台風15号の影響により各地で被害が発生。特に被害が集中している静岡県のNPOから要請があり緊急支援を開始しました。
被害の特徴
点在
静岡県内の約半分にあたる15市町村に被害が出ています。各地で河川に沿った地域の浸水被害や、山間部や沢沿いで土砂崩れが多数発生、それが県内各地に点在しています。
災害発生の9月23日から時間がたつにつれて、あちこちの被害が明らかになってきています。しかし、10月15日現在も、被害の全容がつかめているとは言えません。
被害が点在、それだけで支援の組み立てが難しくなっています。
現地の課題
情報不足
台風15号の被害について、全国のニュースなどではほとんど放送されていないように感じています。災害に関わる報道も清水区の断水が中心になり、県内各地の家屋被害などにはあまりスポットがあたらなかったのでは。
報道のしかたが世間からの関心度を大きく左右する場合もあります。関心が集まると、ボランティアも義援金も集まります。
被害件数とニーズ数の大きな差
地域によっては、被災された方が自宅復旧に向けて何をしたらいいのかの情報が不足しているところがあります。何をしていいのかが分からなければ、ボランティアセンターへのニーズもあがってきません。
「床下の泥」についての心配の声はありますが、「壁」や「断熱材」について知らない方もまだたくさんおられます。
災害後1〜2ヶ月の支援団体がたくさん集まる時期にニーズを上げておかないと、対応にこまることもあります。
訪問調査や住民への家屋再建説明会、サロンで声を拾う場を設けるなど、いろいろな方法で情報を届けて、現地のニーズを拾い上げる必要があります。
在宅避難
早期に避難所が閉鎖され、被災した家屋で生活を続ける人が圧倒的に多数を占めています。一番被害件数が多い静岡市内でも避難所は現在閉鎖されてありません。
給湯器が壊れて長い間お風呂に入れなかった、家の片付けが忙しくて食事を作る気力がわかないなどの声が聞こえます。濡れた畳の上で生活を続けていた人がいたり、寝具が流されたので床の上で寝ている高齢者がいたりと、大変なケースがいくつも共有されています。
困っている人が全員避難所にいれば、把握も情報提供も簡単ですが、自宅に戻ってしまっているので見えにくくなっています。
丁寧な情報提供と状態の把握、個別の対応が求められています。
寒さ対策・生活環境改善
家屋復旧の過程では、浸水した部分の壁や床(とその中にある断熱材)を撤去します。壁や床がない状態では、外気の流入で室内温度が下がってしまいます。
関連死を減らしたり、二次災害を減らすためにも、壁や床に仮貼りするなど、応急対応が必要だと見ています。今から大工さんをお願いしても、来年になってしまうという話も聞こえてきました。
技術ニーズで壁や床をはがすと同時に、はがしたところへのサポートも必要そうです。
結の活動
静岡県ボランティア本部からの要請を受けて、県域の情報収集と支援団体との情報交換、静岡市清水区・葵区それぞれの技術ニーズ調整などに関わっています。
当初、葵区の災害ボランティア受け入れ体制が弱かったので、補強する形で活動しました。重機支援ができる団体などを呼び込みながら、NPOが活動できる体制づくりを進めました。
結としても、県外からの技術支援チームを受け入れして、技術ニーズに対応しています。
特に発災から2週間を経過した清水区では、被害研修が多いにも関わらず、ニーズが予想以上に上がってこない状況もあり、課題が深刻と捉え、1週間ほど前から活動のウエイトを清水区に置き換え、運営支援、技術系ボランティアの調整、連携体制を整える活動に力を入れています。