人吉・長野の現状と課題【3月レポート】

人吉市の3月後半には桜が満開でしたが、長野に移動してみたらまだ開花前。季節の違いを感じました。

しかし、どちらの地域でもこんなに桜が早いなんて…という反応。
長野では、季節が二週間早い。(季節に合わせるから)りんごの作業が間に合わない、と忙しそうに農家さんがされていました。
この調子なら梅雨も早く来るんじゃないのか、と不安そうな声も聞こえます。

やっぱり、ちゃんと環境のことをやっていかなきゃいけないなとも思ったやりとりでした。

 

人吉市

年度末の駆け込み需要

1月から2月にかけては、新しいニーズの相談があまり多くはありませんでしたが、3月に入ってからは少しずつ増えていきました。
原因は、年度末。

3月31日をもって公費解体の申請期限がくること
3月31日で行政からの家財や土砂の回収車が来なくなること
の2つが影響しているようでした。

公費解体の申請をしたので、2階にある荷物を搬出してほしいという依頼が多い気がします。
廃棄物の集積所も閉まってしまうのでは?という心配をされていた方もいましたが、4月以降の運び込みをすれば受け入れてもらえます。

公費解体については、まだ決められないという声も少なくありません。

今年の梅雨がどうなるのかを気にされている方も多いので、公費解体の申請期限が伸びれば、とも思っていましたが申請は締め切りとなったようです。
まだ悩んでいるという話があれば、まずは申請しておきましょうとお声掛けしていました。

 

コミュニティ支援

解体か修繕か、この先をどうするのかを迷っているのは、公民館など地域の施設も一緒です。
応急復旧したうちの一つの公民館が、解体するかもしれないという話が最近になってありました。

その地区に住む人たちの動き、自治会役員の考え、近隣自治会との関係、自治会独自の予算や体力。

本当にいろいろな要素が絡み合って、揺れて悩んで迷って、決めかねている様子を断片的に聞いています。
個人の持ち物でない分、決断が難しいんでしょう。

 

逆に、とりあえず応急復旧に動き出した地区もあります。
大きな被害を受けて集団移転の可能性もある地区。公民館も公費解体するのかもしれないという話があるなかでした。

地区の方と社協さんとコミュニティ支援をしているPBVと一緒に、何度か話をして、今後の方向性を決めました。

応急復旧として、二部屋の仮復旧。床を貼って、リサイクルの畳や企業さんからいただいたタイルカーペットを敷きました。これで集まりなどには使えそうです。
今後、この場を使って地域がどう動いていくのか、もう少し見守りたいなと思っています。

 

ボラセン運営サポート

3月も継続して、運営のサポートをしてきました。サポートといっても、運営体制の基盤づくりについてはPBVがしっかり手取り足取り進めていてくれました。そのため、結としてはボラセンでは活動が難しいケース(NPOニーズ)の受付やそれにまつわる相談役としています。

 

 

NPOの連携会議

3月も継続して、人吉市で活動する支援団体たちと連携会議でニーズのやり取りなどをしています。

 

人手が必要だけど、ボラセンでは対応外の漂流物回収ニーズなど、対応が難しいニーズが残ってきている印象もありますが

熊本YMCAさんなどの団体で来てくれるタイミングで、め組や友救の会、九州看護福祉大学などにも協力してもらい、一つずつ完了させていっています。

▼Nニーズ (4月1日時点) 完了89件 継続9件 未実施3件

 

 

長野

 

年をまたいで数カ月ぶりに戻ると、公費解体が進んでいました。いつもの交差点の先の角まで見えるようになっていたり
あの建物なんだ?と思ったら間の家屋がなくなって見えた公園の一部だったり。


地元で毎日生活されている方たちも、ここどこだ?と分からなくなる瞬間があるそうです。それくらい、本当にびっくりするくらい建物がなくなって更地が増えて、

もちろん新しい建物もたくさん増えました。それでもまだ家屋の修繕中の家が目立ちます。

 

 

ぬくぬく亭移転

台風19号の被害を受けて、豊野町では常設型サロンが地域の組織によって運営されていました。昨年3月末に豊野支所に引っ越しをして、それから一年。
この4月からはプレハブを卒業して、支所の中にスペースが設けられることになりました。
引っ越しに伴って、2020年頭に設置した軒を撤去。

最初は軒だけだったけど、すのこで廊下を作って靴箱も作って、だんだん増えて言った外回り。もちろん木材はすべて廃材を使いました。

ずっとではないですが、断続的にでも長野に関わり続けていられているので、こうして設置から移転・撤去まですることができました。

ただの撤去ではあるのですが、支援しっぱなしではなく、ちゃんと片付けるという視点も大事だなと思っています。
今後もときどき、ぬくぬく亭に顔を出していく予定です。

 

かりぐらしスタートプロジェクト

コロナ禍で生活に困っている方へ、住居付きの就労支援事業です。
長野県社協さんと協働し、現在入居者3名で進行中です。
長野スタッフが定期的にフォローをしながら、入居している方も農家バイトを進めてくれています。

春を過ぎると、リンゴ農家の忙しくなっていきます。紹介できる先が増えるのもあるので、もう少し入居者が増えればなぁとも思います。
ご興味がある方はぜひお問い合わせください。

 

ふらっと農園

3月末に、次のシーズンのじゃがいもを植えました。
ありがたいことに、継続して長野のスタッフや支援者・地域のみなさんがご協力くださるので、継続してできています。

またもう少ししたら今度はサツマイモを保育園生と一緒に植えたいなとも思っていますが、どうなるでしょうか。

畑には、かりぐらしの入居者さんにも一度ご協力いただきました。バイトだけでなくいろいろな面で、地域との関わりが生まれたらいいなと思っています。

かりぐらしのフィールドからは少し離れていますが、コミュニティの場としての畑を、今後も活用していきたいところです。

 

長野ベースの片付け


豊野町にある被災したおうちを継続して使わせていただいています。しかし、このおうちも公費解体の申請が完了したようで、そろそろ退去の準備が必要です。
滋賀の拠点整備を進めながら、長野の片付けも進めています。

 

 

 

伝える活動

今月も、各地からお声掛けいただき講演会や研修会でお話しました。

▼復旧と復興の違い

奈良県社会福祉協議会
栗東市社会福祉協議会
人吉市社会福祉協議会
久留米災害支援ネットワークくるめハッシュ
ポポロハスマーケット(和歌山市)