Category Archives: 2023年

079月/24

2023年度報告書ができました

2023年度報告書ができました。
2023年度もたくさんのご支援をありがとうございます。

能登半島地震の甚大な被害対応のために、普段よりもたくさんの方に手厚く支えていただいていると感じています。
ありがとうございます。
結だけでは太刀打ちできない被害に、たくさんの支援仲間と広域支援ベースとして奥能登を広くサポートしています。その内容については、広域支援ベース活動報告を御覧ください。

能登半島は過去にない複雑な被害、そこからの復興までの道のりは、東日本大震災に匹敵する時間がかかると感じています。

今後も、結の活動に限らず能登半島など各地の被災地へ注目いただき、ぜひいつか能登へ観光においでください。

報告書送付をご希望の方は、こちらから、ご住所などをお知らせください。

この先も、結へのご支援・ご協力をお願いいたします。

3112月/23

2023災害レポート

2023年で注目した災害はなんでしたか?

このレポートを読んでくれているような、被災地に関心のある方ならいくつか思いつかれるかもしれませんが、世の中の大多数の方からすると、目立った災害がなかったように感じる年だったのかもしれません。

全国で連日報道されるような印象的な災害はなかったかもしれませんが、全国で被害が多発した年でした。

災害ボランティアセンターが設置された市町村は、21都道府県50市町村。

普段のボランティアセンターや地域の助け合いなどで対応した所もありますが、この数には含まれていません。

今年は特に被災地で現場の対応をしながら、各地の被害ニュースを聞いていて、途中で追いかけ切れなくなるくらいでした。

私たちは関西から九州へ、他の団体もそれぞれ西へ北へ、被災地をハシゴしながら対応に追われた今シーズンだったように思います。その移動距離もかなりのものです。

近年毎年被害を受けている静岡県内の被害には、地元で誕生したチームが対応していると聞いて心強く感じました。

しかしこのような例はまだ少なく、特に被災地で技術支援ができるNPOは数えるほどです。

毎日常駐して他の支援者を受け入れながら支援を展開できる団体となると、さらに限られてきてしまいます。

被災地のニーズに答えていくためには、この現地の常駐できる団体が増えてほしいのですが、どこも基本的に資金難です。
各団体が助成金や寄付を獲得しながら活動を続けていますが、それでも賄えない部分は多数あり、ボランタリーな活動に支えられているところが大きい。

今回、我々が活動した久留米市内の被害対応にかかった経費を試算しました。
土砂や廃棄物撤去などに使用した重機やダンプのレンタル費用、その燃料費を図に示しました。

支援団体への支援として貸出してもらっていた機材などのレンタル費などを参考値として計上しています。細かな消耗品や活動拠点の整備費、拠点と現場の移動費など細かな経費は計上していないため、本来はもっと高額になるはずです。

もちろん、人件費も含まれていません。

しかし、あの規模の災害対応にするために最低限この金額以上がかかってくる、という参考値にはなるかもしれません。
活動に必要な車両の燃料費を行政負担してもらえるような事例もポツポツ生まれていますが、もっとスタンダードになり、支援者が身を切るような状態が少しでも改善していくと良いなと思います。

0612月/23

11月レポート

いわき

9月の大雨から、技術系の対応が続いてきましたが、少しずつ件数が落ち着いてきたこともあり、技術系アライアンスの拠点は11月10日に一区切りになりました。

一区切りと言っても、まだニーズもあるし復旧が終わったわけではありません。
ここで技術アライアンスが一区切りとしたのは、地元移行への狙いからでした。

いわきの地元組織として、「災害支援ネットワークいわき」という組織があり、もともと災害対応に動いていました。しかし、技術ニーズの対応は技術アライアンスが中心となっていて、どうしてもそこの連携体制の構築が難しい状況が続いていました。

外部支援者の我々には、技術やノウハウがあって毎日活動している。既存の地元組織が担い手となるならこれほどいいことはないのですが、担い手になるにはもう少し踏み込んだ活動体制を作ってもらいたいという思いがありました。

10日以降も、一部技術アライアンスメンバーが残って災害支援ネットワークいわきなどにノウハウの引き継ぎをしながら活動しています。

10月ごろから秋田・久留米の活動が落ち着いてきたことで、支援団体がいわきに集まる流れがありました。共同のベースや拠点で毎日顔を合わせて細かい話を重ねることができました。いろいろな課題がありますが、その解決のためにも、技術支援ができる支援団体のネットワーク強化ができればいいなと話しています。

水害が起こりにくい冬と春の間に、連携できる仲間たちとの協働を進めていければなと思っています。

 

沖縄

沖縄でも、少しずつ地域課題へのアクションや防災への取り組みに関わりたいなと思っています。今回はちょうどタイミングが重なったので、2つの取り組みに参加してきました。

 

・ワランチャークラブイチマン

日本語では、子どもたちのクラブ糸満。毎月、沖縄の伝統的な形の船サバニを使ったり、海での遊びを通して自然を学ぶ取り組みです。

水と触れ合う時間を作って、船の楽しさや海の怖さを知ったりする時間です。体を使って自然の中で遊ぶことが、たくさんの経験になって生きる力のもとになると思っています。それが災害時にも大いに役立ちます。

どうしても自然の中で育つ・遊ぶということが難しい世の中にもなっていると感じるので、こうした時間を作るお手伝いをしたいなと思っています。

 

・防災キャンプ@宜野湾

宜野湾市では、独自に市内の防災リーダーを育てる事業を実施しています。参加者を固定して、同じメンバーで何度もいろいろな研修をしていく形の事業です。たまたま、その一連の講習のなかの防災キャンプの日があったので、見学してきました。

実際に小学校の体育館を使って、自分たちで用意した寝袋や、行政備蓄のパーテーションなどを活用して一晩を過ごすプログラムでした。

大規模災害時の避難所の自習運営などの過去の事例もあげながら、避難所について考えて体験する時間でした。同じメンバーで班分けし、同じ班でいろいろな課題に取り組んだり議論をすることで、チームワークが生まれていました。班分けも、住んでいる地区で分けられているので、研修が終わった後でもこのつながりが活かせそうだなと感じました。

 

物資支援

台風19号の支援でご縁ができたりんご農家さんに、りんごをいただいています。

花粉用に植えられたりんごの樹(いろんな品種が混ざると良いりんごになるそう)なので、もともと商品にしないので、好きに収穫していいよと預けてくれている木があります。

夏に摘果・秋の収穫を、地元の信州ひとまるなどのメンバーに助けてもらいながら、今年も収穫できました。丸かじりに適した小ぶりな品種です。

今年も、東京で路上支援をしている「自立生活サポートセンターもやい」さんと「難民支援協会」さんにお預けしてきました。

どちらも、コロナの影響などで支援対象の方が段々と増えているようです。

難民支援協会のスタッフさんから聞けたお話では、コロナ禍で苦しい難民の方も多いが、コロナが落ち着いてきたことで、ここ3年ほど海外から逃げてこられなかった方が一斉に押し寄せていることが大きな原因になっているようです。支援対象が増えているせいで、幼い子ども連れなどより支援がが必要な方だけに絞っても、十分な支援が難しい状況のようです。

難民支援協会

たくさんの人手や支援を必要とする被災地ですが、余剰もあったり、時間がたてば、被災者ではなく支援者になることもできます。

災害というカテゴリーにこだわらず、つなげる支援を一つひとつ形にするお手伝いができればなと思います。

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2311月/23

10月レポート

久留米

 

災害発生直後から、個人所有の月極駐車場をお借りして、NPOの共同ベースとしました。
被災エリアの中にあり、広々使える場所が確保できたのは大変ありがたいことでした。(この場所は、地元メンバーのいるコミサポひろしまさんの紹介で見つけることができました)

この田主丸ベースに、結とコミサポがそれぞれコンテナをレンタルして設置。
重機やダンプもここに集まりました。車両や資機材・消耗品をそろえ、支援者も集まるような場所に。
朝夕の支援者の集合・解散だけでなく、災害VCのスタッフさんや近くから歩いて住民さんが来たり、いろいろな人が立ち寄りました。

車両はいろいろな団体が持ち込んできたり、貸しだしてくれたり、一時は重機4台、ダンプ6台(軽ダンプ含む)がそろっていて、いろいろなニーズにも対応できる体制になっていました。

 

こうした状況が作れたのは、サポウィズさんなどが車両を借りてくれた方たちのお力が大きいです。

ニーズが落ち着いたことから、こうした車両はそれぞれの場所(福岡・大分・広島・茨城)に回送。各地からお預かりした車両は、無事に返却できました。

借りていた駐車場の敷地自体も掃除。数日かけて綺麗になりました。
久留米の残ニーズもおかげさまでゼロになりました。

10月に入ってから、ベースを置いている近くの集会所の復旧サポートのニーズなども入ってきましたが、柔軟に動ける方たちのおかげで、平日に準備を進めて週末などたくさんボランティアさんが来てくれる時にまとめて対応してもらうことができました。

もともと田主丸のベースで活動してくれていた方たちは九州北部の方が多いので、今後もポロポロと出てきたニーズについては、日程を調整しながら対応しようと思っています。

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新潟

2022年8月の豪雨で被害を受けた新潟県村上市。

村上市の中で大きな被害があった小岩内地区で、感謝祭がありました。コロナ禍と昨年は災害のため中止されていたので、数年ぶりの開催だったようです。
ぜひお越しくださいとお誘いいただいたので、少し足を伸ばして北上してきました。

ちょうど今年の10月の頭に、地区に出されていた避難指示が解除されて、仮設住宅から戻ってきたばかり。
土砂崩れの元になった沢の奥は、まだまだ砂防の工事が進められていました。
土砂に飲み込まれた家屋は全部解体されたこともあいまって、災害直後からの景色とは大きく変わっています。

玄関が綺麗に復旧された集会所に、たくさんの住民さんがあつまり、美味しい料理とお話しを楽しんでおられました(ちなみに、この地区の習慣で感謝祭は男性が企画運営料理後片付けし、女性はお呼ばれするのみだそうです)。

崩れた場所の応急処置のみで、まだ本復旧の方向性が決まっていない場所もあり、これは今後の課題になりそうです。

他にも大きく崩れた法面の復旧が進んでいる場所がいくつかありましたが、まだまだ元に戻るには時間がかかりそうです。

引き続き、いろいろな機会で関わりたいなと思っています。

 

長野

 

北上したついでに、いつもお世話になっている長野にも。
久留米や各地に送る用のりんごをいただいた農家さんなどにご挨拶しつつ、今後のりんごの相談など。

 

しかし、80のじいちゃん世代がこんなに悪い年は今までになかった、と言うほど、凶作の年になったようです。
春の凍霜害で、花の蕾がやられてしまって実になれる花が少なかったこと、夏の猛暑が続いた上に全く雨が降らなかったことで、実ったりんごも熟成スピードが変わって色づきが悪かったり、収穫した時にすでに完熟してしまっていたりしたようです。

実は同じ北陸の新潟でも、夏の暑さと日照りでお米の出来がよくないらしく、2等品しかないような話を聞きました。

2023年も災害が各地で多発したり、東の方で台風の上陸が増えていたり、こうして農作物などに影響が出たり、気候変動の影響の大きさをいろいろな形で感じます。気候変動よりも、気候危機の方が言葉としてしっくりくる気もしています。

 

 

いわき

 

9月まで個人支援者としていわきで活動していた方に、技術アライアンス(NPO)と災害vcとの連絡調整役として動いてもらうように体制を変える提案をして、全体の動き方が変わりました。

今まではNPOや支援者個人がそれぞれでひろってきたニーズに対応した後で共有していた形でしたが、調整役が入ることで、少しずつ災害vcに集まったニーズに対応していく形へ。

ニーズの受付窓口を災害vcに一本化し、社協へもブロックの撤去や壁床はがしなどの技術案件の相談が届くようになりました。

こうした技術ニーズのやりとりなどで災害vcを運営する社会福祉協議会との情報共有が密になることで、「足の悪い方が(被災して1階が使えないから)2階で生活している」などの福祉ニーズの存在が分かってきました。

浸水した1階の壁や床をはがす、土砂の撤去を重機で対応するというような技術案件に加えて、前述のような福祉ニーズへは、1階の床をはって応急的に1階での生活ができるようにする、などの環境改善も対応できました。

濡れた畳をそのままにして生活している、床がベコベコで抜け落ちそう、大工を頼めなくて床がないまま、など経済的に厳しかったり、この先何をしたらいいのか判断できずに生活環境が悪化しているケースは少なくありません。災害発生から数か月経ってからこうしたケースが見つかることもあります。

しかし応急的に対応するのが難しい場合がほとんどです。

今回も、生活環境改善に必要な段ボールベットや畳などは支援物資を提供してもらったことで対応ができています。(ダンボールベッドやマットレスは:はままつnanetから、畳は藤岡災害ボランティアチームから)

こうした隠れたニーズを掘り起こすためにも、アウトリーチが大切です。いわき社協としても訪問調査をしたいという意向があったので、過去の訪問調査の事例として、村上市や久留米市のノウハウを共有しました。

そもそも、災害後に何をしたらいいのか分からない住民の方も多いので、住民向けの家屋相談会を実施。こちらは、地元の組織である災害支援ネットワークいわきが主催になり、技術アライアンスのメンバーが講師としてお話ししました。

 

伊豆大島

2013年の大雨によって大規模な土砂災害に見舞われ、39人(行方不明者を含む)が犠牲になった伊豆大島。当時支援に関わったご縁もあって、東京都社協さんの主催する研修会に参加しました。

火山噴火などで全島避難も経験のある伊豆大島は、毎年研修とスタディツアーを実施されていたのですがコロナなどで中止が続いていたようです。

今年は災害から10年の節目でもあるため、同時ボラセンの運営をされた方たちの話を聞きながら振り返り、翌日はスタディツアーとして現地を散策するスケジュールでした。

定期的に大きな噴火が起きている伊豆諸島。
また近いうちに大きな噴火があるかもしれないことを考えると、いろいろな備えが必要です。事前に個別避難計画を立てておいた方が避難の時に役立つなど、歩きながら色々なアイデアが上がっていました。

振り返ると、噴火による災害の支援はまだ本格的に関わったことがなく、過去の災害の資料館などで勉強する必要があると感じました。

1010月/23

9月レポート

久留米

まだ濡れた畳がある案件が2件ありました。もれなくどちらの家の中もカビや湿気の匂いがかなりありました。しかし、住んでいる(長時間滞在する)と鼻がなれてしまうのか、住民さん本人は気にされていない様子。

人間の適応能力の賜物かもしれませんが、自分の周りの環境の悪化に気づけないケースはあるあるです。
外からの目や鼻があって初めて気付けるものでもあります。

災害から時間がたつにつれて、どんどん家の中の状況は見えにくくなるので、細かな気になるポイントでも状況を確かめるきっかけを持つということが重要だなぁと思います。

一度は業者さんに頼む予定でしたが、予算の関係上もう一度ボランティアさんにお願いしたいというニーズもありました。

住民さんと話していたら、応急修理制度が使えないらしいという話があり、他の被災地では聞いたことがない事例だったので再度問い合わせをおすすめしました。
市担当者の判断によるところも大きいようで、再度問い合わせの結果、罹災判定も一つあがり、応急修理制度も使えるとのことで、自宅再建の補助が0円 → 74万と大きく変わったそうです。

「行政から言われたことなので、疑いもせずでした」との住民さんのお声の通り、なかなか制度を理解して疑問を持つのは難しいでしょう。

ニーズの件数は0に向けてどんどん少なくなっています。

しかし、0になることはなく、ポロポロと新しい相談が出てくるようです。

今後も久留米周辺の支援者で技術ニーズの対応ができるように、地元のチーム螢火さんなどと一緒に技術ニーズ対応にあたっています。

活動時期にこだわらない壁床はがしのニーズは、講習会形式でコミサポひろしまさんに教えてもらいながら進められました。

災害が多い分、九州エリアの支援者も少なくはありません。少しずつ技術ニーズに対応できる人を増やすきっかけになればと思います。

実は巨峰は、久留米市田主丸が発祥だという説があります。
それくらい、被害があったエリアには、ブドウ農家や柿農家、植木農家がたくさんあります。
被害をまぬがれたところや、災害直後から自力で土砂撤去をしている畑も多かったですが、復旧の目処が立たない畑や農家さんもおられます。

2017年の朝倉の農業ボランティアセンターの事例も記憶に新しいこともあり、農業ボランティアプロジェクトの立ち上げが進められ、9月末にボランティア募集が開始しました。
詳細はこちら

過去の農ボラの事例や、運営面などの助言をしつつ、今まで関わりがあった農家さんのお手伝いを進めていました。

ありがたいことに、9月に入ってからも、いろんなチームがまとめて来てくれるおかげで、いくつもの農地ニーズに対応することができました。

住まいの復旧が第一なので、もちろん家周りのニーズが最優先ですが、自然も待ったなし。

上記の果樹に加えて、田んぼなどへ流れ込んだ土砂や流木の撤去は稲刈り前の今にしてしまいたいという要望や、一年のスケジュールとして比較的忙しくない今だからこそ復旧対応ができる植木農家さんなど、どこもいろいろなご事情がありました。

農業ボランティアプロジェクトの準備と並行して農地ニーズを対応したことで、そうした姿を見た他の住民さんからの問い合わせがあったりと、そうした意味でも農業ボランティアプロジェクトのサポートができたようです。

 

台風13号

9月頭の台風13号によって、千葉・茨城・福島など関東東北の太平洋側でまとまった被害が発生しました。

久留米などの対応が一段落ついた頃合いを見て、代表前原が現地入り、災害発生直後から現地入りして支援活動をしていた仲間の団体たちと情報共有と課題整理をしました。

 

千葉県茂原市などの被害

内水氾濫の被害がおもだったもの。土砂がない分、どこまで浸水したのかが分かりにくく、発災から時間がたつと被害を把握するのが難しい。

土砂がないため、住民自らも家屋の被害(床下や断熱材などが濡れている)に気づかない可能性がある。

茂原市に被害が集中しているが、近隣の市町村にも被害がある。山間部も被災している地域がいくつかある。

福島県いわき市の被害

2011年、2019年と繰り返し被害を受けている。
山間部で数件土砂崩れの被害はあるが、市内いくつかの河川氾濫の被害の件数が多い。
内郷地区に被害が集中しているが、常磐地区や好間地区、平赤井地区などにも被害が発生している。合併浄化槽が多く、河川から来た土砂で側溝が詰まっており、においが気になる。

 

支援の見立て

千葉県

調整役として四年前の災害対応で誕生した千葉南部支援センター(CVOAD)の存在がある。

家屋案件が上がりにくい可能性をふまえ、ローラー調査や相談会などのアウトリーチが必要。

裏山や山間部の被害があるため、重機案件があるが対応できる団体が少ない。

福島県いわき市

過去の被災経験から、ボランティアの活動事例がある分対応範囲が決まっている部分が見受けられる。ボランティア活動と考えるメニューの幅が狭いために、技術支援などが含まれない。

アウトリーチをおこないつつ、NPOの対応できる技術ニーズの活動範囲を提案する必要があるし、家屋案件に対応できる団体を増やす必要がある。

結の活動

千葉~いわきの支援の調整

いわきで重機案件を対応していた連携団体(seeds of hope、open japan)と連絡を取りながら、千葉で活動してもらえるように調整。

また、千葉で家屋対応しながら裏山などの対応していた団体(レスキューアシスト)のメンバーにいわきに入ってもらい家屋対応の活動支援ができるように調整。

九州の活動もあるため、実働支援が難しいことを考え、連携団体のサポートに徹する。

229月/23

7月レポート(久留米)

各地で大雨が振り、全国で大きな被害が再び発生しました。

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九州北部を中心に被害が発生。代表前原が先行して九州入りしました。6月頭から対応を続けていた海南市(和歌山)のニーズが落ち着いた段階で、本格的に九州の支援を開始しました。

佐賀:佐賀市・唐津市を中心に被害が発生。唐津市での土砂崩れとその他の地域では内水氾濫被害が発生しました。

大分:耶馬渓で有名な中津市や、2017年に大きな被害が生まれた日田市小野地区などで再び大きな被害が発生。避難指示が解除されないと入れない地域などが生まれていました。

福岡:2017年に大きな被害が発生した、朝倉市・東峰村などでも被害が発生。しかしこちらは農業被害などの方が多く、家屋被害は比較的少ない様子。広川町、うきは市、ではまとまった数の家屋被害が発生。久留米市では床上1,000件を超えます。

こうした被害が発生する中、被害件数の多かった福岡県久留米市で活動を開始しました。

久留米市での被害は大きく2種類

国道沿いなどの地域の浸水被害(広域)と、山間部エリアの土砂災害(狭いが複数か所に点在)

ボランティアセンター立ち上げは6年連続7回目という、浸水常習地区を抱える久留米市。
しかし今回は、過去に比較的被害が大きかった2020年の件数を上回りました。更に今までの被害であれば、町中エリアの内水氾濫でしたが、今回は山間部の土砂崩れ被害も加わりました。

内水氾濫と土砂崩れでは、必要な支援がそもそも違います。その違いをちゃんと頭に入れて対応するのは意外に難しく、今までのノウハウがそのまま活かせないという面がありました。

災害NGO結として、いつものように災害ボラセンと連携して技術ニーズの調整に入りました。
災害数日後には、コミサポひろしまが現地入り。久留米市田主丸町にメンバーの一人が住んでいて被災したことから、近所のお手伝いから活動を始めていました。

現地入りしたコミサポひろしまメンバーと合流し、現地を調査。被害の大きかった田主丸町田主丸エリアで、NPOの活動拠点を設けました。

田主丸町のまちなかの浸水家屋対応は、コミサポひろしまを中心に、床下もぐり案件・壁床はがし対応をできる支援者やチームが活動。

 

山手の土砂崩れ現場は、九州テクニカルネットワーク(ボーダレスファイヤー熊本DEFTOKYODRTJAPAN長崎)など重機隊が中心に。

災害発生当初は安全確保のため地域への立ち入りも難しい状態でしたが、地元の方とお話しながら、少しずつできるところからの対応を進めました。

今回は、今までのつながりを使って九州エリアの消防士がたくさん参加したことが、一つ特色です。

九州テクニカルネットワークのメンバーとして久留米で活動した、ボーダレスファイヤー熊本が、熊本の消防OBや現役消防のチームだからでした。被災地という現場最前線で、汗を流して実践しながら自己研鑽してくれる姿は、とても頼もしくあります。

各地で起こることですが、水害後の復旧ノウハウについてを住民が知らないために、ニーズになりにくいという現象が起こります。例年の内水氾濫対応のノウハウがあったことも多少影響しているかもしれません。

社協ボラセンでのニーズの掘り起こしを待ちつつ、活動で関わる家などで地道に声掛けを続けています。

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126月/23

5月レポート

ゴールデンウィーク中の石川県で地震が発生。
各地で顔を合わせる支援仲間や団体が現地入りするため、九州から出向くことはせず、備えのための関係性強化をすすめた一か月でした。

各地訪問

KVOAD(熊本県)、沖縄県社協、まちなか研究所わくわく(沖縄県中間支援組織)、滋賀県社協、大分県社協やその他各地活動したことのある市町村社協などを訪問。
被災地域の現状や課題を共有したり、各地元地域の課題を聞かせてもらったりしています。
社協さんなどはどうしても年度ごとに人事異動があるため、こうして年度の初めの方にできるだけご挨拶できればと思っての訪問です。梅雨時期を前に、何かあったときのための顔つなぎと思っていますが、発災から時間の経過とともに変化する課題を知る機会になったり、各地の特色ある取り組みを学ぶ良い機会でもあります。また、緊急支援現場以外でゆっくり顔を合わせられる貴重な機会でもあります。

技術講習会見学

うまく活用しきれていませんが、拠点を置いている滋賀県でDRTの技術講習会が開催されたので、見学してきました。近畿地方中心に他府県各地から消防士の参加があり、活気があってよい技術講習会でした。関西で被災地での活動をふまえた実技講習会が開催されるのは珍しいことのようです。需要の高さや開催の必要性を感じるとともに、こうした機会を活用させてもらいながら、滋賀での人脈づくりも続けたいと思っています。

九州テクニカルネットワーク

九州の技術支援ができる団体などのネットワーク化を進めています。大きな災害があっても、九州の中で支え会えるように、支援者同士がつながっていてほしいと思っています。九州内での講習会などを通してスキルアップやネットワーク強化を図ったり、災害があれば九州テクニカルネットワークという単位での活動も考えています。

ボーダレスファイヤ熊本
DEF-TOKYO
DRTJAPAN NAGASAKI
*災害NGO結
災害NGOぬち

245月/23

4月レポート

静岡

年度の変わり目と、現地の進捗具合から一旦静岡の常駐体制は解消しました。今後は時々通いながら、みんなの居場所ふらっとなど、地元チームの進みを見守ろうと思います。

イコロ-基山町

4月から本格的に佐賀県基山町の拠点整備を始めました。

築100年近い古民家を借りられたOさんとシェアさせてもらっています。

Oさんは別の地域の出身で、地域おこし協力隊として基山町に移り住んだ方。協力隊の活動の中で出会った地域の方とつながっています。

お家自体もそうですが、このつながりもお借りしながら、拠点整備を進めています。

4月は、使わせてもらっている母屋の二階の修繕と、古くて一部傾いている小屋の解体ができました。

小屋解体と高所作業車講習

母屋よりも昔に作られたらしい小屋は二階建てで瓦屋根の立派な作りでした。

何もせずに解体するのももったいないので、高所作業の研修会会場にすることにしました。

講習会の講師として、各地の被災地で屋根に登ってきたレスキューアシストと姉妹団体レスキューアシスト熊本に来てもらいました。

講習会には福岡·佐賀など近隣の方が参加してくれました。

改めて、基山町のアスセスの良さを感じました。参加者の中には、九州の消防士や過去の被災地で屋根の対応をしたことがある人も。即戦力になりそうなメンバー以外にも、初めての方やSPFメンバーなど、幅広い方に参加してもらうことができました。

 

講習会をきっかけに、基山の拠点整備を手伝いに来てくれる方もいて、大変ありがたい限りです。

講習会というツールを通してネットワークを広げていくイメージが再び深まりました。

*SpecialThanks*

レスキューアシスト
レスキューアシスト熊本

災害NGOぬち

長野土木
重松造園

沖縄研修

3回目の開催でした。平和学習として、首里城付近を散策。

沖縄戦があった当時、首里城の地下に大きな洞窟が作られ、そこが陸軍司令部として使われていました。軍撤退時に爆破されたり経年劣化などで現在は入ることができません。

戦跡としての価値に加えて、2019年の火事で首里城が焼失後から、首里の観光地としても注目が集まっているようで、保存と公開に向けて工事が進められています。

二日目の日程では、サトウキビから黒糖作りを体験。地元の方に教えてもらいながら煮詰めて10キロの黒糖をつくりました。

三日目では県北部の国頭村キャンプ場と海で遊び、アウトドア生活。

普段は自分たちの車になんでも搭載しているメンバーですが、旅先で道具も限られている中でのアウトドアはまたいろいろな発見がありました。

来年以降は、もう少し参加者を増やしたり、公募したり、多くの人に深くまで沖縄を知ってもらうことに立ち返った研修ができればいいなと思っています。

*この研修はSocialShop半人前のサポートで実施しました*

074月/23

3月レポート

熊本

2016年の熊本地震で作られた仮設住宅が3月に閉鎖すると聞いて、少し足をのばしてきました。一時は益城町の中だけで1,556件建設された仮設住宅。この最後に残った木山仮設も、最大220世帯ほどが入居していました。

団地の敷地内にあるささえあいセンターにも少し顔を出してお話を伺いました。アポも取らずに突然お邪魔しましたが、「もう訪問者はほとんどいませんから」と話しながら色々教えてくださいました。
自宅を再建した人、復興公営住宅に転居した人など、自力で復旧できる人から退去していきます。(今回の場合は、地震後の都市計画などで自宅再建の条件が揃わないケースなどがあり、一概には言えませんが)そうして自立できる方から退去が始まり、見守り支援などが必要な方が多く仮設団地に残っていきます。
何か所もあった仮設住宅団地も、木山仮設に集約されてここまで使用されてきました。ほぼ空き家になった仮設団地を歩くと、ちょっと寂しい気分になります。
1人ひとりと退去を見送って残っていく住民の方はどんな思いだったんだろうかと少し考えてしまいました。

仮設住宅はこれで撤去の動きになるようですが、復興住宅に移った後も続いていく課題、新たに生まれる課題さまざまです。
ようやく仮設住宅がなくなりました。やはり、被災地の復興には時間がかかるなぁと改めて感じます。

 

3月11日から12年

今年の3.11は沼津市での研修会中に迎えました。
2021年7月に水害を経験した沼津市で、技術ボランティアの話をしてきました。
実技部分も入れたいとのことだったので、昨年9月の台風15号被害から生まれた静岡の団体「しぞ〜かまめっ隊」のみなさんにもご協力いただきました。
市町村をまたいだとしても、近くの実働団体が講習や研修に参加して協働できるのはありがたい機会でした。各地で技術ボランティアの必要性が理解されはじめ、研修や講習も増えています。だからこそ、研修や講習をつながり作りの機会としてちゃんと活用していきたいなと改めて感じました。

 

静岡 – 台風15号

地元の拠点ふらっとを活用して、サロンや家屋復旧のサポートなど被災地支援活動が続けられています。3月はほとんど、外部支援者として何もしないけど居るをした期間でした。手も口も出さず、相談にのる、アドバイスだけする、という役割が地元支援に必要だと思っています。
件数が落ち着いてきたこともあって、家屋復旧の活動調整も地元の方たちで進んでいます。ふらっとというプラットフォームを活用している点で、団体を超えての活動調整なのでやり辛そうな面も見えるので、その点は今後もちょっと気にして見守りたい部分です。
また、油山地区でお借りしていた宿泊拠点は、荷物を整理して完全に撤収しました。応急的に修繕した壁や床はそのままにして、オーナーさんが再度自宅を活用してくれたらいいなと思っています。

 

岡山倉敷

もう一つ、現地を使った研修にもお邪魔しました。こちらは2018年の西日本豪雨で大きな被害を受けた、倉敷市真備町のとある家を活用して実施。あの時に被災し、その後本格的な修繕をしないままの家です。その後住む人がいなくなり、空き家になっていたところでした。そこを地域の拠点・シェアオフィスとして有効活用したいという話が生まれました。再建費用を抑えることと、家屋再生の過程を研修会として体験するが目的のプロジェクトでした。
被災地に限らず、空き家は全国各地の課題です。被災地×社会課題を研修などで解決するような流れが今後大きくなっていくのではとも思っています。

103月/23

2月レポート

静岡

災害を受けて建物を解体するので、まだ使えるもので必要なものがあればぜひ引き取ってもらいたい、という話を聞いた2月頭。土砂崩れの被害が大きかった油山地区の一番上流の旅館さんからでした。

旅館なので、布団やテレビ・小型冷蔵庫などがいくつもありました。社協さんなどを通じて困窮者支援などをされている部署におつなぎしました。

こうした活動がある時は、ふらっとで相談すると、まめっ隊や登録のボランティアさんなどが参加してくれる流れができてきました。どんな技術ニーズにも対応できます、とはまだいきませんが、ポロポロ出てくるニーズに対応できる体制ができつつあります。

活動依頼・ニーズ自体は落ち着いてきています。災害直後に必要となった資機材の多くも、役目を終えた部分が大きくなってきました。各地の組織から預かった資機材を返却するお手伝いもしています。
災害直後はたくさんの人があれもこれも持ってきてくれますが、災害から時間が経つとどんどん人手は少なくなります。緊急期の後片付け、は見えないけれど大事なことだと思っています。

スライドショーには JavaScript が必要です。

長野

2019年10月の台風19号の被害から丸3年以上が経過しています。
この春で被災した方の見守りを続ける「地域ささえあいセンター」の活動が一旦区切りを迎えます。

毎週、コンテナハウスで開かれていたサロンは、住民自治協議会(地域の自治会)に引き継がれるようです。今後は、災害由来の取り組みではなく、地域の取り組みとして続いていくのでしょうか。

災害直後に支援者が集まったことから始まった「長沼支援会議」も、一区切りのようです。
復旧活動のさなか、外部支援者などを集めて地域の課題などを共有した後、開催主体が地元の方たちに移っていきました。

丸3年をこえて年度の変わり目で、いろいろな枠組みが変わっていく時期です。
外部支援→地元支援から、さらに災害復旧→地元の取り組みに移行しています。

 

新潟県村上市


今月も村上市・関川村を訪問。

被災された方のサポートを目的としたみまもり支援センターでは、住民の方に郵送での状況調査を進めていました。その中でまだ支援が必要な世帯が浮かび上がってきます。
壁はがしなど実働も必要なニーズがありそうです。

静岡などと違い、人口密集地から距離があるため、こうした活動の担い手確保が難しい面があります。
災害後から関わってくれいている方たちと連絡を取りながら、どうにか県内などの範囲で対応できないか模索中の様子です。時々顔を出しながら、必要に応じてサポートしようと考えています。

集団避難が継続中の地域、小岩内地区。土砂崩れに沿って大きな被害があった家屋はすべて解体が完了し、山の中の応急的な工事にもめどがたったようです。「春には避難指示が解除できる見通し」との説明が行政からあったそうで、時期は明言されていませんが、仮設住宅に避難している世帯の半分以上は自宅に戻れる可能性がでてきました。
しかし、今まで被害の大小に関わらずみんな同じ場所に暮らしていたのに、今後は本格的に生活空間が区切られていくことになりそうです。

これからの方が課題も増えそうだなと感じています。

 

熊本県


佐賀の拠点から足を伸ばして、熊本県北部へ。

2016年の熊本地震からもうすぐ丸7年。益城町の仮設住宅も、2月で最終の退去だそうです。それに合わせてささえあいセンターも一区切りのようです。2020年の豪雨の県の見守り事業は継続中です。

九州のネットワークづくりや、7年のノウハウを借りに、また時々お邪魔したいなと思っています。

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