8月レポート

私たちが預かっているニーズは大体、10〜20件くらいです。
毎日少しずつ対応していますが、全体のニーズボリュームは変わりません。
公費解体にともなって家の片付けが必要になったり、家財の搬出が必要になったりと、いろいろなケースで新たに相談があります。
今回の石川県での公費解体は、ブロック塀が対象外です。公費解体後に残されたブロック塀ニーズが増えるのかも、と見ています。

一方、台風による豪雨で被害が発生した山形県などへの対応に、能登半島で活動している支援団体が動いています。
地震から時間が経過して、ずっと張り付いて活動していた団体も少しずつ活動終了せざるを得ないケースも。
支援の手が全体的に少なくなる傾向にあります。

こうして支援団体が少なくなる分、広域支援ベースとしてできるだけカバーできればいいなと思っています。
しかし、屋根上の活動など技術的に難しい部分もあります。

雨漏りを防止の屋根へブルーシート貼り活動が続いていますが、奥能登で対応できる支援団体は限られています。
・コミサポひろしま(輪島市)
・Bダッシュ(輪島市)
・レスキューアシスト(珠洲市)
・チームふじさん(珠洲市)
・愛知人(珠洲市)
・リユースエイドテック(志賀町・輪島)
など。

雨漏りを防ぐために応急的に屋根へブルーシート張る。
春までは「緊急修理制度」で5万円までの枠組みの中で、業者に依頼することができました。
現在はその制度も受付終了のために利用できません。
はがれてしまった場合などにも適用されません(1回しか使えない)。
地震後に張ったものが強風ではがれたり、劣化でブルーシート自体がダメになったことでの雨漏り相談が各地で増えています。

劣化したブルーシートの張替えは、初めて張るときよりも手間がかかります。
紫外線でボロボロになった粉状のプラスチックが、靴につくと滑りやすくなり、作業の危険性が上がります。

2016年の熊本地震でも、その後数年間張替えニーズが発生、NPOなどが対応していました。
瓦修理の依頼を業者にお願いするものの、単位で待たなくてはいけないとの話も聞きます。
(水道の工事も同じく、かなり待たなくてはいけない)
緊急修理の枠組みを拡大したり、業者さんを全国から手配できる動きを広げるなど、国レベルでの大きな対応がなければ厳しいと感じます。

前述の支援団体減少に加えて、他の機関も人員削減が進みます。
災害ボランティアセンターの運営を補助するために、全国の社会福祉協議会から職員の応援派遣が続いていますが、そろそろ縮小の予定です。
もちろん、住民の方からニーズが寄せられるピークは過ぎましたが、まだニーズが0になったわけではありません。
ボランティアセンターが週末型になったとしても、平日の受付や準備もあります。
通常業務と、災害で増えた業務やタスク、災害ボランティアセンターの運営など、職員さんの負担は大きいままです。
災害対応事業などでの職員募集もありますが定員が埋まらず、どうしようもないマンパワー不足が各地で嘆かれています。

夏休みで、子連れの支援者も多く来てくれました。
奥能登の子どもたちもキャンプ企画などで支援ベースに遊びに来てくれる機会が多く、廃校の小学校がにぎやかな8月でした。
ラグビー日本代表選手や、三重大学の学生さんとのカヌー体験など、いろいろな方とのふれあいの場にもなりました。

まだまだ復旧が始まったばかりで、向き合うべき・議論すべき課題がたくさんあります。
しかし同時に県外の人には特に、能登の良いところにもふれてもらいたいと思います。
「怒りや悲しみだけでは活動は続けられない」
能登の自然や土地の良いところ、美味しいもの、素敵な人に出会って、ファンになって、長く能登に関わってもらいたいなと思っています。

もちろんたくさんの人と関わって遊ぶこと自体が楽しく、能登の子どもたちに必要な時間だとも思っています。

奥能登と金沢の中間地点の七尾市で企画を実施したことで、良いこともありました。
金沢方面に避難した子と、奥能登で生活を続ける子が数カ月ぶりに会えたようでした。奥能登に戻ってきた子どもたちも多いですが、避難生活で離れ離れになっている子たちもいます。
もちろん大人も。
自力で行き来できない人たちの疎外感をどう和らげていくのか、は今後も大きな課題です。

産業支援
被災した事業者さんのお手伝いや、買付紹介などをしています。
製造や収穫を担ってくれていた人が遠方に避難しているため、人手が足りないケースがあります。
被災した店舗の掃除や、新しく借りで営業する場所の片付けや引越しのお手伝いなど、できることはたくさんあるなぁと思っています。
地域が元気になっていくには、地元の商店や産業の復活も大きなポイントです。
災害ボランティアセンター的な活動からは外れていきますが、NPOだからこそお手伝いできる領域でもあります。
こうしたニーズは見えにくいものでもあるので、こちらから気をつけて探っていかないとと思っています。

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