Category Archives: 災害支援

139月/19

九州北部豪雨−現場活動レポート9/8−9/12

8日の日曜日から、また佐賀県内での活動を再開しました。
大町町では、テクニカルネットワークを中心にボランティアの受け入れや現場への送り出しが進んでいる一方、武雄市では、災害ボランティアセンターの役割を補助する形で民間ボランティアセンターのおもやいボランティアセンターが立ち上がりました。

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災害NGO結では、8日から武雄市で立ち上がったおもやいボランティアセンターの運営のサポートをしています。
地元の有志と、外部から支援に入っているNPOなどでどうにか走り出したため、まだ運営体制が盤石とは言い難い状況です。

土日のボランティア受け入れは乗り切りましたが、この次の三連休の受け入れ体制を作る必要があります。9日からボランティアで来てくれたメンバー2名を中心に、まだ状況が把握できていない地域を訪問して、ニーズ調査をしています。

また、浸水被害のため、各地域で床剥がし、床下の土砂撤去、壁剥がし、消毒、などの技術支援が必要です。そもそも復旧作業にはどんな手順が必要なのか、どんなポイントに気をつけたら良いのかを伝えるために、テクニカルネットワークが中心となって、地元の方や支援者に向けて各地で講習会を始めています。

地元の方が多く顔を出している民間ボランティアセンター、今後も武雄市内での支援の中心になっていくと見ています。
結としては、このセンターの体制支援をして、2年後にもコミュニティ支援が可能なような流れを作れたらと考えています。そのために、訪問調査人員の確保や、サロン調整など、運営のためのサポートを続ける予定です。

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8月29日の活動レポート
8月30日の活動レポート
8月31日の活動レポート
9月1日の活動レポート
9月2日−5日の活動レポート

139月/19

九州北部豪雨−現場活動レポート9/2-9/5

色々な関係団体などとの協議の結果、大町町にテクニカルネットワークの活動拠点を設けることになりました。大町町災害ボランティアセンターのサテライトの役割を担いながら、市町村域を超えたエリアで、技術的な支援が必要なニーズに対応します。

このテクニカルネットワークは、今までの災害地で一緒に活動したことがある団体と構成し、災害NGO結としては、このチームの活動調整サポートや全体の運営支援をします。

4日には、関係する団体で話し合いの場を設け、ネットワークとしての連携や団体としての活動方針などを確認しました。

 

まちの様子

大町は浸水位が上下しながらも、3日あたりから水かさが減り、ようやく作業に入れるお宅もでてきました。それまで水位の関係でボランティアを送れなかったあるお家では、濡れた家財や家屋から匂いやカビが発生していました。4日からテクニカルチームとボランティアセンターのボランティアさんで協力し、家財の搬出や掃除をはじめることができました。

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ボランティアの送り出しと並行して、大町町で訪問活動もしました。「水害にあったときに必要なこと」の勉強会のチラシ配布と同時に、住民の方の生活の様子や、復旧作業へのアドバイスなどをしながら地域をまわりました。

大町でずっと浸水していたエリアだけに関わらず、冠水時間の少なかったエリアでもカビが発生しています。

8月29日の活動レポート
8月30日の活動レポート
8月31日の活動レポート
9月1日の活動レポート
9月2日−5日の活動レポート

029月/19

九州北部豪雨−現場活動レポート9/1

大町町の順天堂病院付近、一番浸水が長引いている地区に、今日からボランティアセンターからの派遣が始まりました。
NPOの連合チームとして、その派遣をサポートするため、関係団体と一緒にサテライト運営のお手伝いをさせていただきました。

派遣/受け入れ初日に加えて、サテライトとする地域の公民館の整備から。
腰の高さまで被災した公民館で、物品の仕分けをしながらスペースを作り現地でマッチングできる状態を作りました。

しかし、31日から活動が始まったボランティアセンターへの認知度があまり高くないこと、初めての週末でそれぞれのお家には親戚や同僚が沢山お手伝いに来てくれたことなどで、ニーズが上がりにくい状況でした。
それでも沢山のボランティアさんに現場へ行ってもらい、家財出しが進みました。
ボランティアが入っている如何に関わらず、大量の災害ゴミが搬出されていて、次はまたその処理が問題になります。

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ボランティアさんの送迎で現地を歩くと、まだまだ冠水した場所も目に付きます。
自宅に行くためには、まだどうやっても水に足をつけなければいけないお家もありました。そして、プカプカ浮かぶ白い吸着シート。

大勢の人員が投入されて油の除去が行われていますが、やはりその場に住む方は、不安な思いで見ていらっしゃいます。
また水道、電気は復旧しているところが多く、下水も汲み取り式がメインの地域のため、トイレ・風呂・キッチンがどうにか使えるお家もありました。そのため、避難所ではなく2階で生活されるいわゆる在宅避難者もいらっしゃいました。お家を訪問してお話を聞く度に、色んな課題を突きつけられる状況ですが、ちょっとでも不安材料が減るように、サポートを続ける予定です。

8月29日の活動レポート
8月30日の活動レポート
8月31日の活動レポート

019月/19

九州北部豪雨−現場調査レポート8/31

8月最後の31日。同時に、水が来てから初めての週末です。
朝から福岡市内で開催された、福岡県情報共有会議に出席しました。
福岡県内の支援団体が中心に集まりました。各地の被害状況の共有や、今後の対応について話し合いました。
2017年の朝倉市の土砂災害の印象が強いのか、今回の水害の復旧も、土砂の撤去が必要なのかと思っていた方もいらっしゃり、現場の状況のすり合わせができました。

 

31日から災害ボランティアセンターの活動が始まった地域もいくつかありました。
大町町でもボランティアが家財の搬出などを手伝い、復旧作業が進みました。
自衛隊などの協力もあり、大量の災害ゴミに、道が塞がれてしまうのではという懸念も回避できていました。
しかし、いまだにボタ山の斜面崩落が進んでいて、夕方には一部地域に避難指示が出されてしまいました。30日に一旦少なくなった避難者が戻ってきて、少し混乱していました。

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自衛隊の仮設風呂が設置されたり、ダンボールベッドやマットが導入されたりし、生活環境が改善されているものの、人数が増えたことで避難所のキャパオーバーなど全体的に気になります。
水害の復旧に加えて、油の流出への対応(農業などへの影響も含めて)、斜面の崩落、以前からの地域性などの問題。もともと小さな行政単位の町には、少し重たすぎる課題量かもしれないと考えています。
その点を踏まえた多角的な支援を心がける必要がありそうです。

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夜は、また佐賀市内で佐賀県で活動するNPO等が集まる会議に出席してきました。
各地の被災状況、支援の状況などを確認し、粗方の被害規模が把握できたと考えます。
今回の被害規模は、佐賀県・福岡県、合計で床上浸水1,000軒に満たないでしょう。
一部土砂が崩れた、油の対応がありますが、基本的には一番シンプルな浸水被害で泥も少ない傾向が強い。
土砂がないので人海戦術は必要なく、全国規模での一般ボランティアの募集の必要性は低いです。ただ、床剥がし、床下の対応、壁の対応など大工プロボノに関しては、多すぎることはなく、全国に声をかけるべきでしょう。複数の隣接する市町村が被災しているので、行政単位に関わらず調整するような柔軟な動きが求められかす。
また、外部からのプロボノ支援は長期的に活動を望めるものではないため、早い段階でノウハウを地元に移行し、活動・調整共に九州の組織やネットワークが担えるようになることが最も良いと考えています。

以上の見立てをもって、JVOADと連携した先遣チームの一区切りとします。
1日からは、一度佐賀県内のボランティアセンターの動向を確認しつつ、プロボノ活動調整サポートなどを実施する予定です。

 

8月29日の活動レポート
8月30日の活動レポート

318月/19

九州北部豪雨−現場調査レポート8/30

30日は朝から、朝倉市の避難所になっていたらくゆう館へ。その日の朝まで20人が避難していたそうです。
2017年7月の九州北部豪雨から2年以上が経ちますが、こうして度々避難しなければならないことを聞くと、あの時の被災がずっと続いているなと感じます。

杷木ベースとリエラのメンバーと合流し、一緒に広川町社会福祉協議会・八女市社会福祉協議会・筑後市社会福祉協議会・久留米市社会福祉協議会へ。
社協の施設が被災してしまった所や、社協スタッフが既に被災したお家の作業に入っているところ、31日から災害ボランティアセンターを始めるところなど、状況はまちまちでした。

幸い、どこも大混乱に陥るような被害にはなっていない様子でした。そもそも何度も浸水被害にあっている地域は、水害に慣れているから大丈夫という意見もありました。
ただ、まだ被害の全体が分かっていない所があったり、久留米市のように去年と先月も浸水して2年で3回被害があったりと、決して軽い被害ではありません。大きかろうが小さかろうが、被災した方にとっては大きな問題であり、修繕にお金がかかるのという事実は変わりません。

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また、同時に被害を受けている佐賀県内への注目度が高いため、時間が経つにつれて支援者の確保が余計に難しくなる可能性もあります。
福岡県内や九州地方同士で、情報共有や活動の際の連携ができれば、今後九州での底力をつける機会になるとも考えています。

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そして、各地で得た情報を、関係性のある支援団体たちと共有しました。
各地の状況、住民の方の様子、問題点やこれからの懸念点などを議論しました。これらの情報や課題はまた31日からの活動で役に立てたり、解決したりしていきます。

31日は、佐賀県内でいくつか災害ボランティアセンターが始まるので、その様子を確認したり、情報共有会議に出たりと福岡県・佐賀県の両方で活動する予定です。

 

調査レポート8/29はこちら

308月/19

九州北部豪雨−現場調査レポート8/29

 

朝から佐賀県入りし、被害が大きいと予想された武雄市と大町町へ向かいました。
最初に向かった武雄市朝日町地区では、早朝から住民が自宅の片付けを始めていました。道路は泥でベチャベチャになっていて、その泥を敷地外に掻き出す作業が目に付きました。
しかし、まだ動かなくなった大型トラックや乗用車が多く交通渋滞が起きる様子も。

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その後、大町町へ移動し、油が流れ出た現場へ。
近くはまだ道路の冠水があり、幹線道路が通行止めに。ここでも渋滞がおきていました。
車では進めないので歩いて孤立している病院が見える場所まで行き、近くの方にもお話を聞いてきました。

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油の撤去作業に合わせて、排水を進めている様子で、孤立解消には時間がかかる可能性もありそうでした。また油への十分な知識が不足しているため(作業をしている人も近隣の住民も)、その辺りの情報共有が必要です。

油の詳細情報と、対策案をJVOADなどの関係団体に問い合わせながら
大分県のリエラ杷木ベースのメンバーたちと合流し、3つに分かれて武雄市と大町町の避難所の様子を調査しました。

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それぞれの現地の情報をまとめて、夕方からは佐賀県内にいる支援者の情報共有の会議に出席。県内各地の情報を確認しました。

その後は、関係団体のレスキューアシストOPENJAPAN、などとも合流し、明日30日の動きを確認。まだ確認ができていない佐賀県内の市町村や、福岡県内の被災地域の情報収集を行う予定でまとまりました。

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また30日以降もレポートしていく予定です。

298月/19

佐賀県内での情報収集を始めました

九州北部地方の豪雨において、被害にあわれた方々に心よりお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方々とご遺族に深くお悔やみを申し上げます。

災害NGO結として、まずは現地の状況と情報収集のために29日朝から、佐賀県武雄市へ入りました。
今回も、山形県沖の地震における調査のように、JVOADと連携して活動します。
まだ、孤立が続いていたり、道路冠水で通行不可能な場所も多いなど、注意が必要ですが、安全に配慮しながら情報収集します。

現地の様子は、FacebookTwitterなどでも発信していきますので、あわせてご確認ください。

8月29日の活動レポート
8月30日の活動レポート
8月31日の活動レポート

057月/19

九州南部豪雨調査レポート

九州南部豪雨 初動レポート

今回の九州南部を中心とする豪雨で、犠牲になられた方に心よりご冥福をお祈りします。また、被害にあわれた方に心よりお見舞い申し上げます。
2019年6月30日頃から九州南部に集中して振った雨を警戒し、7月2日から4日にかけて、現地で被害調査をしました。その詳細をまとめたレポートです。


①九州南部を中心に停滞している梅雨前線に湿った空気が流れ込み、まとまった雨が予想される
②梅雨前線が長い期間停滞する予報で、長期的にまとまった雨が集中して降る可能性がある
③桜島や阿蘇山など火山が近く、火山灰のシラス台地という地質が、まとまった雨には弱く、過去にも大規模な災害発生している

以上の状況を踏まえ、特に鹿児島県や宮崎県で大規模な災害が発生する可能性が高いと判断しました。
また、2016年の熊本地震から活動するKVOAD、7月5日で発災から丸二年を迎える福岡県朝倉市の杷木ベースなど、九州には関わりのある団体が多く、
(1)雨の状況の確認や「もし何かあった場合」の体制などを確認すること
(2)7月7日に愛媛県宇和島市で、西日本豪雨から丸一年の慰霊式典に出席予定であること
など、様々な用事やスケジュールを踏まえて、7月2日に九州入りしました。

 

【事前調査】


まずは福岡県朝倉市杷木に向かい、現地の様子をチェック。2017年の豪雨で土砂流出が起こりやすくなっているため、現地で活動を続ける杷木ベースで状況を聞きました。幸いまとまった雨が振っていなかったので、大きな被害もでておらず。今後の気象状況に注意を向けるように伝え、熊本県へ向かいました。

ちょうど火の国会議(熊本地震発生後から毎週開催されている支援者のための情報共有会議)が開催されていたので、出席。熊本地震からの復興支援で現在課題になっていることなどを聞いた後、3日〜4日にかけて降ると予想されていた雨について、参加者と協議。熊本県内では人吉や水俣など南部で水害が起きやすいという点などを確認。2日までの雨で冠水していた益城町の状況なども聞きました。また地元支援者から、鹿児島県や宮崎県の支援者の情報などをヒアリングしました。

 

【現地調査】

雨の様子を見ながら、南下し、鹿児島県に入ったところで待機。雨のピークが過ぎた4日朝までの情報で
・南さつま市の万之瀬川の決壊
・霧島市の住宅冠水
・宮崎県都城市
・2年前に被害を受けた垂水市
・雨が多かった大隅半島
などが気になったので、霧島市内で冠水したと報道があった地区から調査を始めました。

しかし、該当のエリアでは住民が家で片付けを進めるような姿もなく、落ち着いた様子でした。
霧島市内では、山肌が露出している箇所が点在していました。小規模のものが多く、民家や建物へ被害を及ぼしているものは多くはない印象です。また、1日から降り続いた雨によるものもあり、すでに復旧作業が進められている場所もいくつかありました。
河川の状況も、普段からは大幅に増水していましたが、はん濫危険水位から下がり、このまま順調に水位が下がっていくと予想ができました。
ただ、川の水は真っ茶色に濁っており、川の中にも砂などが堆積していました。それぞれの山からの土砂流出が少なくなかったと想像できます。

南さつま市については、メディアからドローンの映像が発表されていたこと、田畑が主で住家への被害は少ないと判断したため、今回は現地まで足をのばしての調査を見送りました。

 

【結果として】

今回4日朝までの降雨による被害は、現段階ではあまり大きくは現れていないと考えます。今までにない雨量を考えると、大きな被害が最小限に抑えられたと感じます。
しかし2017年に九州北部豪雨の被害を受けた日田市では、雨が止んだ翌日に大規模な地すべりが発生するなど、降雨のタイミングとはずれて被害が発生することもあります。まだ地中に含まれる水分も多く、崩れやすくなっていることから地震などへの注意も必要です。
更に、来週以降に再びまとまった雨が降るという予報もあり、それまでにどれくらい山や土地が落ち着いているか分かりません。
予断を許さない状況は続いていると考えたほうが良いでしょう。今後も特に九州南部の気象状況に注意したいと思います。

 

**2018年度の活動報告はこちらから**

216月/19

新潟・山形地震調査レポート

2019/06/21災害NGO結

18日に発生した地震の情報を受けて、災害NGO結として、またJVOADの先遣隊として現地で情報収集を行ってきました。結果として今回は、収集した情報を行政や地元団体に伝え、問題点や今後の課題などを整理するという役目になりました。
今回の調査で見えたこと、結として課題だと思うことをまとめました。レポート内の被害数値などは目視による大まかな数です。また、いずれの情報も、発災から2日で分かった情報です。被災地では毎日状況が変わるため、このレポートの内容も状況に沿ったものではなくなる場合もありますことをご理解ください。

19日の朝に現地入りし、揺れの大きかった新潟県村上市、山形県鶴岡市の地域を回って調査しました。被害の件数と規模から考えて、大変かもしれませんが地域の資源(行政、制度、業者、社協など)でカバーできる範囲だと判断しました。その後、村上市・鶴岡市の社会福祉協議会などと、復旧対応の確認をしました。

また、避難所については、発災当初は数百人規模の避難者がいましたが、翌日からは多くて30人ほど、2日目が終わる頃にはほぼゼロの状態に落ち着きました。倒壊した家屋もほとんどなく、家に帰ることが可能で、物理的に避難が必要な人がほとんどいないことが要因と考えられます。今後の継続した心理的ケアは必要ですが、一旦避難所という形は解消されました。

以上の現地の被害状況・現地の対応状況を総合的に見て、災害NGO結としては外部からの支援は必要ないと判断しました。

屋根の被害は大小含めて200件ほどだと見積もりますが、これは極端に言えば、外部から経験のある支援団体を呼んで対応ができうる数でもあると考えます。
しかし大阪や熊本の地震被害で、1〜2年後でも何度も張替え案件が出てくるように、今回も対応が長期化する可能性があります。今全ての被害があった屋根にブルーシートを張るのは可能かもしれませんが、ほとんどの外部団体は張替えなど長期的な対応は難しいはずです。
(梅雨入りしたこの時期に、どこまで一つの被災地に関われるのかも見通しが立ちません)

以上の理由から、屋根の応急手当は現状対応を進めている地元業者にお任せし、中途半端に外部から手を出さないほうが良いのではないかと考えました。

外部支援でお手伝いすることは簡単ですが、それが地元の力を削ぐことにつながってしまうことを懸念します。数日だけ外部から応急手当が入るより、本復旧に向けて行政の制度を拡充したり、ブルーシート張りの仕組みが地元で作られるほうが、長期的な目で見て、地域のためになると判断しました。
ただ、張り方の細かい点は、NPOの方が経験を蓄積しているので、ノウハウ提供という形で協力できるということを提案しています。

発災からの動きや現地の状況、被害が小さかったからこその問題点など今後の課題などは以下にまとめます。


現地の状況

・新潟県村上市山北地域と隣接する山形県鶴岡市温海地域で被害が見られた
・主に沿岸部の集落で被害が見られ、山間部からは被害の報告なし
・被害の殆どは、屋根の瓦がズレたり落下したりという一部損壊判定に相当するもの。家屋の倒壊などの被害は見られなかった。
・両県合わせて屋根の被害件数は、緊急対応が必要ないような被害を含めて、150〜200軒ほど
・翌日から複数の地元業者がブルーシートを張る応急対応を行っていた。しかしブルーシートの種類(厚み)や張り方など、長く保たせるためのノウハウはない。雨の中の作業がされていたように、安全管理の面でも改善できる点がある。
・家の中の家財の転倒なども、殆どの場合は近隣の助け合いや親類感での助け合いなどで解決している様子

 

気づいた課題

・被害件数が少ないため、災害救助法が適応されない見込み。このため、避難所運営費用や復旧にかかる費用などの国庫からの支援がなく、市の独自予算で対応しなくてはいけない。
・被災者再建支援法など、個人への資金的手当制度がないため、屋根の修復や敷地内の被害など、完全に自力での復旧が求められる。
・ブルーシート張りが進んでいるが、応急手当でしかなく、今後張替えや本修理までの長期的な目線で考えている人が少ない。
・温泉街で、源泉からの配湯が地震の影響でストップしていた。一時営業ができない状況になるなど、観光地への打撃があった。すぐに完全復旧とはいかないため、集客に影響が出る可能性が高い。また、その他県内で被災がない地域でも地震の影響で客足が遠のくなど、今後の産業被害については注目しておく必要がある。
・今回の被害は、新潟県と山形県に跨った被害だが、地域が隣接していて、コニュニティの中に県境があるような状況。行政の支援の格差によってコミュニティが分断されないように、それぞれの温度を合わせるという配慮が必要になる。

今回の調査、災害NGO結の動き

18日22時22分の発災情報を受けて、関係団体と連絡を取り合う
19日0時 バイクなど準備品を揃えて滋賀を出発
19日7時 新潟県村上市入り
19日8時半 府屋地区など被害があった地域の調査開始
19日11時 新潟県内の被害を粗方確認、山形に調査で入ったOPENJAPAN、新潟市と村上市南部の被害を確認していたレスキューアシストと合流して簡単な打ち合わせ
19日13時 村上市内で、新潟県協、新潟災害支援ネットワークと合流、打ち合わせ
19日15時 山形県鶴岡市内で山形県社協、鶴岡市社協、鶴岡市所担当と打ち合わせ
19日17時 村上市内でJVOADスタッフと合流、JVOAD、OPENJAPAN、レスキューアシストと打ち合わせ
19日18時 村上市内で新潟県社協、村上社協、新潟災害支援ネットワークと打ち合わせ
19日20時 JVOAD東京事務所などとネット会議
******
20日8時 鶴岡市内の液状化被害の確認
20日9時 鶴岡市由良地区、温海地区の調査、大岩川、小岩川の調査(再)
20日15時 村上市内で打ち合わせ
20日16時 鶴岡市内で社協、JVOAD、OJと打ち合わせ
20日18時 JVOAD東京事務所とネット会議

196月/19

新潟県で情報収集を始めました(6/19、11:30追記)

 

スライドショーには JavaScript が必要です。

昨夜6月18日22時22分に発生した地震について、被害にあわれた皆さまに心からお見舞い申し上げます。今後の余震など更に大きな揺れなどが起きたり、被害が拡大しないようにと願うばかりです。
災害NGO結では、地震発生の知らせを受けて、情報収集のため震源地の新潟県山形県に向けて出発しました。

6月19日の朝から新潟県に入り、JVOADと連携しながら情報収集を始めています。
被害の発生は震度だけでは測れないため、今後の支援がどれくらい必要なのかは、現地での調査を踏まえた上で判断するべきだと考えています。
そのための調査として現地入りしたところです。
余震や2次被害の可能性を踏まえ、安全第一で活動します。
今後、HPやfacebookなどで情報発信していきます。

被害が大きかった県境の地区でも、全壊など大きく倒壊している家屋はみられません。また水道や電気は、機器に破損がなければ問題なく使えている状態です。新潟市などの近隣市町村はもちろん、被災地域内でもコンビニや商店ガソリンスタンドなどの営業がされています。必要なものは十分手に入ると考えて良いと感じます。

必要な支援は何か、落ち着いて考えていただければと思います。