留米市社会福祉協議会や大牟田市社会福祉協議会、前述の熊本学園大学などからの要請に基づき、貸し出ししています。
我々も現地にはりつけないし、それぞれの団体も人手を集められないため、能率アップの機材を導入してもらっています。

・物資

他の支援団体や、企業からお預かりした支援物資を、現地に届けています。

 

・現地支援団体の運営サポート

スライドショーには JavaScript が必要です。

現地では大きくボランティアなどを募集できないため慢性的な人手不足に陥っている場面もあります。住民の方への配り物や声掛け、チラシづくりや留守番や、ちょっとしたことからお手伝いできるように、同じ人が一定期間サポートを続けるほうがいいと考えています。

大分県日田市で活動している、NPO法人リエラや天ヶ瀬温泉未来創造プロジェクトも、活動の担い手が足りない状況です。ボランティアセンターのサポートや日々の活動運営、イベント補助などを、伴走型でサポートしています。

 

 

・支援者食環境支援
猫の手も借りたいほどバタバタとする現場では、自分たちの食事は後回しになりがちです。すきま時間にコンビニおにぎりかインスタントラーメンというのがよくある光景。

しかし、栄養も偏るし、この連日の暑さではバテてしまうんじゃないかという心配もあります。
そこで、長野県などから送ってもらった野菜などを活用して、各地でふんばる支援者仲間に、栄養満点の食事を作って届ける活動をしています。

 

ノウハウ

・現場の復旧活動
現地で必要なのは、資機材だけではありません。その道具をどんな時にどう使うのか、または使わなくていいのかを判断すること、道具の取り扱い注意点など、情報が必要です。


これらはマニュアルにはなく、現地での経験を積んで得ていくしかありません。
だからこそ今回も、災害復旧への十分な知識がない状態から、独自で被災者支援ができるようにと、0→1の最初の一歩をサポートしています。
具体的には、災害ボランティアセンターの運営を担当する社会福祉協議会や、現地で活動する支援団体とOJTのようなことをしています。

どんな作業が必要か、一軒ずつ現地での調査に同行したり、現場での作業手順や道具の使い方を助言したりしています。一つひとつの細かな作業や手順を一緒に積み重ねて、実践力をつけてもらえればと考えています。

 

・講習会


支援者への技術支援も必要ですが、肝心の被災地域の住民への情報提供もおろそかにはできません。支援の手が少ないからこそ、災害復旧に必要な手順と気をつけるべきポイントを、住民一人ひとりに知ってもらい自助の力を広げてもらえればという狙いがあります。

久留米市社会福祉協議会や大牟田市社会福祉協議会の要請に基づき、コロナ感染対策のために少人数制で何度も開催しています。

 

・支援の方針についての助言提言


結の提供できるノウハウとして、現場での実践の他に、全体的な支援の組み立てや長期的な支援の見通しがあります。被災の状況に対してどんな支援が必要なのか、限られた人数でどこまで支援ができるのか、など現地の状況に合わせた仕組みや取り組みが必要ですが、こうした全体像を作るのは難しい作業でもあります。


過去に関わった被災地での事例を交えて、災害発生直後はもちろん、長期的な復旧復興に向けた話し合いにもアドバイスしています。

 

【連携団体】

熊本学園大学@人吉市
**クラウドファンディング実施中**
OPENJAPAN@球磨村
DRT-JAPAN@球磨村
久留米市災害ボランティアセンター
大牟田市災害ボランティアセンター
つないteおおむた
日田市災害ボランティアセンター
NPO法人リエラ
天ヶ瀬温泉未来創造プロジェクト
災害NPO旅商人

 

この活動は、日本財団の助成を受けて活動しています。

 

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257月/20

令和2年7月豪雨の対応について

今回の雨で被害にあわれた方にお見舞い申し上げます。また犠牲になられた方とそのご家族に、心からお悔やみ申し上げます。

まだまだ、大雨の影響が続いています。ヒヤヒヤしながら情報収集を続けていますが、この先被害が拡大しないこと、行方不明の方や避難されている方が一刻も早く、安全な場所に落ち着けるようにと切に願っています。

 

今回の災害、熊本県内で大きな被害が出た後も、依然として雨が続き、九州各地で被害が拡大しました。被害拡大が続き孤立状態がなかなか解消されない点が、近年の水害では稀なところです。
このため長期にわたって救助活動と復旧活動が同時に進められていました。

加えてコロナ禍の自然災害。
大変難しい局面が続いています。

災害NGO結では、7月4日の熊本県南部を中心に大きな被害が出てから、まずは遠隔で情報収集と整理をしてきました。

新型コロナウイルス拡大防止のため、結として積極的な被災地訪問はしておりません。

普段から連携するJVOADと情報共有をしながら、今までの災害で関わりがある九州地域の団体とコンタクトを取り続けました。

7月8日に、大分県日田市のNPO法人リエラから支援要請。被害が大きかった日田市天瀬地区の現地調査に同行しました。

7月9日には、福岡県の一般社団法人九州防災パートナーズから支援要請を受けました。福岡県内で、浸水被害があったエリアの現地調査に同行し、その後現地社会福祉協議会のサポートを始めています。

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コロナ禍での被災地支援。当初から考えていたように、積極的な支援は控えています。要請を受けた所に現地入りし、現地調査、課題の見極め、支援調整のサポートをしています。

少人数で現地入りしておりマンパワーに限りがあります。そのため、直接支援は行わず、現地に足りていないノウハウの提供をして、いつも通り0→1のサポートをしています。

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具体的には、現地社会福祉協議会の方に同行する形で、ニーズ調査に同行。一軒一軒、どんな活動が必要になるのかの見極めという、活動の一番基礎の部分をサポートしています。

またそれに伴って、判断に必要な水分計などの貸し出しも実施しています。

九州北部地域の課題は、復旧作業の知識が多くはないという点だと感じています。

被災慣れしている地域(久留米市は地域によっては3年で4回浸水)もそうでない地域も、特に床下のことについて、支援団体からレクチャーできることがあると感じました。

今までも各地で実施されたような、被災地域の方に向けた講習会が必要そうです。

 

畳の上げ方、床下のチェックの仕方、どこを見て判断すればいいか、壁の話、乾燥と消毒の重要性などなど。

必要に応じて、全国の支援チームをオンラインでつなぎ、三密や感染拡大を防止しながら実施できればと考えています。

地元の方をサポートし、力をつけてもらうことが、何よりだと考えています。
こうして毎年災害が起きたり、コロナ禍であればなおさら。
外部中心の支援ではなく、地元の力を活かせるような環境作りも必要だと思っています。

 

要請に応じてといえど、現地の活動に際して、新型コロナウイルスを拡散しないよう/感染しないように最大限警戒します。

・活動中はマスク着用、毎日の検温と体調の管理を徹底する
・三密と言われる状況を避ける
・現地での活動後2週間の体調を継続してチェックする。不調があった場合は速やかに事務局に申し出る
など。

 

また、台風19号の被害を受けた長野市での活動も継続しています。

スタッフ2〜3名が常駐し、ふらっと農園として、地域での畑づくりとそれを活用した地域の方とのコミュニケーション。
コロナ対策での居場所づくりとして、団地のリフォームの2本柱です。

ふらっと農園で収穫できた野菜は、九州へ発送しています。

近隣の畑の方からもおすそ分けをいただき、一緒に支援物資として支援する。
ちょっとだけ、食べきれない分だけ、負担のない程度でご協力いただいています。つい10カ月前に、同じく被災した方たちにも、小さなことだけど支援する側に加わっていただければという思いもあります。
被災地から被災地への支援は、それだけでも被災地への力になるとも信じて。

なんといっても、被災地が優先、被災地が主体、被災地のために。
九州地域にアンテナを張り巡らせ、地域からの要請にはできる限り応えていきます。
そのため安全に注意しながら進めていきます。

 

この活動は、日本財団の助成を受けて活動しています。



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296月/20

2019年度オンライン活動報告会(7/2更新)

2019年度の活動報告会をオンラインで実施します。

2019年度、災害NGO結が関わった被災各地をつなぐ報告会です。
佐賀、千葉、宮城、長野、で当時から現地の最前線で関わる人たちにお話を交えて、2019年度の災害を振り返ります。

参加はこちらから!

■ゲストスピーカー紹介■

鈴木隆太氏@おもやいボランティアセンター
佐賀県武雄市で民間ボランティアセンターの「おもやいボランティアセンター」の立ち上げ、地域住民と一緒に、被災者支援を実施。大半が半壊被害を受けた武雄市で、支援を続ける。

加納氏@ディープ・デモクラシー・センター
台風15号の広域被害へ対応するために「千葉南部災害支援センター」の立ち上げ、特徴的だった、屋根被害への対応基盤を整備。現在も支援団体の活動調整を続ける。

手代ちか氏@OPENJAPAN
台風19号で大規模な土砂災害が起きた宮城県丸森町から。一つの市町村では受け止められない規模の被害に対して、総合的な支援を実施。現在も重機系活動の調整やコミュニティ支援を続けている。

山崎博之氏@長野県社会福祉協議会
三者連携を担った県社会福祉協議会の立場から、ONENAGANOの紹介。大規模なボランティアセンターの運営や、外部支援団体との連携事例などを。

原亮章氏@災害NPO旅商人
普段は旅商人として、全国で移動販売をして美味しい珈琲を淹れている。2019年度は、被害が大きかった長野市長沼地区で支援コーディネートを実施。

千葉康彦氏@JVOAD
全国災害ボランティア支援団体ネットワークの事業部担当。災害発生時に、現地での支援活動が円滑に進むように、行政・社協・NPOの三者連携を促進し補完する。
佐賀、千葉、長野の各地での連携を振り返ります。

浅沼馨氏@DEF TOKYO
災害地で活動する技術系ボランティアのスキルアップを目標に2019年4月にDEFを発足させる。佐賀・千葉・長野・丸森それぞれで、現地で活動する支援団体を技術的にサポート。

*スピーカー追加の可能性もあります!
追加後随時HPに追記させていただきます。

 

上記の豪華ゲストとのお話を通して、緊急支援を振り返り、現地の今の姿を知る機会になればと思っています。
金曜夜の2時間、ちょっと長丁場ですが、お時間合えばぜひご参加ください。
途中参加、退席も可能です。

ご参加はこちらから!

参加人数の把握の関係で、事前登録いただいた方にURLをお送りする形をとっています。
お手数ですが、ご協力ください。

新しい試みで、不手際もあるかもしれませんが、沢山のご参加お待ちしています!

2019年度の活動報告についてはこちらから

126月/20

コロナ禍の活動計画について

5月に発表した、当面の活動方針の詳細をお知らせします。

大きくは3つ
・大規模災害発生時
・台風19号の中長期支援@長野
・新型コロナウイルスへで影響を受ける人への支援

◎大規模災害発生時

大規模災害発生時はJVOADや全国の行政、NPOセンター等からの要請に応じて被災地へ派遣します。

◯被災地全体の支援の仕組みづくり…代表のみの派遣、
◯大工作業や重機案件など…専門性のある少人数での派遣、
◯東日本大震災クラスの大規模災害…大人数での派遣、
◯物資・車両の支援
等、災害の規模や特性、状況に合わせて必要なサポートを実施します

基本的に、情報やノウハウ提供を支援の中心とします。

そして、できるだけ地元の行政や社会福祉協議会・NPO等の、被災地域にある力の最大化を目指します。地の力を強くして外部支援者に頼らなくていいように、中間支援(=支援者の支援)を中心に行います。

また現地にメンバーを派遣する可能性をふまえて、普段から備える必要があります。

新型コロナウイルスの状況(蔓延の状況、ワクチン開発等)を注視し、現段階から関係各所と情報共有をし、フェイスシールドやマスク等の備品準備も進めています。


 

◎台風19号における長野市での継続的支援活動

ふらっと農園

台風19号の被害が大きかった津野地区で、「ふらっと農園」と名付けたコミュニティースペースを作ります。

◯今年は休耕する農地をお借りして作物を栽培
→食料確保…県外で生活困窮者支援などをしている団体へ送付なども検討

◯コンテナを設置して屋外には休憩所を併設
→農機具のシェアと憩いの場づくり…水害によって倉庫や農機具等を失った方がたくさんいます。住民同士が協力しあえる素地を作ります。

◯多くの人を巻き込む
→地元の長老たちから野菜作りを教わる、子どもたちと農作物の収穫、大豆を栽培し地元の味噌屋さんに味噌づくりを教わる
毎日の畑作業や、イベントで、今まで関わりの少なかった人たちとも協働できればと考えています。

畑を通して、住民の方との「ふらっと」な助け合えるコミュニティサポートを行います。

 

 

中間支援

長野での支援活動が継続されていくように、引き続き地元支援者を支援します。

千曲川広域支援センター、ぬくぬく亭、津野復光隊、チームSHIRO等の地元支援者による活動を、外部支援者としてサポートします。

地元団体が継続的な支援を行えるよう、これまでの災害支援を通じてのノウハウの共有、地域内の情報の共有、住民の方の声とそれに対応し得る団体のマッチングなどを想定しています。

 

 

生活改善支援

被災された家屋等の生活環境改善に、継続して対応します。
ただし、長期的に過剰な支援を提供することは、被災地にとって良くないことでもあります。災害発生から8カ月ほど経過していることを踏まえて、支援しすぎないように気をつけています。

例えば、自分で修復する方のお手伝いとしてや、資機材の貸し出しのみなど、状況に合わせています。
ただ、個人の状況を見極めることがとても難しいため、社会福祉協議会や関係機関と相談しながら進めます。

 


 

新型コロナウイルスへの対応、と聞くと「災害NGO結」としての活動分野ではないと思われるかもしれません。

しかし、地球から生み出されるもので日常が一変する、という点では自然災害もウイルスも同じです。さらに、もともと生活のゆとりが少ない人ほど、大きな影響を受けている点も同じです。
そもそも災害は支援する一つのきっかけです。毎日の生活が困難な方への支援という意味では、結として活動する意味があると考えています。

 

◎新型コロナウイルスの影響を受ける方への支援

住環境支援

あるオーナーが所有するアパートの修繕、整備をサポートします。長野市内にあるもので、困窮世帯、シングルマザー、外国人、障がい者、若者等のコミュニティの場として整備したいというオーナーの想いに共感したからでもあります。

具体的には、室内の整備などを補助します。そしてこの整備を、新型コロナウイルスの影響により行き場のない学生や困窮世帯など住まいに困っている方に担ってもらう代わりに、アパートを格安で提供することで、スキルを学びながら暮らせるようなマッチング狙います。

 

さらに、大規模災害時にもシェルターとして活用できる予定です。

被災地に派遣された仲間の、帰還後の隔離場所として
長野市や周辺での災害発生時の避難場所として、など

さらに、季節によっては、津野地区にあるふらっと農園で収穫した野菜等を活用した食のサポートを行います。

 

農業×雇用

農業大国の長野県。農業に限らず、第一次産業は慢性的な人手不足状態にあります。その解決策の一つとして、季節労働者や海外の研修生の受け入れをしています。しかし今の状況では、海外からの人材の受け入れはもちろん、国内での人材確保も難しくなっています。

そこで、外部から来る人材をそんな農家さんにマッチングします。

例年、繁忙期を季節労働者に頼ってきた農家さんと、やることがなく経済的に厳しい人。上記のアパートで、隔離や移動を最小限に抑えることで感染拡大を防ぎながら、双方の生活を守れるよう支援します。

 

日々の活動風景は、引き続き災害NGO結のFacebookにて報告していきます。

015月/20

今年の活動について

新型コロナウイルスによって犠牲になられた方のご冥福をお祈り申し上げます。また、沢山の闘病中の方の早い回復と、先の見えない中今いる場所で踏ん張る沢山の方たちが一日でも早く「日常」を取り戻せるようにと願うばかりです。

そして、色々なものを犠牲にしながらもそれぞれの最前線で働かれている方々に感謝申し上げます。

昨今の新型コロナウイルス蔓延に際して、お知らせです。
災害NGO結は、今年自然災害が発生しても自主的には被災地へ向かわない予定です。

一人ひとりの命を守ること
そのために拡大させないこと
を優先します。

そして
・安全な活動を再開できるまでの最低限の生活ができる準備として、居場所や食料の確保
・被災地や現場の活動で使える資機材の貸し出し体制の構築
・地域からの要請に応じた専門家(災害支援)派遣
などを進めます。

現時点では、被災地に出向くことでウイルスを持ち込む、活動中に感染する等、感染拡大を防ぎ、現地で被災者・支援者両方の安全を確保しながら活動する手段がありません。また、ボランティア保険や労災など、色々な補償制度も適応されない可能性が高いため、何かあった場合の個人への負担が大きすぎます。複合災害の問題点についてはこちらから

自然災害が発生したら直ちに駆けつけたいと考える支援者も沢山いらっしゃるはずです。
災害ボランティアセンターが規模を縮小または、開設されない可能性もあります。そうなると益々、駆けつけなければと思う人もいるかもしれません。

実際に過去にも、安全が確保されていない場所にボランティアが向かうということがありました。ナホトカ号重油流出事故では、安全性が確保されていない状況下での活動によって死者も出ています。

しかし今回は、活動中に感染して命を落とすだけでなく、外部から持ち込んで被災地の方の命を危険に晒す可能性もあります。

緊急支援として我々が出来ることも多いかもしれませんが、それよりも命を守るための行動が優先されるべきだと考えます。
(我々の活動は、緊急支援であって救急救命ではありません)
明確な感染防止策や、治療法がない状況下では、今いる場所から大きく動き色々な人と会うリスクは相当なはずです。

出水期が目前に迫る今、それぞれが出来ることとやるべきことを考えてほしいのです。ちょっと冷静に一呼吸置いて、自分の担うべき役割を、何事も起こっていない今だから出来ることは何なのか。

今年私たちは被災地へ行くべきなのか。

ただ、そうは言っても、自然災害は毎年起きています。今年もどこかで(大なり小なり)住宅浸水や土砂災害や地震など、被害が発生するはずです。そのとき資機材だけでなく、現場のノウハウや他の被災地での経験に基づく知識が被災地にとって必要だとも感じています。

そのため、災害NGO結として自主的な活動は休止しつつ、被災地からの要請があった場合に限り、災害支援の専門家派遣という形で協力したいと考えています。もちろん出来得る限りの安全策を取った上で必要最小限の活動とします。

コロナ禍は、色々な常識や価値観が変わっていく一つのきっかけになりそうです。

日本は今まで幾度となく降り掛かってきた自然災害を、地域の助け合いの力を借りて乗り越えてきましたが、高齢化などで力が衰えてきた地域や都市部では地域だけでの解決が難しいため、ボランティアという仕組みが活用されています。
しかし、年々大規模化する災害は地域の力とボランティアだけの力で解決できるものではなくなってきています。

複合災害という事態も想定しなければならない今、ボランティアという個の集合体で形のない組織を活用する仕組みだけで良いのでしょうか。

ボランティアではなく災害支援の専門家が育ち、ボランティアとして無償ではなく公的な補償として被災地が支援を受けられることが望ましいのではないでしょうか。災害支援の現場でも、大きな仕組みで支えられるようなシステムを考えてほしいと思っています。

新型コロナウイルスについては分かっていないことも多く、ワクチンや特効薬などの整備がどれくらいかかるのか見通しが立てられません。日々変わる状況をしっかりチェックしながら、状況に合わせた活動を考えていきます。

大きな変更があった場合は、随時、HPやFBなどでお知らせしていきます。

124月/20

台風19号の被害から半年

台風19号が各地に大きな爪痕を残してから、半年が経ちました。

世間では新型コロナウイルスにまつわる話題で持ちきりですが、半年という節目は、被災地に目を向けるチャンスです。お時間に余裕がある方も多いかもしれません。ぜひ被災地のこと(4月14日/16日で熊本では地震からまる4年になります)を考えていただければ嬉しいです。

長野の半年目をレポートします。

長野の桜も、もう満開に近い状態です。例年よりは早めに季節がめぐっているようだと聞きます。

まだまだ寒暖差もありますが、4月に入って本格的に暖かくなってきたのも一因か、人気のほとんどなかった地域にも、ポツポツ作業をしている住民の方の姿が見えるようになってきました。

りんご農家さんにとっては、この時期は花がつく前の作業(剪定や消毒など)で忙しいようで、今までふらっとお邪魔して会えていた人たちも畑にいるようです。

農業ボランティアセンター・地元の農家チーム・業者などの連携によって、漂流物と土砂が山盛りだった農地は、ほとんど整備され、この次の収穫に向けて動き出しています。

新しいSS(果樹を消毒するための農機具)が動いている姿を見ることができ、とても嬉しい気持ちになりました。

ただ、「こんなに雪が降らない年はめずらしい」と地元の人もおっしゃるぐらい、今シーズンは暖冬だった影響が、この先どれくらい現れるのか、まだまだ気になることは沢山あります。

春からの困り事の一つに、りんごの受粉を担う蜂がいない、という問題がありました。蜂の受粉と人の受粉では見ただけで差が分かる、と言う人もいるほど蜂は農家さんにとって重要な存在。しかし豪雨で蜂たちが巣箱ごと濁流に流されてしまいました。

蜂たちに戻ってきてもらうために、すばこ大作戦というプロジェクトが始まっています。地元の農家さんや支援者が中心となって、巣箱作りと蜂の里子募集をしています。

里子募集を手伝う人がいたり、家の木材を提供してくれる人がいたり、組み立てるお手伝いをする人がいたり。プロジェクトの参加者も増え、着実に地元長野で問題解決する姿が見えてきています。

スライドショーには JavaScript が必要です。

地元の動きは、畑以外にも。毎週1回、定期的に地区の女子会を始めた所もあります。それぞれの避難先にバラバラに暮らしているため、日程を設定しないと顔を合わせられないですが、それでも地域のつながりを切らさないように、心が寂しくて落ち込んでしまわないように、間をつなぐ活動が住民さん主体で行われているのが良いなぁと思います。この動きは隣の地区にも広がりそうで、更にうれしい流れです。

こんな町にしたい、という理想を女子会でワイワイ持ち寄った結果。とても楽しそうな町です

3月の中頃には、それぞれの地域(特に長野市北部)で活動している団体が情報共有のために集まりました。

いつもは長沼・豊野の元の市町村で区切りがちですが、特色の違いを踏まえつつ、必要な支援をまとめられたらという考えです。これには、社協・地元NPO・新しく地元で生まれた団体・外部支援団体など、多様な顔ぶれが集まりました。可能であれば、定期的に地域の問題や課題を共有し、ニーズ・支援者・技術を共有できればと思います。

また、豊野地区は、ぬくぬく亭を中心として独自の情報共有を進めています。関わる団体たちの運営会議と、活動の中で見えてきた心配な人のケアを目的として、福祉関係の機関が集まるケース会議。

訪問だけではなく、そこから拾い上げた福祉ニーズを関係機関へつなぎ、必要に応じてボランティア派遣もしています。

それぞれの組織が主体的に関わって、良い雰囲気で運営されていると感じます。これだけ地元の組織たちが主体的にサロンを運営し、地域のニーズの受け皿になっているケースは、なかなかめずらしいのではとも思います。今までの地域との関係性が大きく影響していますが、他の地域でもこういった流れが生まれたらと思わずにはいられません。

 

 

公費解体などの制度が実施され始め、空き家や工事現場が目につくようになってきました。我々が関わったお家の解体が進むす様子を見ると、家主さんのお顔が分かるだけにちょっと淋しくなります。ちょっと関わったお家なだけで淋しく感じるのですから、ここで生活をしていた住民の方々のお気持ちはどれほどでしょうか。

 

公費解体の申込み期限は今の所、9月です。まだまだ家をどうするのか悩んでいるという方も多くいらっしゃいます。

もちろん、リフォームや再建も始まっています。新しいお部屋を嬉しそうに見せてくれる方や、まだリフォームどうしようか迷っているという方も。自宅の再建について、どんどん差が生まれてきて、焦る方もいるでしょう。

揺れる気持ちや、ここから新しく生まれていく再出発の動きを見守り、そばにいる存在が必要だと感じています。

長沼支所。もうすぐ仮支所が完成します

ただ、どの支援活動も、新型コロナウイルスの影響を大きく受けています。元々予定されていたイベントや炊き出し、サロンなど多岐にわたる活動が休止または延期になっています。災害ボランティアセンターも休止、我々も外部からの支援者受け入れ停止から、活動休止という形に警戒レベルを上げています。

ぬくぬく亭で神楽。三密を避けるために窓やドアはあっけぱなし

このまま支援がストップしてしまい、つながりが切れてしまえば精神的に厳しくなり、それが二次被害につながるのではと危惧しています。そんな心配から、豊野ぬくぬく亭では炊き出しは中止しつつも、最新の注意を払いながら個別訪問や集まる場の開場は継続しています。

地域の人たちから愛されている飲食店。復活するも、その先はどうなるのか、心配なことが沢山です

水害から復旧したイチゴ農家さん。例年はいちご狩りで賑わうハウスですが、コロナウイルスの影響で人影はなし。熟れるのをただ待つだけのいちごがたくさんありました。

また、自粛ムードが続いている影響で、被災後復旧した商店や農家さんでも客足が遠のいて影響を受けています。自然災害+新型コロナウイルスの影響。これは長野に限ったことだけではないでしょう。いつこの状況が変化するのか、見守るばかりです。

231月/20

発災から100日−移行期の長野

20日で、台風19号によって大きな被害を受けてから100日が経過しました。
長野市では7万人以上のボランティアが活動し、町は少しずつ元の姿を取り戻そうとしています。

しかし、現地はまだ復旧作業の最中。まだ雨が降ると詰まったままの側溝から水たまりができたり、業者の土砂撤去で大きなトラックが往来したり、被災地の光景があります。

 

 

濡れた家財を搬出や土砂の撤去などの、発災直後の人手を大量に必要とするピークは過ぎました。その代わり、業者や大工さんの修復作業を待つ間、できるだけ早く取り掛かれるように不要な部材の除去や、公費解体に伴って必要な家財の搬出など、今の時期だからこそ手助けが必要なところも沢山あります。

また、日々住民の方の気持ちも変わります。
自宅の再建について、解体するつもりだったが、建て直す見積書を見てリフォームに切り替えた人や、
みなし仮設で町中に住みだして、やっぱり住み慣れた地域が良いと同じ地域の別で家を探す人、
リフォームするつもりだったけれど、ご近所さんの状況や活用できる制度を考慮して解体を決めた人、
まだまだどちらにすればいいのか迷っている人など、その心の内は様々です。
今後の気持ちの変化によっても、また新しいニーズが生まれてくると思っています。

他にも、その人らしい暮らしを応援するために、必要な活動が出てくるかもしれません。例えば、公費解体を決めているけど、毎日そのお家に通っている人もいらっしゃいます。例えば解体して再建するまで日中の居場所として、倉庫の環境改善ができれば、長期的に地域を離れる孤独感は薄くなるかもしれません。

「やっぱりここの地区の空気を吸って生活したい」と話す人がいるように、やはり地域との繋がりを切らさずに、その人らしく安心して暮らせるような、細やかな対応が必要になってゆく時期です。

ちょうど、日々の復旧活動には、長野市内や近隣市町村からの参加者が増えつつあります。じっくり寄り添っていくには、それだけ長く関わることの出来る人=地元の人、の参加が大きな鍵になります。

だから、近くからの参加者と一緒に活動を続けながら、今後の長期的な体制を整える必要があると考えています。他の被災地への勉強研修や、支援者間でのワークショップなど、支援者のための講習会メニューを用意するなど、支援の仕方も変えていく時期かもしれません。

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