寒波の影響もあり、九州でも寒さが厳しかった1月。公費解体が始まり、空地も目にするようになりました。
【災害VC運営支援】
1月14日に熊本県独自の緊急事態宣言が発令され、人吉市災害ボランティアセンターの活動も中止になりました。そのような中、PBV(ピースボート災害支援センター)のメンバーと連携し、ニーズの整理や資機材の片付け、緊急的な案件の対応を行いました。
ニーズの整理にも取りかかりました。
一般のボランティアでは対応が難し案件、災害VCでは対応外(庭や倉庫など)の案件も多かったため、一般ボランティアの案件とNPOが対応する案件(Nニーズ)に分けて整理するよう提案し、運用しています。
【コミュニティ支援】
被災者のくらしの再建と同時に、地域の再生も重要な支援です。コミュニティの維持や再構築のために、集会所の仮復旧作業を始めています。
地域コミュニティが再生されることで、被災者、特に在宅避難者の情報収集の機会となり、広い意味で被災者のくらしの再建に大きくつながると感じています。
1月に入ってから、地域の集会所やコミュニティスペースに、壁や床をはって使えるようにしています。
現在人吉市内7カ所の仮復旧について相談をしています。そのうち、一つは完成しました。
他の案件に関しても、同じく集会所に対して支援をしているPBVやアーキレスキューなどと、連携を取りながら進めます。
もちろん社会福祉協議会、市の地域コミュニティ課など、さまざまな関係団体とも情報共有しながら、多面的にサポートしていきます。
【生活再建支援】
「二階で生活していて寒い空気が上がって来る」「床が寒くてどうしようもない」など、窓が無かったり、断熱材が入っていなかったりと寒さの厳しい中で生活している在宅避難者が多くいます。
支援物資で預かっているマットやプチプチなどを使用して、寒さ対策を行っています。
また、仮設住宅を訪問している支えあいセンターから「入り口や台所に手すりを付けて欲しい」「段ボールをテーブルにして食事をしている家庭がある」と相談があり、手すりを設置したり、物資支援を行っている団体からテーブルを預かりお渡ししました。
【NPOのネットワーク構築】
組織の連携を強め、息の長い活動に対応できるよう、家屋系支援・農地支援・コミュニティ支援のジャンルごとに行う連携会議を提案し始めています。
例えば、家屋に関する案件に対応するメンバー(友救の会、め組、支援チーム、PBV、OPEN JAPAN、災害NGO結)で、毎週木曜日に災害VCで顔を合わせて集まり、活動の進捗の確認や新規ニーズの調整を行っています。
車両や資機材のシェアをすることで、お互いのできる活動の幅が広がり、災害廃棄物の回収などがスムーズになります。
【農地支援】
以前から農業振興課と連絡を取りながら、被災した農地の現地調査、農地に流れ込んだ流木の撤去、重機案件の調整などを行ってきました。
1月に入り、KVOADの呼びかけに答えて、熊本YMCAの学生が参加してくれました。
農地ボランティアの受け入れ調整を行い、今回は学生のマンパワーということで、マルチビニールの回収のお手伝いを一日してもらいました。
重機案件などまだまだニーズがあるので、今後も調整・対応する予定です。
【中間支援団体(JVOADとKVOAD)との連携】
人吉の現地にいるからこそ見えてきた課題や情報を、少し離れた熊本市内のKVOADや東京のJVOADと定期的なミーティングで共有しています。
復旧が進む現地では、ボランティア作業に関することだけではなく、いろいろな課題が発生します。
公費解体や農地復旧、仮設住宅、集会場の復旧などさまざまな観点において、行政や外部企業、過去の被災地の事例など、外からの情報も必要になります。
今後も定期的にミーティングしながら、現地の情報を伝えるつもりでいます。
2月以降の予定
・研修会などの実施:地元人吉球磨の支援者の発掘
・YouTubeチャンネルの開設など:被災地の今を伝えるため、情報発信の強化
・企業・団体の受け入れ体制強化:ネットワーク構築により長期支援を可能に
・各団体の連携の強化(情報共有と役割の確認)
・災害VCの着地点や方向性の整理