長野市内の廃棄物の山。何度もメディアに取り上げられていたようです。この廃棄物の問題にあらわれていたように、今回の一番の課題は、行政のキャパシティを超えた被害が発生してしまったことです。
【背景】
廃棄物の集積場が十分に確保できなかったために、被害大の地域近くに仮置き場が確保できませんでした。色々な事情が重なり、決壊で大きかった被害を受けた長沼地区や豊野地区の各地に自然発生的に勝手仮置場が生まれました。早い段階で、分別の指示や別の仮置き場の設置など対策が講じられれば良かったのですが、それも叶わず。勝手仮置き場に比例して、通行の妨げになったり、ご近所同士でのトラブルの元になったりと課題もどんどん大きくなりました。もともと古くからある家も多く、そこを縫うように走る県道も幅が狭いところが多くあり、これも廃棄物撤去の妨げになる一因でした。
・物理的に大型の機械を扱う業者や自衛隊での撤去が難しいこと
・各地に撤去が必要な場所が点在していること
・廃棄物の撤去が完了しないと土砂の撤去が始められないこと
などを現場で確認し、行政だけの対応では難しいと判断しました。現場の声として、災害対策本部などに助言。その流れから、国・県・市・民間団体/企業が合同で対策を協議する場が生まれました。
その結果、行政、社協、NPOなどの民間団体が協力して「One NAGANO」の体制を作ることが話し合われました。
【役割分担】
・集積所への運び出し…軽トラボランティア→災害ボランティアセンター(社会福祉協議会)
・集積所までのルートづくり→自治会、消防団、防災化研(地図化)
・集積所への誘導→行政職員、長野県警
・集積所での積み下ろし→行政職員
・集積所から仮置場への運び出し→自衛隊(夜間作業)
・勝手仮置場での積み込み効率化…重機ボランティア→NPO、全国清掃事業組合
・勝手仮置場の所在地把握…現地を歩いて地図化→NPO
・軽トラボランティアの活動調整→災害ボランティアセンターとNPO
行政、社協、NPO、企業など沢山のセクターからの協力を得て、実施されました。
この中で災害NGO結としては、現地で勝手仮置場のマッピング指揮、一般からの重機ボランティアの問い合わせ対応と受け入れ調整、軽トラボランティアの受け入れ調整、関係省庁や行政担当者との各種打ち合わせ、などを担当。様々な会議と打ち合わせを重ね、現場の状況を反映したオペレーションになるよう尽力しました。
【実施】
10月の最終週、11月の三連休、とボランティアが集まりやすいピークを活用したオペレーションで、大量の廃棄物を町なかから撤去することができました(仮置場への撤去までにはまだまだ時間がかかりますが)。
一日の搬出量の最大は約530トン、その他の休日でも約200〜300トン以上が搬出できていました。
まだ勝手仮置場に廃棄物が置かれた状態ですが、数も規模もかなり縮小していて、今後は行政主導のオペレーションで解決できるのではと考えています。
目に見えて廃棄物の山が小さくなっている上に、大量の人員を撤去に注いだことで、これだけの数の人が助けに来てくれているんだという実感につながったようです。住民の方からは、銀座の様に人が来てくれた、綺麗にしてもらって有り難いとの声も聞けました。
そのため、これまでは主に廃棄物撤去にご協力いただいていた、軽トラボランティアや重機ボランティアの協力者を、土砂の撤去や農地の対応に切り替え始めています。
この先は、敷地内や側溝などからの土砂撤去も進みますが、これも少しずつ進み大きな課題ではなくなってきています。そうなると、今後問題解決に多くの力が必要になる、農地の復旧に関してサポートが必要だと考えています。
One NAGANO=廃棄物撤去だと思われている方も多いようですが、官民の垣根を超えて連携が必要な課題は、まだまだ沢山あります。今後の生活再建のためには、これからの官民の連携がもっと重要になっていきます。
例えば、避難所の生活環境改善のこと。在宅避難者の生活面のサポート。農地被害からの復旧支援。今までのコニュニティを維持するための支援など。
このOne NAGANOを一つのきっかけとして、今後も被災者のために、柔軟な連携が続いていくことを願います。
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