12月18日、静岡市清水区天王に「みんなの居場所ふらっと」がオープンしました。災害ボランティアの活動拠点にくわえて、地域の住民さんが集まる場所を目指します。被災地域の住民も支援者もふらっと立ち寄れる場を目標に、スタートしました。
ふらっとオープン日は、清水区ボランティアセンターの移転タイミングをこちらが意識したことも影響しています。被災地域の公園を借りて運営されていた、災害ボランティアセンターが、被災件数が多いエリアからすこし離れた駅前に移転したのが11月末。
ふらっとが位置する清水区天王は、浸水被害を受けたエリアのちょうど真ん中ぐらいにあります。地域の方に愛され、40年営業を続けたお菓子屋さんの店舗でした。しかし、被災をきっかけに閉店。 (秋月堂本店は被災を免れ、美味しいお菓子は静岡県内で購入できるのでぜひ)
実はこの店舗が、立地的にあつまる場にとても良いと、10月くらいから目をつけていました。お菓子屋さんの社長さんも、店舗のシャッターが閉まったままなのは心苦しかったので、と話されたそうで、お店側のご厚意に甘えて活用させてもらうことになりました。
県ボランティア協会などと話をして、まずはボランティアの活動拠点として確保する運びになりました。
集まる場が必要だと考えていたのは、静岡市の被災件数などをふまえてです。床上浸水4,462件(葵区600件、駿河区131件、清水区3,731件:静岡市、R412月28日時点)。水害の件数として大きな規模です。その中でも、清水区の件数が圧倒的に多い。
災害後の片付けをして、その先は自宅再建。水害にあった自宅をどう再建するのか(しないのか)、そこにはたくさんの救済制度や保険のこと、お財布事情や家の構造についてなど、判断にはたくさんの知識やノウハウが必要です。
数百万〜一千万規模のお金が動くことでもあり、判断はとても難しい。家庭の経済状態や考え方などで、復旧の進み具合にも大きな差が出てきます。
実際静岡市でも、年末までに修繕が終わり、お正月を自宅に戻って迎えられる人、まだ修繕中の人、3月以降にならないと工事が始まらない人、いったん掃除をしてキレイに見えるので修繕自体を迷っている人など、さまざまです。
だからこそ、いろいろな情報を共有したり、悩みをポロッとこぼせる場所が必要です。仲間がいて、支えてくれる場所があると知っているだけで、気持ちも楽になると思っています。
そうした背景から、あつまる場所がこうした時期にスタートしたのは、心強いことです。まだ、ふらっとという場所をどんな形の場所にするかは話し合いの最中でもあります。
同じく、被災地からはじまったあつまる場所のぬくぬく亭(長野市)などとも交流をつなぎながら、いろいろな可能性も示しつつ、地元の方を中心に進む先を見守りたいと思っています。
助言などと並行して、現場のニーズ対応へのサポートも続けています。
壁はがしや床はがしに加えて、寒さ対策なども実施しています。
工務店などの復旧工事が終わらない家も少なくありません。
前述のように、年明けにならないと・・という声はよく耳にします。その間の仮の床を設置したり、むき出しの壁をシートで覆ったり、マットやタイルカーペットを敷いたりしています。
見た目にはあまり上等ではありませんが、すこしでも寒さを感じにくくできればとしています。こうして少し踏み込んだサポートが関連死を防げると信じて。
もちろん、福祉ニーズなどの情報は、社協さんなどと共有しながら活動を進めています。
年明けには、被災された方の見守りを目的とした、地域支え合いセンターの設立の動きもあります。ここから長い復旧復興の道筋をサポートできるような体制づくりも今後必要になっていきます。