11月レポート

水害後、断水が続いていた地域も応急的な復旧がされはじめ、ライフラインはかなり落ち着いてきました。
(もちろん本復旧はまだまだだったり、道が通れないことでまだ行けない地域や停電と断水が続く地域もあります。)

命をつなぐための炊き出しフェーズは終わりになったと思っています。
そこで、炊き出しからサロンに切り替えて、小さな単位で集まる場を作っています。

こんなところまでボランティアが来てくれたの初めて
炊き出しは大きなところでやっているからもらいに行くのは遠かったりもあってできなかった
というおばあちゃんたちもいました。

小さな単位で開催することで、地域の方同士が集まって井戸端会議をする機会に。
あそこの家解体始まったって?
◯◯さん金沢から戻ってきたらしいよ
とか、地域の情報が共有されていました。

12月から本格的に寒くなりますが、できるだけ小さな単位での集まりができるといいなぁと思っています。

 

11月から輪島市災害たすけあいセンター(ボランティアセンター)のサテライトが増えました。
一度にたくさんのボランティアさんを受け入れたり、輪島市に直接来てもらうボランティアさんを確保するためです。
(今までは県が手配したボランティアバスのみでした)

サテライト増設に伴い、少しだけ運営のお手伝いも始めました。
災害から時間がたつごとに、職員の疲労も蓄積されるし、県外からの職員派遣も減少。
NPOで引き取れる範囲はできるだけ引き受けて、少しでもセンター運営が楽になればいいなと思っています。

サテライトから片道30分かかる南志見地区についても、結メンバーが1〜2名常駐し、たすけあいセンターのボランティアさんを受け入れしています。
被害が大きかった地域に、コーディネーターがはりついていることで、地域の細かいニーズを拾えたり、臨機応変な対応がしやすいのです。
小田屋・尊利寺など大きな被害の地域があるため、たくさんのボランティアさんが必要でしたが、少しずつ町がきれいになってきています。

ボランティアセンターではできない、重機対応や床下もぐりの土砂撤去も継続中です。
寒くなってきても、変わらずいろんなところからお手伝いに来てくださる方がいるので、こうしてNPOの活動も続けられています。

まだベタベタの床下にもぐって泥を撤去して、ブルブル震えながら帰って来るみなさんには感謝しかありません。
少しずつたくさんの方に関わってもらって、住民さんの笑顔を見ることができました。

 

 

雪が降る前に

ボランティアセンターや私たちの活動の合言葉は、
”雪が降る前に生活の中から泥をなくす”
雪が降る前に、どれだけ泥を撤去できるのかがポイントになると思って活動しています。

能登半島は12月に入ると雪がふりはじめると言われています。
泥の上に雪が積もってしまったら、2倍撤去しなくてはいけない。
雪が積もり始めたら、ボランティアが能登に来ること自体も難しくなります。

土砂を抱えたまま冬を過ごすのではなく、雪解け後すぐに復旧が進められるようにと思っています。
そして、その泥を撤去する範囲は、家の中や敷地内だけでなく、生活の中から。
地域の道や溝、個人で生きがいにしていた家庭菜園などからも土砂を撤去できればいいなと進めています。
生活の一部である畑。

災害後、いろいろな要因で畑ができなくなって(水害以前からでもありますが)、毎日やることがなくなって生活に張り合いがなくなった方や、体を動かさなくなって体力低下してしまった方などがいます。
一人ひとりが健康に復旧していくためにも、能登では生活に畑が欠かせないものだと感じています。

 

水害ニーズの対応だけでなく、少しずつ地震ニーズの対応も再開しています。

街の中ではまだまだ倒壊した建物が多いような印象を受けることもありますが、少しずつ解体は進行中。
公費解体に伴う荷物移動のニーズなども上がってきています。
地震後は立っていて大丈夫だった建物が水害後倒壊してしまい、倒壊した家の中に入って土砂を撤去しながら貴重品を探すニーズもありました。

 

この先に不安だと思っていることが、雪対策。

仮設住宅での雪かきはどうなるのか?など、随分と前から冬の体制については不安の声が聞こえていました。

地震後からの雪は、例年になく少なかったそうで
「あんなに雪がふらなかった冬は初めてだったかもしれない」
と地元の方が言っていたほど。
加えて、地震後に復旧対応で今よりもたくさんの業者や支援者がいたため、どうにか除雪ができていました。

地震前の、2023年の暮れにもすでに大雪で孤立した地域がある能登半島。
この冬は大雪との予報もあります。
大雪で再び孤立する地域が発生する可能性は高い。

山間部に在宅している方も少なくありません。
今から冬の対策をと声掛けしています。
孤立しそうな地域には、雪のお守りとして、水や食料などをセットした対策バッグを作ってお届けを始めています。