Category Archives: 2025年

0411月/25

10月レポート

能登

10月末で、能登半島の公費解体が一区切りとなりました。
申請済みの家は大方解体が終わって、更地ばかりになっています。
たまりばの周辺の家屋もほとんどがなくなり、今まで見えなかったスーパーが見えるようになっています。

輪島市は8割ほど解体が進んでいるようです。
しかし、所有者との連絡がつかない家、迂回道路を作ってから解体が必要なところ、重機が入らないので手解体のところなどが残っている印象です。

公費解体が大方終了することに伴い、廃棄物の受入れも10月で終了する場所が増えました。
10月末にできるだけ廃棄物搬出をしましたが、まだ今後も廃棄物が出てくる見込みです。

今後は町野地区では搬出に片道30分くらいかかるかもしれません。
このように、1件の対応に時間がかかるようになりそうですが、一方でニーズは残り数件です。
10月末で輪島市災害ボランティアセンターでも、常設設置から不定期開催に移行していくほど、全体的なニーズ自体は少なくなってきました。

しかし、完全に0になるにはまだ数年かかると感じます。
生活再建の進み具合に伴って新しいニーズも出てくるはずなので、そうしたニーズの相談先は、今後も必要です。

季節が夏から少しだけ秋に移り、すぐに冬が始まりそうです。

一瞬の秋の間に、町野町のお祭りがありました。
一緒にお神輿やキリコを担がせてもらいました。
普段出会えない人とも顔を合わせられる、人と人をつなぐお祭り。
能登で大切にされているお祭り。
2年ぶりのお祭り開催に少しだけお手伝いができて、とてもうれしいひとときでした。
来年はもっとたくさんの地区でお祭りが開催されることを楽しみにできそうです。

 

たまりばも、冬支度を始めました。

暑さ対策で風通しをよくしていた場所を少しずつ塞いで、あたたかくたまれるように進化中です。
薪ストーブも入れて、いつものように廃材を燃やせるように計画中です。

解体予定の旅館や家などから、廃材をもらいました。
ベンチなど次の姿に生まれ変わったり、みんなをあたためるエネルギーとして活用予定です。

 

熊本

9月で家周りの土砂撤去はほとんど進みました。
美里町や甲佐町は、ビニールハウスの土砂撤去など、産業支援が多くなりました。

1件の面積が大きく大変で、ビニールハウスによっては重機が入れないために、人力で対応するしかない場所も多くありました。

人数が少ない日もありましたが、九州のメンバー内で声をかけあって、できるだけ大勢で現場対応を進めています。
お花のビニールハウスの方からは、お礼のお花を能登に送っていただくなど、嬉しい交流にもなりました。

1610月/25

9月レポート

能登

夏休みの学生たちや、春頃から企画が動いていた企業ボランティアなど、団体の方たちの受け入れが多くありました。
たくさんの人手が必要な現場が多かったので助かりました。
おかげで、畑のビニールハウス解体や土砂撤去などたくさんの現場が進みました。 家の中のお手伝いもわずかにあります。

お手伝いの必要なニーズの中で、福祉ニーズの割合も増えたような気がします。
・地震後の雨漏りがあり、家の老朽化にも関係するので本格的な修理が必要だが予算的に3桁万円以上するために難しい
・土砂撤去など災害由来のお手伝いは進むが、家の再建をどうするのかを判断する人がいないため、なかなか暮らしの立て直しにつながっていかない
・自分の生業のために仮設住宅と自宅敷地内の倉庫で二拠点生活を続けるつもりだが、生活に必要なものを全部自力で整えるには高齢なため時間がかかる

など被災状況、世帯状況によりさまざま。
災害をきっかけに関わる機関が増えている今、できるだけ課題の整理をしたいところですが、一朝一夕では進みません。

隔週で開催している、夜の持ち寄り飲み会のたまりBAR。飲みながら、町の未来を妄想したり、ちょっと話し込んでみたり、子どもたちが遊んでいたりにぎやかです。

ようやく町野町の仮設商店街の着工もありました。
目に見える部分も見えない部分も、いろんな場面でまちづくりが進めばいいなぁと思います。

地震直後に酒米の救出などで関わった、松波酒造さんも仮設店舗で営業を始められました。
いろいろな方が少しずつ前に進んでいるニュースは嬉しいもの。
これも、今までたくさんの人たちがお手伝いに来てくれたからに他なりません。
復活して前進していく姿も、また見に来てもらいたいなぁと思います。

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熊本

土砂崩れが多数発生していた美里町、甲佐町の復旧を、九州テクニカルネットワークのメンバーと一緒に進めています。
9月からは、二つの町の対応が少し落ち着いたため、八代市で活動するコミサポひろしまの助っ人に入っています。
龍峰地区では土砂崩れ被害が発生。
浸水件数に比べると土砂崩れの被害件数は少ないものの、土砂が家に流れ込んでいるので一軒ごとの対応にかなり時間がかかります。

美里などと同じく、腰の高さまで土砂に埋もれている家もありました。
見た目の衝撃も大きいので、災害後すぐは家の片付けに前向きでない方もいらっしゃいました。
しかし、たくさんの支援者が来て景色を変えていくことで、元気になってきたり笑顔を見せてくれたりしています。
大学生などが団体で来てくれるとそのパワーは顕著で、とても助かりました。
ビフォーアフターでまとめて見るとみんなの頑張りが伝わりやすいかもしれません。
ぜひ活動報告の動画をご覧ください。

019月/25

8月レポート(能登・熊本)

能登

8月はさすがの能登も30度を超える日が続きました。
外も人通りが少なかったように感じます。
日々の活動も安全第一を目標とし、たくさんの方のおかげで大きな事故やケガなく終えることができました。

8月10日ごろから能登でもまとまった雨が降りました。避難所開設されたり、被害予防ために国道が通行止めに。
町野周辺では家屋への大きな被害はなかったように思いますが、土砂崩れで孤立状態に近くなりました。

通れない道が多く、買物などが不便になっただけでなく、雨への不安感が高まった数日でした。(能登町では床下浸水約100、珠洲でも仮設住宅が床下浸水するなどの被害が出ています)
「あの雨で家族の気が立っている」と話す方もいらっしゃるように、まだまだ不安な場所の多い能登です。
今後の雨でも被害が発生しないか不安に思いながら備える日々が続きます。

熊本での豪雨対応のため能登のスタッフが減っています。
そのため、少ないスタッフで現場対応とたまりば運営をしています。
ありがたいことに、今までたくさんの方が活動してくれたおかげでニーズはかなり少なくなりました。

急ぎのニーズも少ない状況です。公費解体に伴う荷物移動など飛び込みで発生するものもありますが、大体は田畑などの産業ニーズや暮らしの生きがいづくりに関わるニーズが残っています。
一度にたくさんの人で対応した方がよい現場も多いため、参加人数の多い週末などに調整して活動しています。

活動日数を減らすなどの対応はしていますが、能登での復旧支援は変わらず続ける予定です。
二拠点対応ができるのも、今まで能登の支援に継続的に関わってくれた団体や個人の方が今も能登に関わり続けてくれていることが大きく、とても感謝しています。

 

 

 

 

 

 

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熊本

豪雨の被害発生範囲が大きいことなどから、12日に現地入りしました。
現在は甲佐町と美里町を中心に対応を進めています。

熊本は、2016年の熊本地震、2020年人吉球磨の豪雨など、定期的に災害に見舞われています。
当時の関係者の紹介で、活動拠点や被災地の関係者がすぐ見つかりました。今までの活動での関わりに改めて感謝する瞬間でした。

熊本以外の被災地の活動から、九州テクニカルネットワークの枠組みが生まれ、今回は九州テクニカルの実働と活動調整として動いています。
甲佐町や美里町などの重機ニーズに対応中です。
浸水被害件数も多いですが、今のメンバーや体制で力を発揮できるのが重機ニース対応と判断したため、土砂撤去に注力しています。

九州の団体や過去の災害でゆかりある団体などが活動していますが、熊本県内でも7つ以上の市町村にまたがって被害が発生しているため、支援団体が散らばっています。
一つひとつの被害件数は大規模災害には届かないものでも、支援が散ってしまい円滑に復旧を進めることが難しい状況です。
災害ボランティアセンターでも活動人数が少ないため、さらに復旧に時間がかかってしまう可能性もあります。九州に近い支援者が九州の復旧支援に入ってくるようになればいなと思っています。

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138月/25

九州豪雨の対応中

8月の豪雨によって、九州各地に被害が発生しています。
八代市や天草方面での浸水被害件数が多いですが、山間部でも土砂崩れの被害が発生しています。
結では、九州テクニカルネットワークなどと一緒に、御船町から、甲佐町と美里町の土砂撤去に対応中です。

いくつもの市町で、山間部の家屋の裏手などがくずれたり、川そばの家に大量の土砂が流入していたりします。
川の流れに沿った被害は分かりやすいですが、家裏の土砂崩れなどは、被害がどこにあるのか分かりにくい状態でもあります。

各地のボランティアセンターと連携して、技術対応が必要なニーズからお手伝いを始めています。
現場は、九州テクニカルネットワークを中心にしていろいろなNPOや消防有志のチームといっしょに対応を進めています。

土砂の量が多い(100cmくらい)ところや、家裏の狭い場所など、対応に何日もかかる現場もあります。
毎日、九州エリアなどの消防や支援者が活動してくれています。
現場対応と並行して、甲佐町・美里町の現場対応を進めながら、山都町、宇城市などに点在するニーズの把握を進めています。

一方で、熊本県内各地だけでなく、九州広範囲に被害市町村が存在することで、ボランティア参加が分散して、各市町村では人手が足りていません。
外部からの問い合わせを受け入れて人手を確保しつつ、一つひとつの現場対応を続けます。
ボランティアセンターの募集状況はこちらから

 

▼8月13日更新

8月頭からの豪雨によって、九州各地で被害が発生しています。
この雨によって、犠牲になられた方へ冥福をお祈り申し上げますとともに、被害に合われた方に心よりお見舞い申し上げます。

能登半島の支援を継続しているので、できるだけ能登を離れたくないのですが、鹿児島県だけでなく熊本県や九州各地に被害が広がりはじめた段階で、九州への現地入りを決めました。

12日に能登で支援物資を積み込み、13日から熊本入り、14日から本格的な活動をはじめます。
九州はもともと災害が多く、その分少しずつ九州の支援団体が育ってきています。
九州の支援団体と連携し、重機を使うなど技術支援の調整などを軸に現地の復旧をお手伝いしたいと思っています。

活動の様子は随時SNSにて更新する予定です。

048月/25

7月レポート

能登の特色は、お祭り。7月から本格的なお祭りシーズンです。
能登町のあばれ祭りなど、各地で平日週末問わずにあちこちでお祭りや神事が始まっています。
去年はできなかったけど今年は、という地区もあれば、地震で人がいないから今年も難しいという地域も。

石川県の募集するお祭りボランティアの力を積極的に借りる地域もある一方、お祭りができなくなるならそれも集落の寿命だし運命、と受け入れる地域もあります。
私たちも拠点を置く地域の神事とお祭りに出席させていただきました。
日ごろから地域に住む人は4分の1ほど。
お祭りに合わせて帰ってくる人や、実家があった子や孫たちが半分以上で執り行われていました。
おかげで、この地域こんなに人がいらっしゃったか?と思うほどにぎやか。こうした地域も少なくないのです。

場のニーズは少しずつ減ってきていますが、まだポロポロとご依頼もあり、一つずつお手伝いを進めています。
最近は、土砂崩れに巻き込まれたお宮から御神体を探し出したり、漁港横の共同作業所の土砂を撤去したり、地域に関わる場所のお手伝いが増加中です。
生活の空間を最優先にしてお手伝いを進めていたので、そうした場所が少なくなってきて、地域の場所や暮らしの中でも優先度の低い場所に手を伸ばせるようになってきたのかなと感じます。
お盆を前に、お墓周りのニーズなどにも対応中です。

外浦の未来をつくる会やのと復耕ラボなど、地元支援団体と活動調整をしながらお手伝いを進めたニーズもありました。
人数が少なかったらお手伝いに行ったり、技術ニーズを引き受けたり、彼らに代わりボランティア受け入れをしたり。
細く長く現地の活動を続ける可能性の高い地元支援団体と、今後はもっと密に連携を取らねばと思っています。

1年半以上経過して、さすがに平日は活動参加者が減りました。
受け入れがない日は、事務整理したり現場調査したり。
週末の現場が安全にできるように、重機練習ができるように、平日が現場の準備時間です。
そんな中で週末変わらずに来てくださる方たちは大変ありがたく、大人数が必要なニーズは週末を中心に対応しています。

 

7月末は、能登町のタビイクの新拠点にお邪魔。
仮拠点から移動して、大人数で集まれる場所になっていました。今後年単位で能登に関わる予定のようで、門前で拠点をかまえるSEEDS OF HOPEも、広域支援ベースで一緒に活動していたチームが奥能登で継続的に活動を続けているのが嬉しく心強いなぁと思っています。

 

たまりば

ゆるりと大体毎日開けていると、困りごとの相談にきたり、野菜の差し入れに来てくれたり、立ち寄ってくれています。
週末はボランティアが多いことから、私たちのお昼ごはんを作るお母さんチームが毎週末来てくれるようになりました。
美味しいお昼ごはんを食べられて嬉しい私たちと、みんなのために作るのが楽しいよと言ってくれるお母さんたち。
もらいすぎな御恩は、日々の活動でお返ししていけたらと思っています。

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317月/25

たまりば

 

 

住民も支援者もみんなの集まる場に

もしかしたら、もう世の中からの関心は薄くなっているかもしれませんが、まだまだ復旧には時間がかかります。
復興はさらにその先。
少しずつ落ち着いて今後の住まいや生活について考えはじめたけれど、復興への道のりは長く続きます。

まだまだ復旧の途中のまちで、仮設住宅に住む人も家に住み続けられている人も、県外からの支援者も、誰でも自由に使える場所として運営をはじめました。

 

たまりば地図

イベントがあるときに来たり、家の相談に来たり、一緒にボランティアしたり、会議場所や仕事場に、いろんな使い方があります。

いろんな持ち込み企画お待ちしています。

 

たまりばの背景

輪島市東部の町野町や南志見地区。地震の被害が大きく、倒壊した家屋も多かった地域です。
輪島市中心街まで車で40分。
9月の豪雨も大きな被害を受けました。
被害の大きさゆえに、金沢や県外など遠方に避難した人も多く、体感的には人口の半分近くが不在になっていると感じます。
商店も減り、行事も減り、人口も少なくなっているので、顔を合わせる場が少なくなっています。
解体後の敷地にまた家を建てるのか?復興住宅に入るか?など、今後の生活への相談をするにも、人が行き交う機会も減っています。
物理的な場を作ったり、機会を作ったりすることで、今後の生活のぐちを言える時間が生まれたら。
人の集まる機会や場所があって、誰かと関わりながら、まちの今後を考える機会になればいいなと思っています。

災害時のインフラ自立化

地震で大きな被害を受けた輪島市東部は、道路の寸断や停電断水が発生しました。
冷蔵庫の食材を持ち寄ったり、湧き水を活用したり発電機を使うなど、生活の知恵を出し合って地域で協力して、困難な避難生活を乗り越えたと聞いています。
インフラが整わないからこそ、県外などへの二次避難が多く、今も遠方から時々地域に通うなど、地元での生活を送れない方がいらっしゃいます。
そして、9月の豪雨で再び孤立・停電・断水。
がけ崩れした斜面や河川などの整備に時間がかかっていて、今後も災害発生のリスクは普段よりも高いと言えるかもしれません。

そんな地域でも、停電解消前の2月に地域に戻ってきた方も。「(二次避難先の)旅館で出してもらったご飯を食べて、お風呂に入って寝るだけの生活。何もすることがない。1か月で限界が来て戻ってきた。戻ってきたら家の中も外もやることがいっぱいで楽しい」と話す80才もいました。
山と海に囲まれ自然の中で生活する能登の人たちには、何もすることがない生活はストレスだったようです。
自分の望む場所で望む形で暮らす、という生活の基本は、災害によって奪われます。しかし、ライフラインを自力で賄えるなら、こうした望みは叶えることができるかもしれません。
人口減少で体力がない地域に大きな災害が来ると、このライフラインの自立が避難生活に大きな影響を及ぼす気がしています。
まだ災害発生リスクを抱える能登の拠点だからこそ、試験的にライフラインの自立化を図り、今後の災害拠点のモデルケースを作っていきたいと思っています。